パッサメッツォ・モデルノ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/10 13:53 UTC 版)
「パッサメッツォ」の記事における「パッサメッツォ・モデルノ」の解説
(イタリア語:passamezzo moderno「新しいパッサメッツォ」の謂い) ルネサンス音楽から初期バロック音楽にかけて流行した和声進行の定型。ポピュラー音楽において「(アメリカン・)グレゴリー・ウォーカー(英語:[American] Gregory Walker)」と呼ばれるコード進行に該当する。 1500年代前半のイタリアおよびフランスの舞曲が起源の長旋法による変奏曲で、しばしば「リプレージ(イタリア語:ripresi)」と呼ばれる対照的な部分や進行を伴っていた。トーマス・モーリーが理論書『音楽実践への簡略な手引き Plaine and Easie Introduction to Practicall Musicke』において、パッサメッツォ・モデルノの響きをへぼ歌手になぞらえて扱き下ろしたにもかかわらず、フィッツウィリアム・ヴァージナル・ブックにも数点がとり上げられたほか、1700年以降も大衆音楽や芸術音楽において人気があった。 度数で示すと次のようになる。 I|IV|I|V|| I|IV|I-V|I|| イ長調を例にベース音を示すと、 A|D|A|E|| A|D|A-E|A|| となる。 19世紀になって米国においてグレゴリー・ウォーカーとして復活、これはサブドミナント和音が、次のようにIV-Iの和声進行に置き換わったもので、とりわけパーラー音楽で人気があった。 度数で示すと次のようになる。 I|IV-I|I|V|| I|IV-I|I-V|I|| イ長調を例にベース音で書き換えると、 A|D-A|A|E|| A|D-A|A-E|E|| となる。 後にグレゴリー・ウォーカーは、トゥウェルヴ・バー・ブルースへと変化した。したがって、ジャズやロックにおいても、グレゴリー・ウォーカーに基づく次のような作例がある。 ウディ・ガスリー:There is a House in This Old Town アーヴィング・バーリン:アレキサンダーズ・ラグタイム・バンド(1911) ビートルズ:そのときハートは盗まれた (1963) ローリング・ストーンズ:ホンキートンク・ウィメン (1969) キャロル・キング:きみの友達 (1971)
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