キリスト発言
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キリスト発言(キリストはつげん、英: More popular than Jesus)は、1966年のジョン・レノン(ビートルズ)の「僕たちはイエスより人気がある」という発言とそれをめぐる論議のことである。1966年7月、「ロンドン・イブニング・スタンダード」紙のレノンへのインタビュー記事の一部分であるキリスト教に対する発言が引用され、アメリカの雑誌「デイトブック」に掲載された。アメリカ合衆国や多くのキリスト教国のラジオ局がビートルズの楽曲を放送禁止とし[1]、南アフリカ共和国政府やスペイン政府は公式に抗議声明を発表した。抗議の声はローマ教皇まで届いた[2][注釈 2]。
注釈
- ^ 前列左からジョン・レノン、ポール・マッカートニー。後列左からリンゴ・スター、ジョージ・ハリスン。
- ^ 当時の教皇パウロ6世はヴァチカンの公式新聞「オッセルヴァトーレ・ロマーノ」紙を通して、「ビートニクの世界のことであっても、冒涜的に語られるべきではないことがある。」と苦言を呈した。
- ^ 7月29日。
- ^ 1964年、ビートルズはアメリカ公演のために訪れた南部での記者会見で、「(観客席を白人と有色人種とに分離する)人種差別が行われる会場では公演を拒否する」と宣言した。主催者側もこの発言を受けて観客席を分離することを中止した。
- ^ 諸説あり。
- ^ 1966年8月19日、メンフィス公演が行われた。
出典
- ^ ファスト 1976, p. 275-277.
- ^ a b c d e f g “ジョン・レノンの「キリストより有名」発言論争の真実”. RollingStone JAPAN (2016年9月4日). 2017年7月14日閲覧。
- ^ “Maureen Cleave, British journalist who championed the Beatles, dies aged 87”. The Guardian (2021年11月8日). 2021年11月12日閲覧。
- ^ a b c d e f g 斉藤 2017, p. 76-79.
- ^ a b Jonathan Gould(2008). Can't Buy Me Love: The Beatles, Britain and America. Piatkus. ISBN 978-0-7499-2988-6 , 308-309
- ^ a b Cleave, Maureen (2005年10月5日). “The John Lennon I knew”. The Daily Telegraph 2014年8月5日閲覧。
- ^ ファスト 1976, p. 277.
- ^ ビートルズ 2000, p. 225.
- ^ “Fifty Years Ago, John Lennon Declared The Beatles To Be ‘More Popular Than Jesus,” On This Day In 1966”. Live for Live Music (2016年3月4日). 2017年7月14日閲覧。
- ^ “ビートルズ、コンサートの契約書に入れた「重要なこと」とは?”. frontrow (2020年6月8日). 2020年6月9日閲覧。
- ^ 立川 1975, p. 210.
- ^ ファスト 1976, p. 275.
- ^ 立川 1975, p. 210-211.
- ^ a b (The Beatles 2000, p. 215)
- ^ a b (Philip Norman 2010, p. 448)
- ^ ファスト 1976, p. 279.
- ^ 立川 1975, p. 212.
- ^ Wiener 1991, p. 6.
- ^ Wiener 1991, p. 161.
- ^ Jones 1992, p. 115.
- ^ Jones 1992, p. 118.
- ^ “ローマ法王庁、J・レノンの「キリスト」発言を許す”. ロイター通信 (2008年11月23日). 2017年7月14日閲覧。
- ^ “カトリック総本山、ついにザ・ビートルズを許す”. BARKS (2010年4月13日). 2017年7月14日閲覧。
- ^ “Vatican Gets Around to Praising the Beatles”. The New York Times (2010年4月13日). 2017年7月14日閲覧。
- 1 キリスト発言とは
- 2 キリスト発言の概要
- 3 レノンの謝罪会見
- 4 参考文献
キリスト発言
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詳細は「キリスト発言」を参照 1966年3月4日、ロンドン・イブニング・スタンダード(英語版)紙のモーリーン・クリーブ(英語版)とのインタビューでジョンは次のような発言をした。 「キリスト教は逝っちゃうだろうね。議論の余地はないね。僕は正しいし、僕が正しい事は証明されるさ。今やビートルズはイエスより人気がある。ロックン・ロールとキリスト教、どちらが先に逝っちゃうかはわからないけどね。イエスはまぁイケてたんじゃない?けど弟子たちはバカで凡人だった。僕に言わせれば、ヤツらがキリスト教を捻じ曲げて滅ぼしたのさ。」 この発言はイギリスではほとんど問題にならなかったが、同年7月にアメリカのファンマガジン『デートブック』に再収録されると、キリスト教右派が信奉されるアメリカ南部や中西部の保守的宗教団体によるアンチ・ビートルズ活動に結びついた。ラジオ局はビートルズの曲の放送を禁止し、ビートルズのレコードやグッズが燃やされた。スペインおよびヴァチカンはジョンの言葉を非難し、南アフリカ共和国はビートルズの音楽のラジオ放送を禁止した。最終的に、1966年8月11日にジョンはシカゴで以下のように釈明会見を行いヴァチカンも彼の謝罪を受容した。 「もし"テレビがイエスより人気がある" と言ったなら何事もなかったかもしれない。あの発言には後悔してるよ。神を否定していないし、反キリストでもなければ、反教会でもない。イエスを攻撃したわけでもなければ、貶めたわけでもない。ただ事実を話しただけで、実際アメリカよりイギリスではそうなんだ。ビートルズがイエスより良くて偉大だとは言ってないし、イエスを人として僕らと比べたりもしてない。言ったことは間違ってたと話したし、話したことは悪く取られた。そして今に至る、ってことさ。」 「たまたま友人と話をしていて、“ビートルズ”という言葉を自分とはかけ離れた存在として使っただけなんだ。“今のビートルズは何にもまして大きな影響を若者や状況に与えている、あのキリストよりも”って言ったんだ。そう言ったことが間違って解釈された。」
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