藤子・F・不二雄のSF短編一覧
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シリーズ別
カメラシリーズ
主人公が、謎のカメラセールスマンに特殊なカメラをセールスされることで起こる物語を描いた連作(ただし『懐古の客』は例外で、カメラは登場しない)。単行本の表題となった作品名から「夢カメラシリーズ」、セールスマンの名前から「ヨドバシリーズ」と呼ばれることもある。
1981年から1983年の2年弱にわたり、 『ビッグコミック』にて発表された。 1990年8月には、藤子不二雄ランド『異色SF短編① 夢カメラ』として、カメラシリーズ全作が収録された1冊の単行本が初めて発売された(収録順は下表の通り)。
# | タイトル | 主人公 | 初出年月 | 備考 |
---|---|---|---|---|
1 | タイムカメラ | 若い会社員男性 | 1981.07 | 連続ドラマ『夢カメラ』でサブタイトルの1つとなった。 |
2 | ミニチュア製造カメラ | 引退した元会社会長 | 1981.09 | |
3 | 値ぶみカメラ | 骨董品店の娘 | 1981.10 | 長澤まさみ主演でドラマ化。 |
4 | 同録スチール | 高校2年生の男子 | 1981.11 | |
5 | 夢カメラ | 部下に頼られる係長 | 1982.03 | 同名のドラマが多数作られたが内容はほぼ無関係。 |
6 | コラージュ・カメラ | 新聞社のデスク | 1982.05 | |
7 | 懐古の客 | かけ出しのマンガ家 | 1982.07 | セールスマンの遭難の顛末を描いた特別回。 |
8 | 四海鏡 | ローン会社社長 | 1982.09 | |
9 | 丑の刻禍冥羅 | 若い会社員男性 | 1983.03 |
製造法シリーズ
マイ・シリーズ
- マイロボット
- マイホーム
- マイシェルター
SFレストラン
『ビッグコミック』に1981年から1983年に掲載された短編には「SFレストラン」というシリーズ名が冠されていた。全12作のうち9作はカメラシリーズ。1981年7月から1982年11月まではほぼ隔月のペースで作品が発表された。
# | タイトル | 備考 |
---|---|---|
1 | タイムカメラ | カメラシリーズ |
2 | ミニチュア製造カメラ | カメラシリーズ |
3 | 値ぶみカメラ | カメラシリーズ |
4 | 同録スチール | カメラシリーズ |
5 | タイムマシンを作ろう | |
6 | 夢カメラ | カメラシリーズ |
7 | コラージュ・カメラ | カメラシリーズ |
8 | 懐古の客 | カメラシリーズ |
9 | 四海鏡 | カメラシリーズ |
10 | 親子とりかえばや | ドラマ化 |
11 | 丑の刻禍冥羅 | カメラシリーズ |
12 | 鉄人をひろったよ |
その他
その他、共通点のある作品は以下の通り。
スーパーマン
人間がスーパーヒーローのような力を手に入れたことによる顛末を描いた作品。
タイムマシン製造
- T・Mは絶対に…
- あいつのタイムマシン
- タイムマシンを作ろう
人生奪回と時間移動
人生奪回がテーマとなっている作品のうち、タイムトラベルを伴う作品。
パラレルワールド
複数の自分
- 自分会議
- 俺と俺と俺
- ぼくの悪行
- ふたりぼっち
- パラレル同窓会
- 昨日のおれは今日の敵
大長編ドラえもんの原型
- ベソとこたつと宇宙船(1978年)→のび太の宇宙開拓史(1980年)
- 創世日記(1979年)→のび太の創世日記(1994年)
- ドラえもん短編「大あばれ、手作り巨大ロボ」(1980年)→鉄人をひろったよ(1983年)→のび太と鉄人兵団(1985年)
- 宇宙船製造法(1979年2月)→大長編「のび太の恐竜」(1979年12月)
- 1979年の夏に藤本は映画『のび太の恐竜』のシナリオ執筆を開始。9月22日に完成したシナリオ第一稿では出木杉が白亜紀の世界を共に旅する設定になっており(完成版では削除)、『宇宙船製造法』における志貴杜と堂毛の対立、多数決による立場の逆転等の同要素が出木杉とジャイアンに置き換えられる形でシナリオに取り入れられている。
幸運と奇跡
神様
- ぼくは神様
- 神さまごっこ
- 福来たる
藤本と安孫子
- 光陰(1976年) - 現実では叶わなかった老齢による隠居後の藤本(藤木)と安孫子(安野)の交流を彷彿とさせる内容が描かれている。
- ふたりぼっち(1979年) - 自分の分身とともに合作で漫画を描く場面は、2人で1人の漫画家・藤子不二雄が漫画を描く場面を彷彿とさせる。
- タイムマシンを作ろう(1981年) - 大人の松井は安孫子、大人の杉本は藤本を思わせる風貌をしている。
テレパス
- 耳太郎(1976年)
- テレパ椎(1980年)
未来予知
入れ替わり
転生
- 影男(1979年)
- クレオパトラだぞ(1980年)
食料危機問題
セールス
- オヤジロック
- 求む! 求める人
○○屋
末尾に「屋」が付く特殊な職業が登場する作品。藤本がネームを担当した作品には、連載作でも「くるわせ屋」(『パーマン』)、「しかられ屋」(『新オバケのQ太郎』)など、「屋」が付く商売が多数登場する。
- イヤなイヤなイヤな奴
- 殺され屋
宇宙人による観察
- 宇宙人レポート サンプルAとB(1977年)
- 征地球論(1980年)
長い時間と距離
- 一千年後の再会(1976年)
- 旅人還る(1981年)
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