戦場のヴァルキュリア
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/13 00:26 UTC 版)
ゲーム内容
勝利条件と敗北条件の決められた戦闘パートをこなしシナリオを進めていくSRPGである[10]。戦闘は銃撃が基本であり、戦闘はSRPGでありながら移動や銃撃時はTPSアクションゲーム風に進行する「BLiTZ」というシステムに則って行われる。
プレイヤーは俯瞰視点でマップを見下ろすコマンドモードで行動するユニットを決定、アクションモードにて実際に選択したユニットを操作して敵を索敵し、敵の位置を把握して行動するのが基本となる。また、回数の許す限り同じユニットを繰り返し行動させられるので、敵ユニットを倒しそこなっても再度選択することで追加攻撃・離脱までが可能である。ただし、再選択を繰り返すと一度に移動できる距離は減る。また戦闘中はユニットとして登場するキャラクターが様々なポテンシャルを発揮し、一定の確率でステータスの向上や体力回復、弾薬の補給などが起きる。
味方ユニットのHPが0の状態で敵ユニットに接触されたり、規定ターンが経過したりすると、そのユニットは死亡状態となり、死亡したサブキャラクターはその後のミッションで使用することはできない。救出するにはHP0になってから死亡するまでの間に味方ユニットで触れる必要がある[11]。
ゲームは『ガリア戦線記』という本を読み進める形で進行し、この状態はブックモードと呼ばれる。ガリア戦線記の物語は本章といくつかの断章で成り立っており、それぞれの章でストーリーを見てミッションをクリアし次に進むと言う形式をとる。本編はクリアしていくことで次のものが自動的に現れるが、断章を見るためにはゲーム中で得た資金を使って購入する必要がある。本の体裁をとっているため、過去のイベントシーンも簡単に見ることができるようになっている[12]。
本章と断章の他に兵士のレベルアップや装備の開発を行う「訓練開発」、フリーモードとして「遊撃戦闘」、登場人物について記された「人物総覧」、物語に登場する事物について記した「博物総覧」、登場する兵器について記した「兵器総覧」などのタグがストーリーの進行とともに増えていき、利用することができるようになる。2周目のプレイでは遊撃戦闘に新たなステージの追加や難易度HARDの追加といった要素がある。
また、ストーリーが進むと姫に謁見できるようになり、下賜によって褒章武器が貰えることがある[13]。
ゲームの1周目を全てクリアして、クリアデータをロードすることで2周目がプレイ可能になっており、2周目では1周目からの引き継ぎや新たな要素がある。
ユニット
ユニットは兵科によって役割で分けられており、原則として歩兵(偵察兵、突撃兵、支援兵、狙撃兵)、対戦車兵、戦車の3すくみとなっている。戦車は歩兵に強いが対戦車兵を苦手としており、対戦車兵は戦車に有効な攻撃ができるが歩兵には弱く、歩兵は対戦車兵を一方的に攻撃できるが戦車にはほとんど攻撃が通用しない。戦車は高い防御力と攻撃力を誇るが背面のラジエーター部分が弱点となっており、そこを戦車砲や対戦車槍の直撃を受けるとほぼ一撃で破壊されてしまう。また、対戦車兵を含む歩兵ユニットと違い各ターンごとの自動回復がない。
2輌の戦車や歩兵が持つ装備と被服を強化したい場合は、戦闘や遊撃戦闘で得た資金を開発に投入する。戦車はそれ自体の性能向上のほか、防御力や命中精度を補ったり、榴弾搭載数を増やす補助パーツの開発もあり、総量に収まる範囲内でパーツを装着できる。戦車のパーツや歩兵の火器は開発だけでなく、敵から鹵獲することで得ることもある[13]。
- 偵察兵
- 非常に高い移動力を持つ[13]。武装は半自動ライフル(ガリアンなど)と手榴弾。クラスアップすると偵察猟兵になり、ライフルグレネードを装備する。本作においては最重要の兵科となっており、特に終盤以降におけるアリシアの移動力と攻撃力はオーダーを利用することで無双状態となる。
- 突撃兵
- 移動力は平均的だが、歩兵としては攻撃力と防御力が高い[13]。武装は小型のマシンガン(マグス、T-MAGなど)と手榴弾。クラスアップすると突撃猟兵になり、火炎放射器が使用可能になる。
- 対戦車兵
- 高い防御力と体力を持ち、戦車榴弾砲・手榴弾や地雷に高い耐性がある[13]。武装は対戦車槍(ランカー、テイマーなど)。迎撃能力が一切なく、防衛フェースでは他の歩兵には弱い。クラスアップすると対戦車猟兵になり、榴弾砲を装備できるようになる。
- 支援兵
