カーネギー・フォーミュラ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/20 05:36 UTC 版)
「カーネギー図書館」の記事における「カーネギー・フォーミュラ」の解説
カーネギー図書館はほぼ全て、寄付金を受け取る町が守らなければいけないルール「カーネギー・フォーミュラ」に従って設立されている。そのルールは以下の通り。 町は公共図書館の必要性を説明すること。 図書館を建てるための土地を用意すること。 毎年、図書館建設の費用の10%を運営費として用意すること。 事業は無料であること。 カーネギーはアシスタントのジェームズ・バートラムに寄付金申請の合否決定権を与えた。そこで、バートラムは「質問予定表」を作成する。この予定表には次のような質問が並んでいた。 町の名称は?地位は?人口は? 町内には既に図書館があるか?、 既に図書館があるとすれば、所在地はどこか?公立か私立か? 何冊蔵書してあるか? 町有地は利用可能か? 特に、住民が図書館設立に対して意向を示すことや、政府が図書館運営のために税率を引き上げることなどは必須要件である。寄付金は一回で全額支給される訳ではなく、プロジェクトの進行に従って段階的に支払われる。寄付の記録は「デイリー・レジスター・オブ・ドネーションズ」に収められている。例えば1908年の記録を見てみると、毎日10から20のエントリーがあったことが読み取れる。この年度は、アメリカ合衆国とイギリスの図書館や教会オルガンに対して毎日寄付金の贈与が行われていた。 各自治体に配当された寄付金の合計金額は、アメリカ合衆国国勢調査の記録と照らし合わせると1人あたり2ドルという計算になる。多くの自治体が公共機関を設立するチャンスを狙っていた。この事業を運営していたカーネギーの秘書ジェームズ・バートラムは、自治体に対して常になんらかの要求を行った。 カーネギーの図書館に関する慈善事業は、社会に大きな影響をもたらした。アメリカ合衆国で自治体の成長や図書館の拡大が最も盛んだった時期に、ちょうどカーネギーが図書館事業を行ったのである。1890年までに州の多くは公共図書館の設立に積極的に乗り出しており、図書館を収めるための新しい建物の需要が高まっていたため、カーネギーの寄付金提供はまさに渡りに船であった。カーネギーが図書館に関心を示し、その重要性に対する信条をはっきりとした態度で示したことで、図書館はその発展に対して大きな貢献を享受するに至ったのである。
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