Android標準ブラウザ 概要

Android標準ブラウザ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/05/07 16:15 UTC 版)

概要

Android用にGoogle Chrome for Androidが公開される前まで標準搭載されていたブラウザであった。Chrome for Androidの正式版が公開された2012年6月28日以降は[3]、Chromeが標準搭載されていることが多いが、Chromeの代わりに、またはChromeに加えてAndroid標準ブラウザが引き続き含まれることがあり、現在も搭載されている端末が存在する。 アプリのパッケージ名はcom.android.browser。 Android端末にプリインストールされている端末上では単に「ブラウザ」とラベル付けされていることが多く、現在ではGoogleによってPlayストア認定を受けていないデバイス、またはLineageOSなどのサードパーティROMでフラッシュされているデバイスでよく見られる。

Android 4.4以降に搭載されているブラウザはChromiumをベースとしたバージョンに移行しており[4]、WebKitをベースとしたバージョン4.3以前はすでにサポートが終了している。

Google Chromeとは異なり、端末ベンダーによるカスタマイズが可能なため、バージョンごとのばらつきが大きいことも特徴である。

ライセンス

Android標準ブラウザのソースコードは、Androidと同様にオープンソースライセンスであり、改変も自由である。基本的にソースコードのライセンスは、Apache License 2.0に準じるため、Android及びAndroid標準ブラウザを採用した企業・個人が改変部や付加部分をGPLのように公開する必要はない。ただし、WebKitのライセンスはLGPLであり、カーネルとそのライブラリなどのLinuxに基づく部分のライセンスはGPLであるため、公開が求められる[5]

Google Chromeなどの一部のGoogle製アプリケーションは、Androidと密に連携しているがプロプライエタリなライセンスで提供されている[6]。これらのGoogle製アプリケーションはGoogle Mobile Service認証をGoogleから受けた端末に対してのみ供給され、それらの端末でのみ動作が認められるため、Googleによる許諾を得ていないデバイスでChromeの代わりにAndroid標準ブラウザが搭載される場合もある。

AndroidシステムのWebView

Androidアプリには、(アプリとしての)ブラウザを呼び出すことなく、自身の中でWebページあるいはWebアプリを表示するものが存在する。これは通常「WebView」と呼ばれるコンポーネントによって実現されている。 Android 4.4以前の場合、WebViewはOSに組み込まれたシステムであり、システムアップデートでWebViewの修正や機能追加に対応していたが、システムアップデートの際にファイルサイズが大きくなり、さらに端末の再起動なども必要となり、当時のHTML5のような最新のWeb技術の実装が遅れることがあった。

Android 5以降ではこの問題を改善して頻繁にセキュリティ修正を行うことができるように、AndroidシステムのWebViewとして、Android OSとは別にGoogle Playストア経由で更新するようになった。なお、このWebViewはChrome for Androidとは異なる。

Android 7以降ではWebView の機能が Chrome for Android に統合されたため、Chrome for Android がインストールされていれば、Android System WebViewが不要となった。[7]

しかし、Android 10では再びChrome for AndroidとAndroid System WebViewが再分離され、Webviewのアップデート処理もChromeとは別に行われるようになった。[8]


  1. ^ "Chrome for Android Update"; 閲覧日: 2023年5月3日; 言語: 英語; 出版日: 2023年5月2日.
  2. ^ WebView for Android - Google Chrome
  3. ^ “「Chrome for Android」正式版が公開”. ケータイ Watch. (2012年6月28日). https://k-tai.watch.impress.co.jp/docs/news/543470.html 2021年11月30日閲覧。 
  4. ^ Android 標準ブラウザに関する情報の整理 - Qiita”. 2018年1月12日閲覧。
  5. ^ 服部武、藤岡雅宣編著『HSPA+/LTE/SAE教科書』、インプレスR&D、2009年、ISBN 978-4-8443-2738-7
  6. ^ “「Android」のオープン性で対立するGoogleと開発者”. http://sourceforge.jp/magazine/09/10/01/0237239 
  7. ^ Android WebViewまとめ”. 2021年11月30日閲覧。
  8. ^ Android 10アプデ後の不具合、諸悪の根源は復活した「Webview」かも”. 2021年11月30日閲覧。
  9. ^ Ben Elgin (2005年8月16日). “Google Buys Android for Its Mobile Arsenal”. Bloomberg. 2016年3月8日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年11月30日閲覧。
  10. ^ Android 1.5 Platform Highlights”. Android Developers (2009年4月). 2021年11月30日閲覧。
  11. ^ Final Android 3.0 Platform and Updated SDK Tools
  12. ^ Android 4.0 Platform and Updated SDK Tools
  13. ^ Android 4.4 KitKat and Updated Developer Tools - Android Developers Blog
  14. ^ Android 4.4 での WebView への移行”. 2021年11月30日閲覧。
  15. ^ Android L Developer Preview and Android Studio Beta


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