全英オープン (ゴルフ)
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概要
正式名称"The Open Championship"には、他の選手権と区別するための表現が何も含まれていない。これはつまり、第1回開催時において、他の選手権が存在しなかったことを示すものであり、この選手権の歴史を如実に示している。
第1回は1860年10月17日にプレストウィックで開かれ、ウィリー・パークが優勝した。
それ以後は、1871年、1915-1919年、1940-1945年の戦争などによる中止をはさみながら、毎年開催する地区を変えて実施している。優勝者には「クラレット・ジャグ」と呼ばれる優勝トロフィーが贈られる。トロフィーは、優勝決定時間を見計らって専門の製作者により優勝者の氏名 (英語) が一つ一つ手作業で刻印され、それが終了次第直ちに表彰式会場に搬送され、優勝者に手渡され、1年間優勝者により保管される。当初はチャンピオンベルトが贈呈されていたが、トム・モリス・ジュニアの3連覇に伴い永久保持となったため、クラレット・ジャグに変わった。ただし、記念大会ではレプリカベルトが贈呈される場合がある。また、表彰式では優勝者の紹介はChampion Golfer of the Year (その年のゴルフチャンピオン)と呼ばれている。
開催ゴルフ場はシーサイドリンクス (海岸に立地する場) に限るという不文律がある。近年では、セント・アンドルーズ、ロイヤル・リザム&セント・アンズ、ロイヤルトルーン、ロイヤル・セント・ジョージズ、ロイヤル・バークデール、ミュアフィールド、ターンベリー、カーヌスティー・ゴルフリンクス、ロイヤル・リヴァプールの9コースの持ち回りで開催されていた。ただし、ターンベリーは2009年の開催を最後に除外されている[2]。また、R&Aは最近のメジャーにおける北アイルランド勢の活躍 (2010年全米オープンのグレアム・マクダウェル、2011年全米オープンのローリー・マキロイ、同年全英オープンのダレン・クラークらの優勝) を考慮し、1951年の開催地である北アイルランドのロイヤル・ポートラッシュを今後の開催地として検討する旨を発表し、2019年に同地で68年ぶりに開催された。また、同時に全米プロ選手権が5月に開催時期が移動するため、同年からメジャー最終戦となる。
1990年以降、5年に1回は「ゴルフの聖地」と言われるセント・アンドルーズ (R&A本部がある) で開催することが慣例となっている。ただし、2005年に限っては、本来翌2006年にセント・アンドルーズで開催される予定であったが、ジャック・ニクラスがこの大会を自らのメジャー完全引退試合と定めたことから、1年前倒ししてセント・アンドルーズで開催された。また本来は2020年の開催も予定されたが、新型コロナウィルスの影響によりその年は開催中止となり、2年後の2022年、第150回記念大会でセントアンドルーズでの開催を行った。
最大の特徴は、ゴルフの歴史的な原点に立ち返った、人の手を加えない「あるがままの自然の状態」を残したリンクスコースにある。フェアウェイと呼ぶのがはばかれるほどのアンジュレーションに富んだフェアウェイ、壁面を干しレンガで垂直に切り立たせた深いバンカー、フェスキューを腰の高さまで伸ばした「あるがまま」のラフなど。こういったコース特性は、全ての開催ゴルフコースで維持されている。普段のツアーで使われる、アメリカ的な、人の手を加えて作り上げられたゴルフコースとは、全く異なる。そのほかの特徴としては、気まぐれな気候条件が挙げられる。天候が良い年は「ジ・オープンらしくない」とさえ評されるほどである。スコットランド独特の、寒く、じめじめとした雨の降る天気とリンクスコース特有の海からの湿った強い風とに耐えながら優勝を争わなければならない。これにより、ゴルファーは低めの弾道の球を打つことを要求されるため、普段のツアーのように高々と打ち上げ、ピンの近くにボールを止める、というシーンは目にしにくい。
こうした特徴から、リンクスコースは経験が必要とされ、近年では2008年に当時53歳で過去当選手権の優勝者であるグレッグ・ノーマンが3日目終了時点で首位に立ち (最終的には3位タイ) 、2009年には当時59歳で過去当選手権を5度制しているトム・ワトソンが最終日の最終ホールまで首位を守る (最終的にプレーオフでスチュワート・シンクに敗れ2位) など、他のメジャーよりもいわゆるベテラン選手と呼ばれる選手たちの活躍が多い。2010年にR&Aはこうした活躍を考慮して、選手権出場の60歳定年制を変更し、歴代優勝者のうち過去5年の当選手権で上位10位までの選手に選手権出場資格を与えることを決定した。トム・ワトソンは2011年以降の当選手権にこの資格で出場し、自身の持つ最年長予選通過記録を64歳まで更新した。
近年の傾向としては、セント・アンドルーズが最もスコアがでやすい。ロイヤル・リザム&セント・アンズ、ロイヤルトルーンも優勝スコアが10アンダーをこえる。反面、ロイヤル・セントジョージズ、ロイヤル・バークデール、カーヌスティーはスコアが出にくい。1999年のカーヌスティーのポール・ローリーの6オーバーは、近年ではワーストスコアである。この年は、最終ホールまでに3打リードしていたジャン・ヴァン・デ・ヴェルデが18番ホールでトリプルボギーを叩き、プレーオフ突入の末に敗れている(カーヌスティの悲劇)。
プレーオフは、4ホールのストロークによって争われる。それでも決着が付かなければ、サドンデスである[注 1]。以前は、翌日に18ホールのストローク・プレー、すなわち、もう1ラウンドを回って行われていた。
注釈
