軀 性格

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/14 03:39 UTC 版)

性格

一人称は「オレ」。饒舌であり、時々皮肉や冗談も言う。常に悠然として落ち着いているが、ノリや感覚に対して素直に行動する面も見られる。幽助が唐突に魔界統一トーナメントを提案した際には即賛成・即国家解散に踏み切り、これを見て飛影は軀を気に入った。

無秩序な魔界が好きで、現状維持を望み、霊界や人間界に干渉するつもりはないと語っている。そのため、魔界に秩序を求め、魔界の外にも勢力を伸ばそうと企む黄泉とは馬が合わない。雷禅とは対立しながらも、雷禅の死後は墓前に一輪の花を手向けるなどの行動もしている。生前の雷禅も、軀はむしろ幽助と気が合うかもしれないと考えていた。

食人タイプの妖怪であり、雷禅の人間を食することに反対する意見に対しては全部に賛同はしなかったが「これでも我慢している」と配慮を見せる。

側近の戦士の数が77人であるのは特に深い理由はなく、単にこの数字が好きだからであるという。

長年の側近・奇淋によると、戦闘能力が精神状態に大きく左右されるタイプ。最近はかなり穏やかな目になってしまったが、年に一度(誕生日前後)ひどく鬱(うつ)の状態になる時期があり、そのような時には迂闊に近付くと側近でも殺されることがあるという。

来歴

魔界の奴隷商人・痴皇の娘であり、玩具奴隷として人生をスタートする。父親との血縁関係は不明(作中では、実母に養育放棄されたかのような描写がある)。

生まれた時から腹を改造され、痴皇に弄ばれる日々を送る。幼少のころの彼女はロングヘアの美少女の容姿だったこともあり、7歳の誕生日に自ら酸をかぶることで痴皇の興味を殺ぎ、捨てられることで自由を手にする。しかし、この時すでに痴皇によって復讐防止策としての催眠(軀が痴皇に殺意を抱こうとすると、痴皇から愛情を受けたという偽の記憶が自動的に蘇る)が施されていた。

その後、目にとまる者一人残らず殺す日が続く(「呪うことだけで強くなった」とは本人談、飛影によれば「呪いのおかげでなく迷いのせい」としている)。いつしか魔界の一角を牛耳れるほどの力を手にし、強大な国家を形成する。この時期は雷禅と共に二大妖怪として君臨していた状態で、黄泉と蔵馬の勢力はまだ小さく、蔵馬は彼女の恐ろしさを既に知っていた。当時飛影はまだ生まれていなかった。

後に、貢物として献上された飛影の氷泪石によって、抱き続けていた憎しみが徐々に癒され、救われる。しかし、依然として誕生日前後になると、痴皇から受けた虐待の記憶と偽の愛情の記憶とが入り混じり、精神不安定に陥っていた。その真実を察した飛影は軀を訪ね、心に土足で踏み入れるような挑発的な行動を取る。その結果軀の怒りを買い、一撃で移動要塞の外まで吹っ飛ばされる(飛影曰く、このとき大会で楽に優勝できるほどの力が出ていた)。

飛影は重傷を負いつつも人間界にまで足を運び、蔵馬から寄生植物のヒトモドキを調達。再び魔界に戻り、軀に父親の優しさの記憶は偽物であったことを明かし、ヒトモドキに寄生させた痴皇をプレゼントする。好きなだけ恨みを晴らし、気が済めば殺せるようにという配慮から、宿主の脳を破壊しない限り宿主の身体を修復して生き続けるヒトモドキが使われたようである。

長年にわたる苦しみから解放された軀の表情(これがラストカットとなる)は、変形した右目も瞳が大きめに描かれ、女性的な微笑をたたえて描かれている。飛影の決めゼリフは「ハッピーバースデイ」。この話以降、軀がどのように暮らしたかは描かれていない。

飛影との関係

飛影の相方として作られたキャラクターであり、以下のようなエピソードがある。

  • お互いの過去の記憶を共有している。
  • 軀は飛影になら全てを見せられると話している。
  • 軀は幽助と飛影との絆を、「少しうらやましい」と言ったことがある。
  • 軀によって負わされた飛影の傷を見て、蔵馬は痴話ゲンカかとからかった。
  • 飛影は軀に誕生日プレゼントを贈り、それによって軀を精神的に救済した。

アニメオリジナルストーリーの魔界統一トーナメントの飛影対軀戦では、二人の関係が原作よりもウェットに描かれている。このことについて監督の阿部紀之は「どこかで互いに支えあっていかないと生きられなかった二人の関係を消化する狙いがあった」と語っている[4]


  1. ^ a b 冨樫義博『幽遊白書終了記念 ヨシりんでポン!』 同人誌、1994年。
  2. ^ 冨樫義博「霊界調書 その2 メインキャラクター設定コメント」『幽☆遊☆白書 公式キャラクターズブック 霊界紳士録』集英社〈ジャンプ・コミックス〉、2005年3月9日、ISBN 978-4-08-873732-4、190頁。
  3. ^ 堀江信彦編「幽☆遊☆全書Vol.10 PART1 キャラクター人気投票結果発表!」『週刊少年ジャンプ』1994年43号、集英社、-1994-10-10、 429頁。
  4. ^ 週刊少年ジャンプ編集部・編『幽☆遊☆白書 パーフェクトファイルNo.1』集英社<JCS>、1995年、114-115頁。
  5. ^ 週刊少年ジャンプ編集部・編『幽☆遊☆白書 パーフェクトファイルNo.2』集英社<JCS>、1995年、116頁。






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