サグ部と上り坂による渋滞
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/18 20:17 UTC 版)
すり鉢状の地形にある道路では、ドライバーが凹状の底の地点(谷底)に到達して上り坂に差し掛かる、ゆるいV字形の箇所をサグ部とよんでいる。サグ部の勾配は、せいぜい2 - 3%程度である。下り勾配から上り勾配への変化が認識しづらいため、ドライバーが勾配の変化に気づかないことでアクセルを踏むことが少なくなり、自然と速度が低下していく。その結果、後続車との車間距離が一気に縮まり、後続車が車間を確保しようとして連鎖的にブレーキを踏まざるを得なくなり、さらに元の走行スピードに戻すまでには時間を要するためやがて渋滞となる。 自動車のアクセルは速度を管理・調整する機能ではなく、燃焼状況(トルク)を調節する機能であるため、路面状況の変化にドライバーが気が付かず同じようにアクセルを操作すれば、このわずかなタイミングの遅れにより速度の低下が起こることで結果的に交通容量の低下が起こる。車間距離が短くなると、サグ部に差し掛かっただけで渋滞が発生しやすくなり、サグ部の渋滞時の交通容量は非渋滞時に比べて大幅に低下することとなる。 サグ部における渋滞を防ぐため、ドライバーにサグ部であることを気付かせることが大切であり、減速を防ぐための標識を設置することも渋滞対策の1つである。また、エスコートライト(後述)やオプティカルドットによる対策も考えられている。
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