あがり‐なまず〔‐なまづ〕【上がり×鯰】
死鯰
読み方:あがりなまず
- 狭斜の巷に出入して、奢侈を為し豪遊を極めし者が、金銭を消費し尽して昔日の俤なきこと。死せる鯰のぬめり去りたるに喩へて云へる也。
- 遊里などにて金銭を費消し尽し嚢中空しくなれるをいふ。死んだ鯰のぬめりがなくなりしより転化す。
- 昔時普通にては金銭の尽きたる遊蕩者を上り鯰と云へり。上りとは死の意なり、死せる鯰はヌメリ無し(光沢ある粘液が乾燥するを云ふ)。これを猥褻語に転用して老女を上り鯰と云へり。
- 上り鯰。外骨著「猥褻廃語辞彙」に老女の陰門を云ふとあり。乃ち上り鯰とは死せる鯰の謂にして、粘液乾燥してぬめりなし、故に枯燥せる老婦の女陰を指して上り鯰といふ。因に普通の意味に於ては金銭尽きたる遊蕩者の事なりとあり。蔵春洞主人の説に依れば「上り鯰、「よだれかけ」五に「ぬらぬらと上り鯰のぬめりくらし」とあるは、ぬめりなしといふことの解説に適はず、恐らくは水沢山の年増女をかく云ふに非るか。金銭尽きたる遊蕩者を上り鯰といふは「柳亭記」下「都風俗鏡」「吉原失墜」「朱雀遠目鏡」に見えたり」とあり。
- 遊廓などで金銭を使ひはたして懐中無一物となることをいふ。
- 金銭の尽きた遊蕩客(死んだ鯰はぬめりがなくなる所から。花柳界)。
- 金銭の尽きたる遊蕩者をあがり鯰といふ。死んだ鯰のヌメリがなくなつたより転化したものであらう。
- 〔花〕遊んで金銭を費消し尽くした客のこと。陸上げされた鯰の意。
- 〔花〕金銭の尽きた遊客。
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