ゼータ関数正規化とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > ウィキペディア小見出し辞書 > ゼータ関数正規化の意味・解説 

ゼータ函数正規化

(ゼータ関数正規化 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/08/14 13:53 UTC 版)

数学理論物理学において、 ゼータ函数正規化(: Zeta function regularization) とは、物理学での正則化や、発散級数と言われる方法である。これによって、発散する和や積に対して有限の値を対応させ、特に、自己随伴作用素の行列式やトレースを定義することに使うことができる.現在は物理学の中の問題に適用することが行われているが、元来は、数論におけるうまく定義できない和について、実際の意味を与えようとすることに原点がある.なお、物理学では「正規化」ではなく「正則化」と呼ぶが、この記事中では物理学に関する記述でも「正規化」で統一する。また、「自己随伴作用素」という用語を使用した。通常は「自己共役作用素」と呼ぶが、問題の作用素は共役だけでなく転置共役を意味する「自己随伴作用素」という用語を使用した。




「ゼータ函数正規化」の続きの解説一覧

ゼータ関数正規化

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/03 06:54 UTC 版)

1+2+3+4+…」の記事における「ゼータ関数正規化」の解説

ゼータ関数正規化 (zeta function regularization) において、級数n = 1 ∞ n {\displaystyle \scriptstyle \sum _{n=1}^{\infty }n} は級数n = 1 ∞ n − s {\displaystyle \scriptstyle \sum _{n=1}^{\infty }n^{-s}} に置き換えられる後者級数ディリクレ級数一例である。複素変数 s の実部が 1 より大きいときこのディリクレ級数収束し、その和はリーマンゼータ関数 ζ(s)等しい。一方実部1 以下のときこのディリクレ級数発散し、特に級数 1 + 2 + 3 + 4 + … は s = −1 と置いたものだから1 + 2 + 3 + 4 + …発散するリーマンゼータ関数導入するメリットは、そうすれば s に関する解析接続によって級数の収束領域外側まで矛盾なく定義することができることにある。そうして、級数 1 + 2 + 3 + 4 + … のゼータ関数正規化された「和」を ζ(−1) = −1/12定義するのである。 ところで、ζ(−1) = −1/12証明する方法はいくつ知られている。一つ方法オイラー論法沿ったもので、リーマンゼータ関数とディリクレイータ関数英語版) η(s) との間の関係を用いる。このイータ関数交代ディリクレ級数によって定義されるもので、故にこの方法は古き経験論方法をなぞるものである。両ディリクレ級数収束する領域において、等式 ζ ( s ) = 1 − s + 2 − s + 3 − s + 4 − s + 5 − s + 6 − s + ⋯ 2 ⋅ 2 − s ζ ( s ) = 2 ⋅ 2 − s + 2 ⋅ 4 − s + 2 ⋅ 6 − s + ⋯ ( 1 − 2 1 − s ) ζ ( s ) = 1 − s − 2 − s + 3 − s − 4 − s + 5 − s − 6 − s + ⋯ = η ( s ) {\displaystyle {\begin{alignedat}{8}\zeta (s)&{}={}&1^{-s}+2^{-s}&&{}+3^{-s}+4^{-s}&&{}+5^{-s}+6^{-s}+\cdots &\\2\cdot 2^{-s}\zeta (s)&{}={}&2\cdot 2^{-s}&&{}+2\cdot 4^{-s}&&{}+2\cdot 6^{-s}+\cdots &\\\left(1-2^{1-s}\right)\zeta (s)&{}={}&1^{-s}-2^{-s}&&{}+3^{-s}-4^{-s}&&{}+5^{-s}-6^{-s}+\cdots &=\eta (s)\\\end{alignedat}}} が成り立ち、この等式 ( 1 − 2 1 − s ) ζ ( s ) = η ( s ) {\displaystyle (1-2^{1-s})\zeta (s)=\eta (s)} は、上記級数発散する領域の s に対しても、解析接続によって延長すれば保たれる故に s = −1 を代入して −3ζ(−1) = η(−1) を得るが、このイータ関数はこの級数定義するアーベル和に等しいから η(−1) は容易に計算できる。つまり、片側極限 − 3 ζ ( − 1 ) = η ( − 1 ) = lim x ↗ 1 ( 1 − 2 x + 3 x 2 − 4 x 3 + ⋯ ) = lim x ↗ 1 1 ( 1 + x ) 2 = 1 4 {\displaystyle -3\zeta (-1)=\eta (-1)=\lim _{x\nearrow 1}\left(1-2x+3x^{2}-4x^{3}+\cdots \right)=\lim _{x\nearrow 1}{\frac {1}{(1+x)^{2}}}={\frac {1}{4}}} が求まって、両辺を −3 で割れば、ζ(−1) = −1/12 を得る。

※この「ゼータ関数正規化」の解説は、「1+2+3+4+…」の解説の一部です。
「ゼータ関数正規化」を含む「1+2+3+4+…」の記事については、「1+2+3+4+…」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「ゼータ関数正規化」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「ゼータ関数正規化」の関連用語

ゼータ関数正規化のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



ゼータ関数正規化のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのゼータ函数正規化 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaの1+2+3+4+… (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2024 GRAS Group, Inc.RSS