ドビュッシー:カノン形式による6つの練習曲「2台ピアノのための」(シューマン原曲)
英語表記/番号 | 出版情報 | |
---|---|---|
ドビュッシー:カノン形式による6つの練習曲「2台ピアノのための」(シューマン原曲) | 6 Etudes | 作曲年: 1891年 |
作品解説
この曲が作曲される契機となった「ペダル・ピアノ」という楽器はピアノにオルガンのような足鍵盤を付けたもので、当時シューマンが教えていたライプチッヒ音楽院にオルガンの学生のために置かれていた。彼はこの楽器に強い興味をかきたてられ、1845年に自分のピアノにもペダル鍵盤を借りて備えつけた。若い頃からバッハの音楽に傾倒し、フーガや対位法の研究に熱心に取り組んでいた彼は、この新しい楽器のために、2つの声が終始語り合い紡ぎ合わされていくロマンティックで美しいカノンを作曲した。そして、その後1891年にこの曲を2台のピアノに割り振り、対話と調和の美しさを薫り高く表現したのが、巨匠ドビュッシーである。
バッハを彷彿させる1番、やや愁いを帯びた陰影の彩が美しい2番、歌曲のような優美な旋律をもつ3番、ロマンティックな情感と心の動揺のコントラストをうまく表現した4番、メンデルスゾーンが非常に気に入っていたと言われる何処か物悲しいスケルツァンドの5番、4声のフーガをはさみ深く穏やかな情緒、敬虔さと慈愛に満ちた6番、の全6曲からなる。
- カノン形式による6つの練習曲2台ピアノのためののページへのリンク