レオニダス1世 影響

レオニダス1世

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/06 10:16 UTC 版)

影響

レオニダスの英雄的な死は、彼の名声をギリシア中に轟かせた。彼らの奮戦によってアテナイは時間を稼ぎ、サラミスの海戦でペルシア海軍に勝利することが出来たため、レオニダスは古代ギリシアを代表する英雄として讃えられ、今でもテルモピュライにはレオニダス像が聳え立っている。レオニダスと300のスパルタ兵に対する石碑も置かれ、ヘロドトスによれば「旅人よ、行きて伝えよ、ラケダイモンの人々に。我等かのことばに従いてここに伏すと」(ラケダイモンはスパルタのこと)と唱われたとされている。

また、死後においてもレオニダスは決定的な役割を果たした。スパルタの王族パウサニアスは、遠征中の奴隷反乱を危惧し、プラタイアに軍を送るか迷っていた。そこで「レオニダスの仇を討て」という神託を得て、レオニダスの仇討ちのためにペルシア全軍と戦う決意を固めた。プラタイアの戦いでは10,000のスパルタ重装歩兵が動員され、30万と伝えられるペルシア全軍をスパルタ軍だけで打ち破り、ペルシア帝国の野望を打ち砕いた。この戦いでギリシアは侵略の憂き目から解放され、ペルシア帝国はギリシア征服を断念せざるを得なくなった。

作品

テルモピュライの戦いで玉砕したレオニダスと300のスパルタ兵を主題にした米国映画『スパルタ総攻撃』が1962年に製作された。

『スパルタ総攻撃』を少年時代に観てインスパイアされたフランク・ミラーによって同じ主題のグラフィックノベル300』が1998年に出版されて、アイズナー賞を獲得するなど高い評価を得た。これを受けてザック・スナイダー監督が映画化した『300 〈スリーハンドレッド〉』が2007年に公開された。史実を基にしているものの脚色が多く、賛否両論であるが、Rotten Tomatoesでは観客が89%の支持と好評であり、興行収入が450億円を超える世界的な大ヒットとなった。

2014年には、テルモピュライの戦いの後日談であり、サラミスの海戦を主題にした『300 〈スリーハンドレッド〉 〜帝国の進撃〜』が公開され、こちらも約300億円のヒットとなった。


  1. ^ Morris, 35
  2. ^ Forrest, W. G. (1968). A History of Sparta 950–192 B.C.. New York: W. W. Norton & Company. p. 85 
  3. ^ Herodotus, 5.42–48
  4. ^ Paul Cartledge, The Spartans: The World of the Warrior-Heroes of Ancient Greece, New York, Vintage Books, 2002, p. 126.


「レオニダス1世」の続きの解説一覧




固有名詞の分類


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「レオニダス1世」の関連用語

レオニダス1世のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



レオニダス1世のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのレオニダス1世 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2024 GRAS Group, Inc.RSS