コンピュータにおける 0 の使用
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/10 05:21 UTC 版)
「0」の記事における「コンピュータにおける 0 の使用」の解説
初期の、FORTRAN や COBOL などのプログラミング言語では、配列の添字は 1 から始める方式であった(「1オリジン」という)。しかし、1950年代後半の時点で既に ALGOL 58 が柔軟な配列の添字(正、負、0 のいずれの整数も可)を導入している。現代の多くの言語は「0オリジン」であり、例えばC言語では、n 個の要素を持つ配列の添字は 0 から n-1 までである。0オリジンには、配列の先頭アドレスに単に添字を足すだけで、その要素の位置を求めることが出来る利点がある。一方でBASICのように、古い標準(JIS C 6207-1982「基本BASIC」)では0オリジンだったのに、新しい標準(JIS X 3003:1993「Full BASIC」)では(変更可能だが)1オリジンがデフォルト、と逆行した例もある。 ヌルポインタはどんなオブジェクトも指さないポインタである。C言語においては整数定数の 0 がポインタの文脈で解釈されるとヌルポインタとなる。これは単なる記法であり、実際には計算機環境に適合した内部表現のヌルポインタが作られる(0番地と決まっているわけではない)。 0 はしばしばコンピュータにおいて特別な意味を持つ。C言語を始めとする多くの言語では、真偽値として評価する文脈において 0 は偽を意味すると判断される(0以外の全ての値は真と判断される)。一方、プログラムが戻り値として 0 を返した場合は正常終了と見なされる事が多い。errnoなどのエラーコードにおいても 0 は「エラーでない」の意味によく割り当てられる。コードポイントの 0 ('\0')はヌル文字であり、文字列の終端を意味する。 −0 は、普通の算術では 0 とまったく同じものであるが、1の補数など、表現方法によっては別の表現が与えられることがある(現代の多くのコンピュータで採用されている2の補数では区別はない)。また、多くの浮動小数点数では、-0.0 は別のものとして扱われることがある(詳細は「IEEE 754における負のゼロ」の記事を参照)。
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