横断性 (数学) 横断性 (数学)の概要

横断性 (数学)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/28 14:21 UTC 版)

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定義

球面の曲面上の横断的に交わる曲線
球面の曲面上の横断的に交わらない曲線

与えられた有限次元の滑らかな多様体の2つの部分多様体横断的に交わる (intersect transversally) とは,交わっている任意の点において,その点での部分多様体の2つの接空間が多様体の接空間を生成することをいう[2].交わらない多様体たちは自明に英語版横断的に交わる.多様体の次元が相補的ならば(すなわち次元の和が周囲の空間の次元ならば),条件は周囲の多様体の接空間が2つの小さい接空間の直和であることを意味する.交わりが横断的ならば,交わりは余次元が2つの多様体の余次元の和に等しい部分多様体になる.横断性条件が無ければ,交わりはある種の特異点を持つかもしれず部分多様体になるとは限らない.

特にこれは,次元が相補的な横断的に交わる部分多様体が孤立点(すなわち0次元多様体英語版)で交わることを意味する.部分多様体と周囲の多様体がともに向き付けられているとき,交わりも向き付けられている.交わりが 0 次元であるとき,向き付けは単に各点に対して正か負である.

与えられた多様体 M の2つの部分多様体 L1L2 の横断的交叉を表す1つの表記は

である.この表記は2通りに読める:「L1L2 が横断的に交わる」というのと, L1L2 の集合論的交叉 L1L2 で交わりが横断的であるときの表記である.この表記で,横断性の定義は:

写像の横断性

部分多様体の対の横断性の概念は,部分多様体と周囲の多様体への写像の横断性,あるいは周期の多様体への写像の対に,像の交わりの点の原像に沿った接空間の押し出しが周囲の多様体の接空間全体を生成するかどうかを問うことによって,容易に拡張できる[3].写像が埋め込みならば,これは部分多様体の横断性に同値である.


注釈

  1. ^ "transversal" はラテン語: transversus, transversalis に由来する「横断線」「横断面」を意味する名詞であり、形容詞形は "transverse" である[1]

出典

  1. ^ Hirsch 1976, p. 66—`"Transversal" is a noun; the adjective is "transverse." —J.H.C. Whitehead, 1959’
  2. ^ Guillemin & Pollack 1974, p. 30.
  3. ^ Guillemin & Pollack 1974, p. 28.


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