- 防御力・体力などは低いが、偵察兵に次ぐ高い移動力を持っており、味方に接近することで消費系の弾薬を自動で補充する。また、地雷の除去、土嚢の修復、バリケードの修理は一回の行動中に何度でも行なえる[13]。武装は偵察兵と同じライフルと手榴弾で、手榴弾は他の兵科より携行数が多い(支援兵は3つ、他の兵科は1つ)。他にも回復量が多いラグナエイド大を持つ唯一の兵科でもある。クラスアップすると支援猟兵になる。
- 狙撃兵
- 移動力・防御力・体力などは平均以下であるが、狙撃銃による遠距離から一方的な攻撃が可能。武装はボルトアクション方式のスナイパーライフル(GSRなど)。クラスアップすると狙撃猟兵になり、対戦車ライフル(HARD-EXでのみ入手可能)を装備できるようになる。
- 戦車
- 徹甲弾や大型榴弾、迎撃用機銃を持ち、銃撃はほぼ無効である。簡単な障害物を破壊しながら進むことができるが、狭い箇所などに進入できないこともあり、敵軍の拠点占拠も不可能。
注釈
出典
- ^ 戦場のヴァルキュリア リマスター | Media.Vision
- ^ PS4「戦場のヴァルキュリア リマスター」&「蒼き革命のヴァルキュリア」開発陣インタビュー!シリーズの中の“新シリーズ”に向けて|ゲーム情報サイト Gamer
- ^ “NPDデータ2009年1月末までの累計売上” (英語). Platformers.net (2009年2月27日). 2009年3月1日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年11月10日閲覧。
- ^ “【週間ソフト販売ランキング TOP50】PS4『バトライド・ウォー 創生』が1位。3機種合計7.4万本(2月22~28日)”. 電撃オンライン. 2016年3月7日閲覧。
- ^ “PSPゲームファーストインプレッション「戦場のヴァルキュリア3」”. GAME Watch. インプレス (2010年11月9日). 2015年11月10日閲覧。
- ^ 【アンケート結果】ユーザーオススメのPS3用ソフト、1位は納得のあのタイトルに!
- ^ 皐月誠 (2014年10月31日). “PC版『戦場のヴァルキュリア』の予約受付がSteamにてスタート。ただし日本からは購入不可”. 電撃オンライン. KADOKAWA. 2015年6月11日閲覧。
- ^ “シリーズ第1作にして名作シミュレーションRPGの『戦場のヴァルキュリア』がプレイステーション4に移植決定!”. ファミ通.com (2015年11月19日). 2015年11月19日閲覧。
- ^ “Nintendo Switch版『戦場のヴァルキュリア4』の発売日が9月27日に決定! 予約受付も開始!”. 任天堂 (2018年6月22日). 2018年7月5日閲覧。
- ^ “見た目に反して骨太なんです! シミュレーションRPGとアクションゲームを融合させた意欲作「戦場のヴァルキュリア」”. 4gamer.net. Aetas (2008年5月15日). 2015年11月10日閲覧。
- ^ “ユニットは復活不可!『戦場のヴァルキュリア』「死亡」システムを紹介”. Gpara.com. ジーパラドットコム (2008年4月17日). 2013年5月15日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年11月10日閲覧。
- ^ “【今週の1本】見た目はアクション、中身は正統派S・RPG『戦場のヴァルキュリア』”. 電撃オンライン. KADOKAWA (2008年4月17日). 2015年11月10日閲覧。
- ^ a b c d e f “知れば得するTipsを満載でお届け! PS3「戦場のヴァルキュリア」”. GAME Watch. インプレス (2008年5月1日). 2015年11月10日閲覧。
- ^ a b “「戦場のヴァルキュリア」インタビュー:“非情な戦争の中の人間ドラマ”を描くチャレンジタイトル (3/4)”. ITmedia +D Games. アイティメディア (2008年4月24日). 2015年11月10日閲覧。
- ^ a b “特別インタビュー PS3「戦場のヴァルキュリア」”. GAME Watch. インプレス (2008年5月1日). 2015年11月10日閲覧。
- ^ “「戦場のヴァルキュリア」インタビュー:“非情な戦争の中の人間ドラマ”を描くチャレンジタイトル (1/4)”. ITmedia +D Games. アイティメディア (2008年4月24日). 2015年11月10日閲覧。
