ヘンペルのカラス
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ヘンペルのカラス (Hempel's ravens) とは、ドイツのカール・ヘンペルが1940年代に提出した、帰納法が抱える根本的な問題(「帰納法の問題」)を喚起する問題である。「カラスのパラドックス」とも呼ばれるが、パラドックスとして扱うべきかどうかには異論もある[1]。
注釈
- ^ 英語では "All ravens are black." となる命題。
出典
- ^ a b 森田 2010, p. 31.
- ^ a b c d e f g 森田 2010, p. 32.
- ^ a b c d e f g h i 岡部 2010, p. 136.
- ^ “たいぐう【対偶】”, デジタル大辞林(goo辞書), 三省堂 2011年8月23日閲覧。
- ^ a b 野矢 1996, pp. 107–109.
- ^ 野矢 1996, p. 108.
- ^ 野矢 1996, pp. 106, 109.
- ^ a b 野矢 1996, p. 109.
- ^ 野矢 1996, p. 110.
- ^ a b c 逢沢 2001, p. 74.
- ^ 岡部 2010, p. 137.
- ^ a b 森田 2010, p. 169.
- ^ a b c d 森田 2010, p. 34.
- ^ “白いカラス発見 撮影に成功 - 四日市”. 伊勢新聞 (伊勢新聞社). (2008年10月22日)
- ^ “あれっ、純白のカラス”. 琉球新報 (琉球新報社). (1997年9月4日) 2009年11月26日閲覧。
- 1 ヘンペルのカラスとは
- 2 ヘンペルのカラスの概要
- 3 現実の世界と論理学との関係
- 4 参考文献
- 5 関連項目
カラスのパラドックス
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「カール・グスタフ・ヘンペル」の記事における「カラスのパラドックス」の解説
詳細は「ヘンペルのカラス」を参照 科学的仮説の検証の基本的モデルは仮説演繹法であるが、このモデルをおびやかすパラドックスがヘンペルの指摘したカラスのパラドックスである。仮説演繹法は、たとえば「すべてのカラスは黒い」という仮説をたてたなら、「次に観察するカラスも黒いはずだ」という予測が演繹でき、その予測が確かめられることで仮説がより確からしくなる、というプロセスをへる。ところで、「すべてのカラスは黒い」(A)という命題と「すべての黒くないものはカラスではない」(B)という命題は論理的に同値(対偶)である。この後者の命題(B)からは、「次に観察する黒くないものはカラスではないはずだ」という予測が演繹でき、その予測が確かめられることで仮説(B)はより確からしくなる。しかし、それならば、部屋の中にある黒くないものを観察するだけで仮説(B)がより確からしくなることになり、同時にそれと同値である前者の仮説(A)も確からしくなることになる。つまり、部屋の中に居ながらにして「すべてのカラスは黒い」という仮説を確かめることができてしまうことになるのである。これは非常に奇妙であり、仮説演繹法を改良する必要があることが分かる。
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