コスモ貴族主義
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/09 09:56 UTC 版)
「ブッホ・コンツェルン」の記事における「コスモ貴族主義」の解説
フランス語でいう「ノブレス・オブリージュ」を基盤とする思想。「高貴な人間にはそれに伴う義務がある」ことを掲げ、体現している。この思想での「貴族」とは、由緒ある血筋や家柄によるものではなく、「高貴な精神」と「高い能力」を兼ね備えた人間を意味し、それらを持つ者が新たな時代の「貴族」として、コスモ・バビロニア内で社会の中枢となることが認められている。そもそも提唱者のマイッツァー・ロナ自身が元々はジャンク屋上がりであり、名門ロナ家の家名は購入して得たものである(旧姓はブッホ)。 宇宙世紀0123年当時の人類社会は退廃の極みに達し、それを統御する立場にある地球連邦政府も腐敗しきっていた現状を憂い、マイッツァーは絶対民主主義を掲げる地球連邦政府を、堕落の温床であるとして打倒し、コスモ貴族主義に基づく新たな階級制度による社会秩序を建設する理想国家「コスモ・バビロニア」の建国を画策し、私設軍クロスボーン・バンガードを結成し、フロンティア・サイド強襲を皮切りにスペースコロニーの制圧に乗り出した。 しかし、イデオロギーとして、異論を論破し内部意志を統一し社会そのものを改革・領導する、明確な理論を提示し、それを貫徹しうる勇気とカリスマを備えた思想的指導者たりうる「人間的な意味合いでの貴族」が実在しないことや、血筋にこだわらないことを標榜しながらロナ家を出奔したベラ(セシリー)を後継者とすることに固執する、ブッホ・コンツェルン自体も打倒すべき連邦政府との癒着を力の根源としているなど、多くの矛盾を抱えていた。ただし、尺の短い劇場版では、これらの矛盾点は表面化しなかった。 続編ともいえる漫画『機動戦士クロスボーン・ガンダム』によれば、マイッツァーの孫でコスモ・バビロニアの正統継承者であるベラ・ロナがコスモ貴族主義を自己否定する言動を取ったことにより衰退したと語られている。皮肉にも、このベラ・ロナの毅然とした態度と自ら矢面に立つ勇気こそが、コスモ貴族主義の理想像そのものだった。 なお、10年後の宇宙世紀0133年になってもなお、この思想を支持する者や前述のコスモ・クルス教団に賛同する者は少なからず存在した。
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