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- ^ “年末年始はPS3&Xbox 360廉価版で遊ぶのもあり!--2009年廉価版ソフト販売本数TOP10”. ファミ通,com. KADOKAWA DWANGO (2009年12月30日). 2015年11月10日閲覧。
- ^ “Valkyria Fans – we love you.” (英語). SEGA BLOG. SEGA (2009年6月8日). 2015年11月10日閲覧。
- ^ 「戦場のヴァルキュリア追加DLC紹介記事」『電撃PlayStation』Vol.423、アスキー・メディアワークス、[要ページ番号]。
- ^ “イーディ分隊、行きますわよ! 『戦場のヴァルキュリア』DLCが8月配信決定!!”. 電撃オンライン. KADOKAWA (2008年6月30日). 2015年11月10日閲覧。
- ^ 車両を売却すると搭乗員は削除される。また、このゲームでは1年に1回だけデータの復旧を受け付けてくれるが、この車両に関してはデータ復旧は一切受け付けないと明言されている。
- ^ 『週刊ファミ通』2008年5月2日号、エンターブレイン、2008年4月18日、[要ページ番号]。
- ^ “週刊ファミ通2008年5月2日号新作ゲームクロスレビューより”. ファミ通,com. KADOKAWA DWANGO (2008年4月18日). 2015年11月10日閲覧。
- ^ “【アンケート結果発表】2008年上半期発売のゲームで、おもしろかったのは?”. 電撃オンライン. KADOKAWA (2008年8月6日). 2015年11月10日閲覧。
- ^ 押井守 (2007年). “押井守が語る 「戦場のヴァルキュリア」の世界観をめぐって”. @ぴあ. ぴあ. 2015年11月10日閲覧。
- ^ “Valkyria Chronicles Review” (英語). IGN (2008年10月29日). 2015年11月10日閲覧。
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- ^ “Dieheard GameFAN's 2008 Gaming Awards” (英語). Diehard GameFAN (2009年1月7日). 2015年11月10日閲覧。
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- ^ “Gamespy's PS3 Award Recap, award” (英語). GameSpy. 2009年4月12日時点のオリジナルよりアーカイブ。2008年12月25日閲覧。
- ^ “Gamespy's Special Awards Winners Recap, award” (英語). GameSpy. 2009年4月12日時点のオリジナルよりアーカイブ。2008年12月25日閲覧。
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- ^ “Overall VGChartz Game of the Year Awards 2008” (英語). VG Chartz. 2009年1月7日時点のオリジナルよりアーカイブ。2009年1月1日閲覧。
- ^ “40 Games We'll Still Be Playing From 2008” (英語). Gaming Target. 2009年3月24日閲覧。
- ^ “E3 2010: Guinness World Records” (英語). SEGA BLOG. SEGA (2010年6月17日). 2015年11月10日閲覧。
- ^ “スペシャルインタビューVol.2 3頁”. TVアニメーション「戦場のヴァルキュリア」. 2015年11月10日閲覧。
- ^ “スペシャルインタビューVol.3 1頁”. TVアニメーション「戦場のヴァルキュリア」. 2015年11月10日閲覧。
- ^ a b c d e f 『月刊ニュータイプ 2009年8月号』角川書店、2009年8月1日、149頁、ASIN B002DZC3NM
固有名詞の分類
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クリスマスナイツ アウトラン2 戦場のヴァルキュリア ワールドアドバンスド大戦略 〜鋼鉄の戦風〜 マイケル・ジャクソン・イン・スクランブルトレーニング |
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2009年のテレビアニメ |
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