ドイツ連邦軍への配備計画
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/11 10:07 UTC 版)
「デイビー・クロケット (戦術核兵器)」の記事における「ドイツ連邦軍への配備計画」の解説
冷戦時代の西ドイツにおいて、アデナウアー政権で1950年代後半から1960年代前半にかけて国防相を務めたフランツ・ヨーゼフ・シュトラウスは、デイビー・クロケットに大きな期待と支持を寄せ、アメリカに対して西ドイツ軍(ドイツ連邦軍)にニュークリア・シェアリング政策に基づくデイビー・クロケットの供与を希望した。 彼によれば、M388核弾頭はワルシャワ条約機構軍に対する効果的な戦力であり、その威力は1発で通常火砲の40門から50門の全力斉射に相当するため、デイビー・クロケット1基で2個ないし3個砲兵大隊を代換でき、これによりNATOの抑止力を大幅に向上させる事ができると共に軍事予算を大幅に削減でき、効率的かつ効果的な戦力の増強と軍事費の削減が実現できる、というものである。 しかし、これは事実上「東側との戦争状態に突入した場合、即座に戦術核兵器を使用する」ことと同義であり、戦術核兵器を重要な戦力と位置づけつつも「敵が通常戦力で攻撃を行った場合、まずは極力通常戦力のみで対応し、核兵器の使用は敵が核兵器を使用、もしくは使用を決断したと判断した後に決定する」という当時のアメリカの基本戦略(柔軟反応戦略)に反していた上、NATOの軍事力に占める核兵器の依存度を過度に偏重させるものであることから大きな反発を受け、最終的にはアメリカによって却下された。
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