イデール群
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/22 23:36 UTC 版)
アデール環の可逆元の群をイデール群(idele group, idèle group)と言う。イデールの概念はイデアルの修正であって、シュヴァレー (Chevalley) によって導入され、"ideal element"(略して "id. el.")と名前を付けた。ここでイデールはアデールの部分集合であるが、イデールの位相はアデールの位相の制限位相ではない。なぜなら逆元を求める写像はこの位相で連続でなくなる。代わりに、イデールは xy = 1 である全てのペア (x, y) ∈ A × A からなる閉部分集合に誘導位相を入れたものと同一視される。イデール群は、局所整な単元の部分群に関して局所体の単数群の制限直積(英語版)(restricted product)として実現される。イデールは局所コンパクトな位相群をなす。 主イデール(principal idele)は、数体や函数体の可逆元の対角埋め込みによって与えられ、主イデールによるイデール群の商は、イデール類群(idele class group)である。 これは類体論の重要な対象で、体のアーベル拡大を記述する。局所類体論(英語版)(local class field theory)の局所相互写像の積は、数体と函数体の最大アーベル拡大のガロア群へイデール群からの準同型を与える。ガウスの二次相互法則を高度に一般化したアルティン相互法則は、この積が数体の乗法群上では 0 となることをいっている。このようにして、イデール類群から体の絶対ガロア群のアーベル的な部分への大域相互法則が得られる。
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