交通容量 (こうつうようりょう)
交通容量
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/14 01:11 UTC 版)
一般の十字交差点などに対して、ラウンドアバウトの交通容量(単位時間に通過できる車両の数)は大きくなる。ただし、信号機のない十字の交差点と比べる場合は、交差点を突き抜けるときに、左右からの交通がどちらも途切れているときのみ通過できることを考えると、ラウンドアバウトの方が有利であるともいえる。アメリカのTRB (Transportation Research Board) の発行したTransportation Research Circular-Issue 212 (1980) によれば信号のある十字路の容量は最大1500台/時である。それに対しラウンドアバウトの容量は1800台/時ともいわれるが(単車線の場合)、このモデルで最大容量が実現した場合というのは、環道をとぎれなく車両が周回しているという場合であり、この時には当然他の車両は環道に進入できない。つまり最大値を比べても意味は無い。結局のところ、その交差点のある場所の交通量(それぞれの道路に対する進入・退出量)とその方向によって、実際に通過できる車両の量は変わってくる。Jian-an Tanがラウンドアバウトと信号付十字路を比較検討したところでは、小型の交差点の場合(外径16 m、環道幅6 mのラウンドアバウトと道幅7 mの道路の交差点との比較)にはラウンドアバウトの方が容量が大きくなるが、交差点の規模が大きくなるにつれ、信号機付十字路の容量が大きくなることが多くなる。 ラウンドアバウトの容量は進入路の車線数、進入角度、車線の幅、環道の車線数などで異なり、処理能力は他のタイプの交差点と同様に、様々な方面からの進入量に依存する。一車線のランドアバウトでは一日当りおおよそ20,000~26,000台を捌くことができ、日本にはない環道内二車線のラウンドアバウトでは一日当り40,000~50,000台ほどになる。 各進入路のそれぞれの流入量が極端に偏っている場合、ある進入路からは環道への進入のチャンスがほとんどなくなってしまう場合がある。このような場合は、特定の進入路からの進入を制限することになる。信号をつけることも一つの方法である。ただし、すべての進入路に信号を付けた場合、この交差点はラウンドアバウトとは設計思想が全く違うものとなるので、以後はラウンドアバウトの考え方は適用できない。他の方法としては、隣接する別の信号付交差点での信号のタイミングを調整し、対象のラウンドアバウトへの進入量を調整することも考えられるし、歩行者が多い場所なら、ラウンドアバウトから少しはなれたところに横断歩道と信号を設置し、それで進入量を調整することも考えられる。
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