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Online Computer Library Center

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/04 13:57 UTC 版)

創設時の名称からも分かるとおり、当初はアメリカ合衆国オハイオ州の54の大学図書館間ネットワークとして設立された[1]が、1977年にオハイオ州以外の図書館も利用できるようになり、アメリカ国内のみならず、世界各地から参加する館が現れ、2010年時点で世界中の171の国と地域にある7万以上の図書館が OCLC に参加し[3]、サービスを利用して図書館の資料を探し、取得し、カタログ化し、貸し出し、保護している[4]。創設者は図書館員教育者でもあったフレッド・キルゴア英語版で、本拠地はアメリカ合衆国オハイオ州ダブリンにある。

2002年、OCLC は世界最大の電子コンテンツプロバイダ NetLibrary を買収した。OCLCの100パーセント子会社 OCLC PICAオランダライデンに本社があり、図書館自動化システム/サービスを提供する企業であったが、2007年末に OCLC に吸収合併された[5]。2006年6月、Research Libraries Group (RLG) が OCLC に吸収合併された。2008年1月11日、OCLC は図書館で広く使われているソフトウェア EZproxy の買収を発表した[6]

主なサービス

OCLCは、書誌情報、抄録、全文の情報を図書館、学生、教育機関、学者などそれらの情報を求めている人々に提供している。

OCLCは加盟図書館と協力し、WorldCat (OCLC Online Union Catalog) という世界最大のオンライン蔵書目録(OPAC)を作り、保守している[3]。WorldCatには世界中の主な図書館の蔵書目録が集められている。WorldCatは多くの図書館や大学のコンピュータネットワークからアクセスできる。Open WorldCat プロジェクトでは、WorldCat に集められた蔵書目録を通常のインターネット検索、書誌的サイト、書籍販売サイトで利用可能にしようとしている。2005年10月、OCLCの技術スタッフはウィキ風のサイトを公開し、WorldCat内の任意の記録に対応した情報にタグを付けつつ、読者や図書館員がコメントを付けられるようにしている。

OCLCは、印刷物のマイクロフィルム化とデジタル化を行う OCLC Preservation Service Center を運営していた(本拠地はペンシルベニア州ベスレヘム)。図書館、博物館、歴史関連団体、大学などがこれを利用し、印刷物、書籍、地図、写本、新聞などをマイクロフィルム化していた。また、印刷物やマイクロフィルムをデジタル化してコンピュータで利用できるようにするサービスも行っていた。OCLC Preservation Service Center は2009年8月1日、Backstage Library Works に売却された[7]

WorldCat

OCLCはWorldCatのデータベースを利用した図書館の目録作成サービスを提供している。以前は OCLC Passport[8] というプログラムが使われていたが、2001年に Connexion が新たに登場し、Passport は2005年5月にサービス停止した[9]

WorldCatのデータベースには、Machine Readable Cataloging (MARC) フォーマットのレコードが集積されており、それらは目録作成ツールを利用する世界中の目録作成者から提供されたものである。MARCフォーマットのレコードを各図書館のローカルな目録システムにダウンロードし、その図書館の蔵書と同じ本のレコードを再利用し、目録作成の手間を省くことができる。

2007年2月現在、11億冊以上の目録がデータベース化されており、世界最大の書誌データベースとなっている。Connexion は図書館員であれば利用でき、ダウンロードしてインストールする形でも使えるし、connexion.oclc.org というウェブにアクセスする形でも利用できる。

WorldCat はFirstSearchというウェブベースのサービスや Open WorldCat を使って一般の人でも検索できる。


  1. ^ a b c 田窪直規 et al. 2011, p. 142.
  2. ^ About OCLC OCLC 公式サイト
  3. ^ a b c 田窪直規 et al. 2011, p. 143.
  4. ^ OCLC renames European division”. Business First of Columbus (2007年10月22日). 2007年11月9日閲覧。
  5. ^ Michael Rogers (2007年10月22日). “CLC/OCLC Pica Merge”. Library Journal. 2007年11月9日閲覧。
  6. ^ OCLC acquires EZproxy authentication and access software OCLC News release、2008年1月11日
  7. ^ Preservation Services OCLC
  8. ^ PASSPORT Software User Guide - Cataloging and Metadata”. OCLC Archives. 2023年4月22日閲覧。
  9. ^ OCLC Connexion 紀伊国屋書店


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