胆嚢炎 検査、治療

胆嚢炎

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/02 23:37 UTC 版)

検査、治療

X線撮影した腹腔鏡下胆嚢摘出術の様子

胆嚢炎を起こした場合は血液検査、画像診断が行われる。白血球数、CRPの上昇によって炎症であることがわかる。超音波検査、CTでは胆石の発見、胆嚢壁の肥厚によって炎症を起こしていることが診断される。

急性胆嚢炎では原則として胆嚢摘出術(腹腔鏡下胆嚢摘出術が望ましい)を前提とした初期治療による全身状態の改善を行う。48時間以内に手術を行ったほうが待機手術よりも良好であることが報告されている[1]。初期治療では絶飲食のうえ、電解質と水分を体に点滴し、抗生物質を投与する。黄疸例や全身状態が不良な例では一時的な胆嚢ドレナージも考慮される。急性期に胆嚢摘出術を行わなかった症例でも胆嚢結石合併例では再発防止のため炎症消退後に胆嚢摘出術を行うことが望ましい。急性胆嚢炎と診断された後に急性増悪した場合は胆嚢捻転症、気腫性胆嚢炎、急性胆管炎の合併、壊疽性胆嚢炎、胆嚢穿孔などが考えられる。用いられる抗菌薬は同じ胆道感染症である胆管炎とほぼ同様であり、代表的なempric therapyを示すが2005年度ガイドラインでも十分に言及されていない。

物質名 投与方法
セフメタゾール 2gを6 - 8時間ごと
アンピシリン/スルバクタム 3gを6時間ごと
ピペラシリンタゾバクタム 4.5gを6 - 8時間ごと

またESBL産出菌やAmpC過剰産出菌のカバーが必要な場合は

物質名 投与方法
メロペネム 1gを8時間ごと
イミペネム/シラスタチン 1gを6 - 8時間ごと

現在は、腹部に5mmから10mmの小さな穴を3箇所から4箇所開けて、腹腔鏡で患者の体内を確認しながら行う腹腔鏡下胆嚢摘出術が主流である。開腹手術と比較して日常生活への復帰が早く、患者への負担も少ないのが利点である。胆嚢炎の進行具合やその他の病状によっては、腹腔鏡での手術が行えない状況もある。事前の検査で腹腔鏡下胆嚢摘出術を施せると診断されても手術を開始して初めて判明する病状があるため、5%の確率で手術中に開腹手術へ変更する可能性がある。




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