『伝統派』香取秀真
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/25 23:34 UTC 版)
秀真の作品は「古典派」「伝統派」と呼ばれ、東洋や日本の古い形・紋様を基本としながら、実用性重視の作品を制作していた。 工芸は使用するものであるから、使用するのに便利であるとか、或は手に持つものならば持ちいいとかいふやうなことがある。 と実用の重要性を述べている。更に 眼で見たところの美しいものとか、いふことが、第一条件のやうに思はれる。 使用することを前提とし、使いやすく、手触りが良く、その上美しいことが重要である、と主張している。古い作品から学び取った事を自分の作品に投影して古典に基づく制作をしていた。伝統派の秀真であるが、新思潮によるフォルムや、新たな想像性を作品に加えることも行っている。例えば秀真の作品の一つである「鳳凰香炉」では、古代からの形に、写実的な動物の顔や手足を組み合わせている。鳳凰の顔はそれまでの鳳凰に比べ、丸みを帯びたフォルムが特徴的である。また「鳩香炉」では、羽には古い紋様が施され、古典的なイメージを保ちながらも、鳩の脚はアール・デコを思わせる直線的な面取りがなされ、新たな主張を意識した作品になっている。
※この「『伝統派』香取秀真」の解説は、「香取秀真」の解説の一部です。
「『伝統派』香取秀真」を含む「香取秀真」の記事については、「香取秀真」の概要を参照ください。
- 『伝統派』香取秀真のページへのリンク