- ^ 最近では、2002年の第131回大会が記憶に新しく、4日間通算6アンダー、278ストロークで並んだ4人のプレーオフとなり、4ホールストロークプレー終了時点で南アフリカのアーニー・エルスとフランスのトーマス・レヴェがタイスコアとなり、サドンデスに突入。1ホール目の18番ホール(当時446ヤード、パー4)でエルスがパーだったのに対し、レヴェがボギーを叩いて決着、エルスがジ・オープン初優勝を飾った。
- ^ プレーヤーズゲストとして出演。
- ^ 『木曜ドラマ』初回が15分拡大の場合は、23:30となる場合あり。
- ^ テレビ朝日など一部地域では23:12から直前情報を別途放送。
- ^ テレビ朝日など一部地域では21:56から直前情報を別途放送。
- ^ 翌0:05 - 0:07は「直前情報」。
- ^ 朝日放送に限り、編成の都合上1:30飛び乗り。
- ^ 当初は2:00までの予定だったが、大幅延長となった。
- ^ 木曜ドラマ『黒革の手帖』の初回拡大に伴う時間変更と前年まで23:10-23:15に設けられていた「世界の車窓から」が月・火曜の23:10-23:15へ再縮小され、水・木・金曜の23:10-23:15は新たなミニ番組枠として独立したため。
- ^ 番組内で同月9日に死去したジャニー喜多川の追悼コーナーを設けたため
- ^ 同番組内で20日15時より行われた宮迫博之とロンドンブーツ1号2号・田村亮の謝罪会見の模様を放送したため。
- ^ 森下が世界水泳の競泳実況担当を兼務している関係もある。
- ^ しかし、朝日放送テレビは本来テレビ朝日制作の「選挙ステーション2019・第2部」のパートで差し替え、当番組を放送していたが、22:30頃になり、最終組の競技開始時刻になってから、ローカルの開票速報を優先し、23:00からの全国放送時間帯でも一部の選挙区の候補者の開票速報の状況を優先したため、視聴者からの問い合わせで苦情や抗議が殺到した。翌0:40頃のCMタイムから同時ネットしていたため、番組の終盤で「一部の地域でゴルフ中継が放送できなかったことをお詫びします。」と字幕テロップが表示された。
- ^ 放送を予定していた中継枠の代替番組は通常の番組が復活することになったが午前2時前後以降(1日目・2日目)や決勝ラウンドの23時以降の編成は未発表の枠もあった。
- ^ なお、最終日の1部と2部(想定していた枠は1部が20:02頃-22:30、2部が22:30-翌1:10頃)の放送枠は「ポツンと一軒家」(朝日放送テレビ制作)や「日曜プライム・おかしな刑事シリーズ」などで埋めた。また、2部と3部(翌1:15頃-優勝者決定の瞬間まで延長)内の中断挿入予定だったANNニュースもなくなり翌0:35-0:50の「ANNニュース&スポーツ」も復活した。
- ^ 放送を予定していた枠(18:45(一部の系列局は19:00)-20:54)は通常の番組(『ハナタカ!優越館』と木曜ミステリー『IP〜サイバー捜査班』)に戻された。
- ^ 『松岡修造のThis is 東京オリンピック』を3日目の23:00-23:10、最終日の21:55-22:05に放送したため。
- ^ 21:00-21:54の木曜ドラマ『六本木クラス』第2話の6分拡大とそれに伴う『報道ステーション』の6分繰り下げなどによる影響。
出典
- ^ “Open Championship to pay winner record $3 million”. ESPN. (2023年7月12日)
- ^ “ゴルフにまつわる〝面白話〟第10弾 差別発言で〝全英〟開催コースから除外”. GOLF報知 (2016年4月25日). 2022年12月11日閲覧。
- ^ “The 152nd Open / 100 Years at Royal Troon”. theopen.com (2020年2月25日). 2020年2月25日閲覧。
- ^ “The Open: R&A announce Royal Birkdale will return as host of The 154th Open in 2026”. Sky Sport
- ^ “Live From The Open Championship: A New Era Begins for the R&A”. Sports Video Group. 2016年7月31日閲覧。
- ^ “CTV Takes Axon’s Cerebrum Back To The Open Golf Championship”. TV Technology. 2016年7月31日閲覧。
- ^ メディア研究部 東山一郎「放送のオーラル・ヒストリー:放送の国際化の現場②「スポーツ放送国際化」の舞台裏」『放送研究と調査』第63巻第10号、NHK放送文化研究所、2013年10月、NAID 110009625388。《2014年4月14日閲覧》
- ^ “テレ朝 ゴルフの全英オープン中継から撤退へ 42年間放送も放映権料高騰で苦渋の決断”. スポーツニッポン (2024年3月13日). 2024年3月13日閲覧。
- ^ 『Mステ』ジャニーさん追悼90分SP 亀梨・キスマイ・HiHi Jets&美 少年が名曲歌う ORICON NEWS、2019年7月17日
- ^ 「サタデーステーション」および全英オープンの番組ツイッターのツイートより
- ^ 青木功氏と戸張捷キャスターがテレ朝ゴルフ中継の第一線退く 全英OP中継で森下アナが明かす 2022年7月17日23時15分(日刊スポーツ)
- ^ 伴修二郎 (2024年3月28日). “U-NEXT、ゴルフ「全英オープン」「AIG女子オープン」独占生配信”. PHILE WEB. 2024年3月29日閲覧。
- ^ “NBC, Golf Channel ending ABC/ESPN British Open reign”. Sports Business Journal. 2015年6月8日閲覧。
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