エルスワース・トゥーイー
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/18 00:38 UTC 版)
「水源 (小説)」の記事における「エルスワース・トゥーイー」の解説
Ellsworth Monkton Toohey 人気コラムの執筆者で、ロークの敵対者で、集産主義を体現する。大衆の意思の代表者を自称するが、他人への権力を希求している。自尊心を破壊することによって、カモになった人物を支配する。あらゆる人物や業績をその真価を問わず同等に価値あるものとして扱う、厳格な平等主義を社会に流布させることによって、さらに広範な権力を握ろうとする。ある評者が述べたように、トゥーイーのやり方は次のようなものである。 「多数のゼロから導かれる平均」のような社会を目指すトゥーイーは、自分がどのようにピーター・キーティングを崩壊させるかを、正確に認識している。彼は「利他主義を利用して個人の高潔さを破壊し、ユーモアと寛容を利用してあらゆる基準を破壊し、犠牲を利用して人々を奴隷にする」という自分の手法を、この破滅した若者に説明してみせる。この説明を通じて彼は、最良かつ最悪のファシスト精神を華々しく誇示する。 それゆえ彼は、ロークが体現する擬英雄的精神に敵対する。 ランドは、さまざまな状況でのトゥーイーの行動の想像する際、英国の民主社会主義者ハロルド・ラスキの記憶をヒントにした。ニューヨークの知識人、ルイス・マンフォード(Lewis Mumford)やクリフトン・ファディマン(Clifton Fadiman)も、トゥーイーのキャラクター造形に役立てた。
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