カシンベック病とは? わかりやすく解説

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カシンベック‐びょう〔‐ビヤウ〕【カシンベック病】

読み方:かしんべっくびょう

シベリア東部朝鮮半島北部中国東北地区みられる関節と骨の変形・はれを主症状とする病気小児では四肢発達がよくなく、小人(こびと)症になる。医師カシン(N.Kaschin)とベック(E.V.Beck)が研究・報告


カシンベック病 (カシンベックびょう)


カシン・ベック病

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/08/12 15:00 UTC 版)

カシン・ベック病英語: Kashin-Beck disease)は、小児期に始まる原因不明の慢性関節疾患である。

地方病性変形性骨関節炎(osteoarthritis deformans endemica)とも呼ばれる。地域集積が強く、風土病の一つとされる。

疫学

2013年時点で64万人の患者がいると推定されている[1]

東部シベリアから中国東北地方、朝鮮半島に多くみられる。日本では山口県、北海道、東京都などで報告例がある。

原因

ヨード欠乏やセレン欠乏、何らかの重金属中毒、真菌による感染や飲食物の汚染などの関与が疑われているが、原因は特定されていない。

中国東北部には克山病と呼ばれるセレン欠乏を主体とする風土病が知られており、これとの関連も疑われたが結論は出ていない。

症状

成長板における軟骨壊死と、それによる二次性の関節症をきたす。まず手足の指の小関節が侵され、次第に大関節に及ぶ。多くは関節の腫脹や変形をきたし、O脚、X脚、不完全脱臼、骨折がみられる。

治療

根本的な治療法はなく、整形外科的な対症療法が主体である。

歴史

1844年、ロシアのユレンスキーがシベリアのウロフ河流域に小人症が多発していることに気づき、それは1861年にロシアの軍医カシンによってウロフ病として報告された[2]。1906年、ロシアの軍医ベックがモスクワでこの疾患を精査し、1908年に疾患概念を確立したことからカシン・ベック病と呼ばれるようになった。

出典

  1. ^ Guo, X.; Ma, W.-J.; Zhang, F.; Ren, F.-L.; Qu, C.-J.; Lammi, M. J. (2014-11-01). “Recent advances in the research of an endemic osteochondropathy in China: Kashin-Beck disease” (English). Osteoarthritis and Cartilage 22 (11): 1774–1783. doi:10.1016/j.joca.2014.07.023. ISSN 1063-4584. PMID 25106677. https://www.oarsijournal.com/article/S1063-4584(14)01196-0/abstract. 
  2. ^ 半谷高久 (1970). “汚染水中の有機物をめぐる諸問題”. 地球化学 4 (1): 20–23. doi:10.14934/chikyukagaku.4.20. https://www.jstage.jst.go.jp/article/chikyukagaku/4/1/4_KJ00007318332/_article/-char/ja/. 

関連項目


カシンベック病

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/10 19:15 UTC 版)

上水道」の記事における「カシンベック病」の解説

カシンベック病は19世紀カシンおよびベックによりシベリアみられる地方病として報告された骨変形などを主症状とする疾患である。水道水含まれるフェルラ酸、パラドキシ桂皮酸カフェイン酸等の有機物質原因考えられている。

※この「カシンベック病」の解説は、「上水道」の解説の一部です。
「カシンベック病」を含む「上水道」の記事については、「上水道」の概要を参照ください。

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