アイゼンへ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/11/04 15:06 UTC 版)
万年雪に覆われたアルプスが存在するヨーロッパでは、スイスのJ.ジムラーなど古くから氷河登降時におけるアイゼンの効用を説く人がいた。オラス=ベネディクト・ド・ソシュールもモンブランなどで3本爪のアイゼンを使ったことが知られている。しかしアルプス黄金時代になっても、多くのガイドを雇い無数の足場を切って一番易しいルートから標高4000 m級の山に登るのであれば4本爪、5本爪程度の簡易アイゼンで可能であり充分でもあった。いわゆるアルプス銀の時代でもアイゼンの進歩は見られなかった。 その後困難なルートへの挑戦が始まるにつれて徐々に有効性が認められて改良され爪の本数も増え、ドイツ、オーストリアの登山家には好意を持って迎えられたが、この段階においてもイギリスの指導的登山家の多くは保守的であり冷遇されていたようで「竹馬乗りを習ったと同じ利益しか得ないであろう」と皮肉られたり「鬼の発明品」と排斥されたりした。1900年前後になって相次いで登山技術書が出版され素晴らしさを認めるようになったが、しかし雪や氷の斜面の実際の登攀解説はピッケルによる足場切りを主体としている。
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