スカートノック
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/04 01:30 UTC 版)
ピストンがシリンダー壁に衝突して発生する音であるため、ピストン打音とも呼ばれる。 レシプロエンジンではピストンが上下する際に、クランクシャフトからの力がコネクティングロッドを介してピストンに斜め方向に作用する。この斜め方向の力によって、ピストンは圧縮行程時は反スラスト側へ押され、膨張行程時はスラスト側へと押される。膨張行程の途中、コンロッドの傾きによりピストンピンはスラスト側へと移動するが、ピストン上部は燃焼ガスに押されたピストンリングとの摩擦力で反スラスト側に置いていかれ、ピストンは斜めに傾く。ピストンが下がり、シリンダ内圧が下がってくると、ピストンとピストンリング間の摩擦力も低下し、ピストン上部がスラスト側へと移動し、スカート上部がシリンダーに叩きつけられる。この現象によりエンジンが打撃音を発する。 ピストンとシリンダーの隙間が大きいほど打撃音が大きくなるため、長期の使用で摩耗したエンジンで発生しやすい。また、冷間始動時には隙間が広くなるため音が発生するものの、エンジン暖機後には音が消える場合もある。スカートノックが起こると不快な音が乗員の耳に入るが、前述のように恒常的に鳴り続けるものでは無いためエンジン機能へのダメージは少ない(常に打音がするエンジンはピストンクリアランスが過大であり、オーバーホール、オーバーサイズピストンへの交換を検討すべきである)[要出典]。
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