フィンランド海軍での運用
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2015/12/30 05:08 UTC 版)
「S級水雷艇」の記事における「フィンランド海軍での運用」の解説
4月13日になると、白衛軍はそれらの艦艇からフィンランド海軍を編成することを決定した。フィンランド海軍に編入されたソーコル級には、そのロシアでの艦級名に因んで「S1」から始まる艇名が与えた。そのため、これらはソコル級またはS級水雷艇と呼ばれるようになった。なお、同様にロシアから捕獲したツィクローン級水雷艇も「C級」としてフィンランド海軍に編入されている。 S級水雷艇は、最終的にはおよそ7年にわたってフィンランド海軍で運用された。運用初年には、S級はバルト海戦域に投入され、ソヴィエト・ロシアの赤色艦隊に対するイギリス艦隊の軍事作戦を支援した。 1920年にフィンランドとソヴィエト・ロシアとの間にタルトゥ条約が締結されると、S級はじめ旧ロシア帝国艦艇はロシアへ返還されることとなった。引渡しは1922年に実施されることになったが、S級がすでに決定的なまでに旧式化していると判断したロシアはその内3 隻を受領せず、そのままフィンランドへ売却した。フィンランドはこれらの水雷艇を自国の海軍へ編入した。残る3 隻については、除籍・解体を前提にロシアへ帰航した。これら3 隻は、1925年にソ連で解体された。 フィンランド海軍に編入された3 隻については、その後も運用が継続された。しかし、S2は1925年に暴風雨に起因する事故により沈没、翌1926年に除籍となった。S1は1931年から1932年にかけて標的艦に改修、訓練用に使用されたのち1939年に退役した。S5も同様に1939年で艦艇としての使命を終えたが、第二次世界大戦と継続戦争の勃発により急遽水上砲台に改装され、来襲するソ連の航空機に対抗する防空砲台として1942年まで使用された。
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