電線類地中化 備考

電線類地中化

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/05/13 02:46 UTC 版)

備考

  • 欧米は電線類地中化の先進国と言われているが正確には無電柱化率である。大都市では地中化されていることが多いが、見えないよう裏庭などに配線されている場合もある。また、これは必ずしも景観上の配慮だけではない。例えばニューヨークでは被覆技術がまだなく、切れた電線に感電する事故が多かったため、ロンドンでは街灯を設置する際、ガス灯は地中化せねばならず、ガス灯との競争において公平を期すため電灯でも地中化することを義務付けたため、である。また、郊外では電柱や電線が用いられている。[18][19]
  • 「日本は電線類地中化の後進国であり、行政は電線類地中化に消極的である」と言われもするが、後者はそうとは言えず、むしろ国土交通省などは旗を振り積極的に推進している。[20][10][9]地中化には様々なデメリット・課題があるにもかかわらず行政が積極的に進めているのは「箱物」「バラマキ」といった批判を受けにくい事から、工事がやりたいからではないのかとの指摘もある[10][21]。ただし、無電柱化に対する国の事業費は2010年度で約800億円程度[22]であり、道路予算全体の予算規模(約4兆3,000億円)からすると、それほど大きい規模ではない。
  • 公共事業には建設・保守などの費用のほとんどが税金であるものが多いが、電線類地中化においては電力会社・通信会社などがおよそ3割の費用を負担している[10]。そのため費用負担による経営への影響や[注釈 4]、負担割合の不公平感などにより事業者の足並みがそろわなかったり前述の情報格差を生むことになっている。また新規の電線類引き込み工事などは一般にも負担がかかる場合があるため、税金でほとんどが行われる種の公共事業ではない。そのため行政には推進しやすい側面があるが、財政難の地方自治体では費用に苦慮する場合もある[10]



注釈

  1. ^ 埋設物(管類・止水栓・浄化槽など)、塀、石垣、庭、植え込み、木の根、池、水路、物置小屋などの位置上の問題、土地の高低差、間口、接道の幅員による問題など。
  2. ^ 私道借地共有地囲繞地地役権通路など。
  3. ^ 小池自身も2016年の東京都知事選に立候補し当選。東京都内の無電柱化を重要政策に挙げている。
  4. ^ 例として、電力会社が地中化費用の負担のために電気料金を上げれば電力自由化による新規参入業者やガス事業者との競争などに影響する。

出典

  1. ^ 電柱なくそう 「そのまま埋めちゃう」新工法の効果は?”. 京都新聞 (2018年11月4日). 2018年11月4日閲覧。
  2. ^ 別冊 第2次奈良市もてなしのまちづくり推進行動計画 平成28年度 具体的な取組 奈良市 2018年9月29日閲覧
  3. ^ 道路建設課の担当業務 奈良市 (2017-03-30) 2018年9月29日閲覧
  4. ^ a b c NPO法人電線のない街づくり支援ネットワーク 『電柱のないまちづくり-電線類地中化の実現方法』 学芸出版社、2010年
  5. ^ 「電線類地中化は不動産価値を7%高める」株式会社ジオリゾーム
  6. ^ 「近鉄あやめ池住宅地」まちのコンセプト
  7. ^ a b c 国土交通省道路局「無電柱化の目的と効果」
  8. ^ a b 議論沸騰。日本の電柱が地中に埋まる、そのデメリットとは | スーモジャーナル - 住まい・暮らしのニュース・コラムサイト
  9. ^ a b 神戸新聞Web News 震災10年 備えは「ライフライン」
  10. ^ a b c d e f 東都総合研究所「行政資料集」
  11. ^ 変圧器ごと地中化できれば理想的であるが、予算や工期や既設埋設物との兼ね合いの都合から、止むを得ず地上の歩道上に設置する場合もある。
  12. ^ 日経パソコン「電柱の地中化がブロードバンド普及の壁に」
  13. ^ すずかんラボカフェ「ITにタックル」
  14. ^ 電柱、重要道から撤去可能に 国交省が防災へ新制度  :日本経済新聞
  15. ^ 国土交通省道路局「無電柱化の現状」
  16. ^ 国土交通省道路局「無電柱化に関する最近の動向」
  17. ^ 読売新聞夕刊 2014年11月28日19面 「無電柱化 わずか1%」
  18. ^ 松原隆一郎『失われた景観—戦後日本が築いたもの』PHP新書、2002年、186-187項
  19. ^ 土岐寛『景観行政とまちづくり』時事通信社、2005年、186項
  20. ^ 国土交通省道路局「無電柱化の推進」
  21. ^ 週刊朝日 2001年2月16日号「ITにタックル」第6講 IT予算とは言いながら
  22. ^ 国土交通省道路局「平成22年度 道路関係予算概算要求概要」




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