I GOTTA KICK START NOW

VAMPSに限らず、一般的にCDはオリコン週間チャートの集計期間を考慮し、水曜日に発売することが多いが、本作は英語圏の多くの国で不吉な日とされる＜13日の金曜日＞に合わせ、2009年 3月13日に発売されている。ちなみに、発売日をずらしたのはホラー要素を好むHYDEのこだわりによるもので、同年HYDE名義で発表したベストアルバム『HYDE』のリリース発表も2009年2月13日（金曜日）に行われている。

表題曲「I GOTTA KICK START NOW」は、へヴィネスとポップさを兼ね備えた疾走感溢れる楽曲となっている。当初、HYDEはシングルの表題曲をバラードにするつもりだったが、本作発売時のインタビューにおいてHYDEは「考えてみたら「LOVE ADDICT」からかなり時間が経ってるし、2009年最初のシングルでバラードはないだろうって。しかも、これからツアーに出て、アルバムがリリースされるっていうタイミングだし^[1]」と語っており、制作が始まった段階でアイデアが変わったと振り返っている。また、制作するうえでHYDEは「もうちょっとだけ世の中に歩み寄った曲にしたかったんだよね。あまりにも世間と離れすぎるのも良くないから。といっても「LOVE ADDICT」がポップじゃなかった、っていうことではないんだけど^[1]」と述べている。また、この曲についてK.A.Zは「疾走感、ワイルドな雰囲気、気持ちよく広がっていく感じ ―1曲の中にいろんな表情があって、それもすごくいいなって。楽曲の方向性を決め込みすぎちゃうと、生き生きした感じがなくなっちゃうので^[1]」「HYDEが弾いてるフレーズを聴いた瞬間、ガツンとくるような衝撃があった^[1]」と述べている。

カップリングには、イギリスの女性デュオ、シャンプーの楽曲「トラブル」のカバーを収録している。アレンジ作業はK.A.Zを中心として進められており、4つ打ちのエレクトロ・サウンドを基本にしたトラックとなっている。アレンジについて、K.A.Zは「単純にかっこいいと思うビート、かっこいいと思う音色を選んで、ループを組みました。歌を聴かせるというよりは、ビートで乗せていくっていう感覚^[1]」と述べている。ちなみに、VAMPS出演のCMタイアップの依頼があったことを契機とし、この曲をカバーすることが決まったという。カバーするにあたってこの曲を選んだ理由について、HYDEは「"15秒の中で、どれだけVAMPSのイメージを残せるか"ということを考えた^[1]」「自分の好みで言うと、たぶんデペッシュ・モードなんかを選ぶと思うんだけど、そうすることで"お、かっけー!"って思う人って少ないと思うんだよね。だったら、みんなが知ってる曲をかっこよくやったほうが、インパクトがあるんじゃないかって。最初はマイケル・ジャクソンの曲がいいなって思ってたんだけど、許可を取るのに時間がかかりそうだったから、"じゃあ、shampooだ!"って^[1]」と語っている。ちなみに、表題曲と同様にこの曲もミュージック・ビデオが制作されており、映像はアルバム『VAMPS』の初回限定盤に付属されたDVDに収録されている。