ヤン・ゴームズ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/01/26 05:32 UTC 版)
経歴
プロ入り前
1987年にブラジルのサンパウロで生まれ、12歳の時に家族と共にアメリカ合衆国へ移住する[3]。フロリダ州マイアミのマイアミ・サウスリッジ高等学校を卒業後、テネシー大学に進学した。
2008年のMLBドラフト39巡目(全体1192位)でボストン・レッドソックスから指名を受けるが、契約には至らなかった。
プロ入りとブルージェイズ時代
2009年のMLBドラフト10巡目(全体310位)でトロント・ブルージェイズから指名を受け入団[3]。
2012年5月17日、アダム・リンドに代わってAAA級ラスベガス・フィフティワンズから昇格した。同日のヤンキース戦でブラジル人として初のデビューを果たし、フィル・ヒューズから安打も記録した[4]。
インディアンス時代
2012年11月3日にエスミル・ロジャースとのトレードで、マイク・アビレスと共にクリーブランド・インディアンスへ移籍した[5]。また、パナマで開催された第3回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)予選のブラジル代表に選出された。パナマ代表との本大会進出決定戦では決勝適時打を記録し、予選突破に大きく貢献した[6]。本戦への出場も期待されたがシーズンに専念するため辞退した。
2013年3月11日にインディアンスと1年契約に合意。3月25日にAAA級コロンバス・クリッパーズへ異動[7]。4月9日にメジャーへ昇格した[8]。4月24日にAAA級コロンバスへ降格したが、28日に再昇格した[9]。この年は88試合に出場して打率.294、11本塁打、38打点、2盗塁を記録した。守備ではDRS11を残した。また、7月30日にはMLB史上初のブラジル人投手であるアンドレ・リエンゾと初のブラジル人対決をした。
2014年3月10日にインディアンスと1年契約に合意した。3月31日にインディアンスと総額2300万ドルの6年契約(2020年・900万ドル、2021年・1100万ドルの球団オプション付き)に合意した[10][11]。シーズンでは初めて規定打席に到達し、打率.278、21本塁打、74打点などと活躍した。ブラジル人として初めてシルバースラッガー賞を獲得した。
2015年は離脱もあり、95試合の出場に留まった。打撃では打率.231、出場試合数を超える104三振を記録したが、3シーズン連続2桁本塁打となる12本塁打を記録した。
2016年7月に右肩を故障して故障者リスト入りした[12]。更に、復帰直前にマイナーリーグの試合で右手首に死球を受けて骨折し、引き続き戦線離脱する羽目になった[13]。最終的には74試合に出場したが、打率.167、9本塁打、34打点という成績に留まり、全体的に低調だった。守備では73試合でマスクを被り、3失策、守備率.995、DRS0、盗塁阻止率37%という安定した成績だったがフレーミングは初めてマイナスに転じた。シカゴ・カブスとの2016年のワールドシリーズに出場したが、ロベルト・ペレスに先発を奪われ、チームも3勝4敗で敗退した。
2017年1月20日に背番号を7に変更した[14]。この年は105試合に出場し、打率.232、14本塁打、56打点という成績で、打率はあまり高くないものの出塁率と長打率が大きく上がり、OPSは.708になった。守備では103試合で盗塁阻止率42%などを記録した。
2018年は前半戦に打率.247、10本塁打、32打点を記録し、オールスターに代替で初選出された[15]。オールスターゲームにブラジル人選手が選出されるのは史上初のことである[16]。最終成績は112試合に出場し打率.266、16本塁打、48打点、OPS.762であった。守備では111試合で捕手を務め、DRS4で4年ぶりにプラスに転じた。
ナショナルズ時代
2018年11月30日にジェフリー・ロドリゲス、ダニエル・ジョンソンとのトレードで、ワシントン・ナショナルズへ移籍した[17]。翌年からインディアンスの正捕手はロベルト・ペレスとなった。
2019年はカート・スズキと出場機会を分け合う形で97試合に出場し、打率.223、12本塁打、43打点だった[18]。守備では盗塁阻止率30%、DRSはプラスだったが、フレーミングはマイナスだった[19]。ポストシーズン、NLCSで計3打点を記録した。ヒューストン・アストロズとの2019年のワールドシリーズでは第3戦でスズキが負傷したため、第4戦以降はフル出場し[20]、球団史上初のワールドシリーズ優勝に貢献した。最後の打者のマイケル・ブラントリーに対してダニエル・ハドソンが空振り三振を奪い、優勝の瞬間のボールを捕球してシーズンを終えた。11月2日に球団側がオプションを破棄したため、FAとなった[21]。オフの10月31日にFAとなった[22]が、11月27日にナショナルズと2年1000万ドルで再契約したと報道され[23]、12月10日に正式公示された[14]。
2020年は打率.284、出塁率.319、長打率.468で4本塁打、13打点を記録した。8月21日のマイアミ・マーリンズ戦で通算100本塁打に到達した[24]
アスレチックス時代
2021年7月30日にドリュー・ミラス、リチャード・ガッシュ、セス・シューマンとのトレードで、ジョシュ・ハリソンと共にオークランド・アスレチックスへ移籍した[25]。オフの11月3日にFAとなった。
