レオポルド・ストコフスキー 編曲・作曲

レオポルド・ストコフスキー

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/21 07:17 UTC 版)

編曲・作曲

オルガン曲、ピアノ曲などのオーケストラ編曲にもすぐれた手腕を見せ、特に「トッカータとフーガ ニ短調」などJ.S.バッハの作品を編曲したものは有名で、今日でも演奏されている。「トッカータとフーガ ニ短調」は当初、オーケストラの練習用に編曲されたが、殊のほか好評だったので演奏会にかけてみたところ評判をとった。批評家らはストコフスキーの編曲によるバッハの作品を「バッコフスキー(バッハ+ストコフスキー)作曲」と揶揄したが、聴衆の支持もあってストコフスキーの編曲によるバッハの作品は数多くレパートリーに加えられるようになった。彼の死後も、その編曲はサヴァリッシュムーティサロネンバーメルト小澤などによって録音、演奏されている。

なお、ストコフスキーは1962年、自身の編曲によるバッハの作品に関してこう述べている。

「彼が私の編曲をどう思うか。それは私の死後の運命がどうなるか分からないけど、とにかく行った先で彼に会ってみないことには何とも言えない。」

ムソルグスキーの「展覧会の絵」の編曲も手がけている。最も有名なラヴェル編曲版では冒頭の「プロムナード」のメロディをトランペットが演奏するのに対して、ストコフスキー版では弦楽器が演奏するようになっている。この様な独特の解釈により、ラヴェル版に勝るとも劣らない魅力的な編曲に仕上がっている。彼自身以外では、この編曲を若杉弘がドイツで演奏、録音している。また、シェーンベルク作曲の「浄夜」も、作曲者自身の編曲によるオーケストラ版ではなく、オリジナルの弦楽六重奏曲からのストコフスキー編曲版が録音されている。

ワーグナー作品の「交響的合成」

ストコフスキーははいくつかのワーグナーの歌劇及び楽劇を編曲している。それらは「交響的合成」(Symphonic Synthesis【複数形はSyntheses】)と称して演奏・録音している。なお、2000年代にセレブリエールが演奏・録音している。

作曲

作曲家としての作品も遺されており、1972年のアメリカ交響楽団最終公演時に指揮した「弦楽のための夢」の録音が非公式にCD化されているほか、2013年には「交響曲」がロベルト・ミンチュク指揮BBCウェールズ・ナショナル管弦楽団により初演されている。


  1. ^ Leopold Stokowski - Hollywood Star Walk - Los Angeles Times
  2. ^ Abram Chasins "Leopold Stokowski, a profile" p.313, Hawthorn Books, 1979.
  3. ^ オーマンディ指揮のメンデルスゾーン夏の夜の夢』のCD(BVCC-38285)のブックレットに記載されているオーマンディのインタビューによると、ストコフスキーは理事会と諍いを起こしてフィラデルフィアを去ったが、オーマンディが理事会にストコフスキーの復帰を求め、ストコフスキーにも「以前のあなたのオーケストラに戻ってきてほしい」と手紙を書いた結果、ストコフスキーの復帰が実現したと語っている。
  4. ^ 「ラジオ技術」1981年8、10月号に詳細が記されている。
  5. ^ ブロムシュテット(2018)、66頁。
  6. ^ 「武道館で軟弱な西洋音楽とはもっての外」と、ビートルズの有名な一件より前に同じようなことがあった。ストコフスキーは武道館で演奏会を開いた最初の外国人音楽家となった。
  7. ^ バレンボイム(1994)、80頁。






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