作画グループ 作画グループの概要

作画グループ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/12/04 19:34 UTC 版)

概要

ばばが中学生時代、漫画仲間と1962年に結成した同好会を前身とした[1]、会員制同人誌サークル。会員にはプロの漫画家が多いが、漫画が好きでさえあれば誰でも入れるオープンな会で[2]、創作同人としての顔と、会員有志による作品制作ユニットとしての二つの面を持つ。会員の聖悠紀が執筆した『超人ロック』の大ヒットの影響による入会希望者の殺到などもあり、一時期1,000人規模の会員数に急成長した[2]

活動の主な内容は、会員の提出したオリジナル作品を有志が批評してそれを会報に掲載するという、きわめてオーソドックスなスタイルである。ガリ刷の会誌が当たり前で、同人誌向け印刷屋が影も形もなかった1968年(昭和43年)にオフセット同人誌を刊行開始していた[1]。この会誌を『COM』に送ったことがきっかけとなって、ばばはグループ代表と並行して「ぐら・こん」関西支部の初代支部長も務めたため[1]、初期には他の同人グループと合同誌を刊行するなどしていた。

同人誌即売会にはほとんど参加しない一方で、原画展を開催し、貸本向け・同人・商業問わない発表形態に、“商業的”という批判にさらされることもあった。しかし、創作というものへのこだわりを貫き、1980年代まで手書きの原稿を綴じた「肉筆回覧誌」を製作するなど地味な活動も続けていた。これは掲載者のペンタッチを始めとする技術を相互に同人に示すことが、より質の高い作品制作につながるという考えからである。

映画同様、脚本監督・キャストなどを多数のメンバーが分担する合作を『週刊少年マガジン』など複数の雑誌に発表[3]。メンバーたちはギャグSF少女マンガとふだんは別ジャンルで活動している。個性が強く、絵柄のデフォルメが大きく異なるメンバーをまとめ、単なる余興でなく本格的な作品として作り上げ、話題になった。

2016年6月21日、ばばよしあきが心不全により死去(享年68)したため、7月31日をもって正式に解散した[4]

発行物

会報として「作品批評とお知らせ」(旧「ニュース版」)を発行、同人誌としては以下のものが刊行されていた。

  • なかま - 会員向け作品集。元々は「ぐら・こん」関西支部当時に出していたもので、1971年(昭和46年)に会誌として復刊[1]。初期はA6判、のちにB6判で約30ページから150ページ。
  • GROUP - 1号は1978年9月10日発行[5]、B6判で約160ページ。1985年(昭和60年)の20号からA5判・約200ページとしてSG企画より刊行。
  • ユニオン - 「ぐら・こん」の繋がりで1969年(昭和44年)から他の同人との合同誌として発刊[1]。のちに会員向け作品集となり、1981年(昭和56年)には約500ページの『ユニオンデラックス』として6号が発刊され[6]、1992年(平成4年)の13号まで刊行された。
  • ぐるーぷ - 1号は「ぐら・こん」関西支部から発行された[1]
  • 別冊 - 1977年(昭和52年)の10号まで発行された[1]

作品リスト

特記外は合作。


  1. ^ a b c d e f g 作画グループの世界(1981)、pp.77 - 84
  2. ^ a b 作画グループの世界(1981)、pp.85 - 87
  3. ^ 作画グループの世界(1981)、pp.9 - 23
  4. ^ 作画グループ代表のばばよしあきさんが亡くなられました COMITIA事務所blog 2016年07月31日
  5. ^ 「GROUP」創刊号(1978)、P.6
  6. ^ 「時の狩人」(1983)、P.185


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