コザック配列の「強さ」
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2010/03/04 12:43 UTC 版)
「コザック配列」の記事における「コザック配列の「強さ」」の解説
コザック配列は厳密でなく、不一致があっても翻訳を開始できる場合が多い。しかし哺乳類においては、最終的に合成されるタンパク質の量が、コザック配列の一致・不一致に影響されることが知られており、これをコザック配列の「強さ」のように表現する。この「強さ」は単に不一致の量で決まっているのではなく、塩基によって重要さに差がある。AUGの3塩基は実際の開始コドンであり、タンパク質のN末端のメチオニンをコードしているため必要不可欠である。このAを起点(+1)として、5'端側から-3,-2,-1,+1,+2,+3のように部位を数える(0はない)。「強い」配列では、+4位のGと-3位のAまたはGが両方とも存在している。「妥当な」配列ではどちらか一方のみが存在し、「弱い」配列では両方とも存在しない。-1位と-2位のccは保存されていないが、コザック配列の強さに寄与している。また-6位のGが翻訳開始に重要であることを示す証拠もある。 こうしたKozak配列のタイプは遺伝子調節メカニズムのひとつとして進化したのだろう。Lmx1bは「弱い」Kozak配列をもつ遺伝子の一例である。こうした部位から翻訳を開始する場合、リボソームが開始部位を認識するためにはさらに他の特徴がmRNA配列に必要になる。
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