「単于」
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/09 03:52 UTC 版)
白鳥庫吉は初め、チャガタイ語の「čong 強・大」に比定したが、B.Munkácsがこれを否定し、モンゴル語の「činegen」に比定したため、白鳥は間を取ってチャガタイ語の「zenghiz 強・大」に比定した。しかしその後、白鳥はモンゴル語の「deng 非常に」「ughu 広い・大きい」に当てようと試みたが断念し、最終的には広大の意味である「単」と、同様の意味である「于」の合成語で、「単于」とは匈奴語ではなく、まったくの漢語の借用語であると論じた。一方、M.de Grootは「単于」は「tan-hu」と読むべきで、トルコ語の「tanrü」に当たるとし、W.Radloffは「tan-yü」と読ませ、トルコ語の「tängri oglu」の音写であると考えた。また、方壮猷は「単」の古音は「sin」「san」であるとし、強盛・広大の意味であるツングース語の「sinkai」、モンゴル語の「sinkha」、トルコ語の「song」などに当たるとした。内田吟風はモンゴル語の「delgüü 広げたる」に関連しているとし、これが中国では「単于 tän-giwo」と音写され、ギリシアでは「targü」と音写されたと考えた。
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