待機電力 概要

待機電力

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/09/17 08:32 UTC 版)

概要

待機電力に明確な定義はなく、電気製品の使用状態により待機電力とする範囲は大きく異なり(以下1,2,3)、また同じ種類の電気製品でも機種により待機電力が大きく異なる。

  1. 機器本体に主電源スイッチがない機器で使用を中止、又は主電源スイッチがある場合にそれを切った状態、での消費電力を待機電力とした場合(扇風機やドライヤー、充電器本体、電灯など)。
  2. 主電源スイッチがあってもそれを切らずにリモコン操作で使用を中止した状態での消費電力を待機電力とした場合。(テレビ・オーディオ・エアコンなど)
  3. 人が使用していないときに電源プラグを抜いておくと機能しない又は著しく利便性を損なう機器で、通常人が使用していないときでも常時電源を入れた状態にしておく機器の消費電力も待機電力として含める場合。(給湯器・冷蔵庫・電話機・温水便座・警報機・電気ポット・様々な機器のタイマー予約時など)

最近の電気製品は省エネ化が進み、使用時の電力だけでなく待機電力もかなり抑えられている。例えば、テレビの主電源を切らずにリモコン操作で使用を中止した場合の待機電力は、ブラウン管テレビでは10w程度消費していたが、現在の液晶テレビではほとんど待機電力を消費しない。

現在普及している家電製品で待機電力が大きいものの一つが、HDDを内蔵したDVDレコーダーである。1秒程度で録画が開始できる設定(クイックスタートモードなどと呼ぶ)では10ワット程度の電力を消費しており、これを解除しても数ワットの待機電力を消費している。

これら個々の待機電力はかなり小さいが、常時通電したままだと長期間で相当量の電力の無駄となる。例えば1Wの待機電力で1年間機器を全く使用しなかった場合では 8.76kWhを消費し、電気代では年間約193円(1kWh=22円換算)の損失となる。家庭内に多数の待機電力を消費する機器があれば全体ではかなりの消費量になる。このため、地球環境保全や金銭節約の観点から、長期間使わない機器はコンセントからプラグを抜く省エネ方法が呼びかけられている。また、電気器具の集まっている場所では、スイッチ付きテーブルタップも推奨され、コンセントを抜き差しすることなく目的の箇所だけ切れるので、待機電力の節約に有効である。

(単位:W)
給湯器(ガス床暖房あり) 11.0
給湯器(ガス床暖房なし) 6.4
モデム 6.0
充電式掃除機 4.1
HDD/DVDレコーダー(録再機) 3.4
電話機(FAXあり) 3.4
オーディオ(一体型) 2.9
電話機(FAXなし) 2.8
ビデオデッキ 2.6
温水洗浄便座 2.6
エアコン 2.4
デスクトップパソコン 2.0
空気清浄機 1.7
テレビゲーム機 1.4
ノートパソコン 1.2
電話機子機・充電器 1.1
電気炊飯器 1.1
テレビ(ブラウン管) 0.9
加湿器 0.9
食器洗乾燥機 0.8
シュレッダー 0.7
布団乾燥機 0.6
扇風機 0.5
電気ストーブ 0.2
テレビ(液晶) 0.2
テレビ(プラズマ) 0.1
プリンター(レーザー式) 0.0
洗濯乾燥機 0.0
洗濯機 0.0
電気カーペット 0.0
電気毛布 0.0
電気こたつ 0.0
電子レンジ 0.0
コーヒーメーカー 0.0
ジューサーミキサー 0.0
フードプロセッサー 0.0
ドライヤー 0.0

省エネルギーセンター「平成20年度 待機時消費電力報告書」より抜粋








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