カブス時代
2021年12月1日にシカゴ・カブスと2年総額1300万ドルの契約を結んだ[26]。
- ^ “Yan Gomes Contract Details, Salaries, & Earnings” (英語). Spotrac. 2023年5月5日閲覧。
- ^ http://toronto.bluejays.mlb.com/news/article.jsp?ymd=20120517&content_id=31545568
- ^ a b The Brazilian Bomber- Interview With Yan Gomes
- ^ http://mlb.mlb.com/mlb/gameday/index.jsp?gid=2012_05_17_nyamlb_tormlb_1
- ^ Blue Jays acquire Esmil Rogers in trade with Cleveland Indians ESPN
- ^ ブラジルが初の本大会進出/WBC予選 nikkansports.com
- ^ "Indians announce roster reductions & Opening Day roster structure" (Press release). MLB.com (Cleveland Indians). 25 March 2013. 2014年3月16日閲覧。
- ^ "Indians Make a Series of Roster Moves; Gomes & Santos Promoted, Marson on DL" (Press release). MLB.com (Cleveland Indians). 9 April 2013. 2014年3月16日閲覧。
- ^ "Indians recall LHP Scott Barnes and CA Yan Gomes; Lou Marson placed on the 15-Day DL" (Press release). MLB.com (Cleveland Indians). 28 April 2013. 2014年3月16日閲覧。
- ^ "Indians, catcher Yan Gomes agree to long-term contract" (Press release). MLB.com (Cleveland Indians). 31 March 2014. 2014年4月1日閲覧。
- ^ “Yan Gomes signs six-year deal”. ESPN MLB (2014年3月31日). 2014年4月1日閲覧。
- ^ Jordan Bastian (2016年7月17日). “Gomes exits with right shoulder injury” (英語). MLB.com. 2016年10月23日閲覧。
- ^ “【MLB】インディアンス、Y.ゴームズが戦列復帰直前で右手首骨折”. iSM (2016年9月17日). 2016年10月23日閲覧。
- ^ a b MLB公式プロフィール参照。2019年12月11日閲覧。
- ^ “レイズのラモスがオールスター辞退!ブラジル出身ゴームズが初出場へ”. www.sportingnews.com. 2019年10月21日閲覧。
- ^ “Yan Gomes announced as an American League All-Star before before ninth-inning at-bat Saturday” (英語). Cleveland.com (2018年7月15日). 2018年12月1日閲覧。
- ^ “Nationals acquire catcher Yan Gomes” (英語). MLB.com (2018年12月1日). 2018年12月1日閲覧。
- ^ “ナショナルズ、ゴームズとスズキ両捕手を併用へ”. nikkansports.com. 2019年10月21日閲覧。
- ^ a b Brady, Todd. “Yan Gomes”. Baseball Prospectus. 2019年10月21日閲覧。
- ^ “ナショナルズのスズキ、WS最終戦直前にスタメン外れる”. nikkansports.com. 2019年11月2日閲覧。
- ^ “Doolitte and Eaton are coming back, expect Zimmerman to join them”. NBC Sports Washington. 2019年11月4日閲覧。
- ^ Thomas Harrigan, Manny Randhawa and Paul Casella (2019年11月8日). “Here are every team's free agents this winter” (英語). MLB.com. 2020年1月6日閲覧。
- ^ “王者ナショナルズがゴームズと再契約 2年11億で残留、FA捕手市場はさらに加速”. ベースボールチャンネル. 2019年11月28日閲覧。
- ^ “Yan Gomes reaches milestone with 100th MLB home run”. Federal Baseball. SBネーション (2020年8月22日). 2021年9月18日閲覧。
- ^ “Athletics To Acquire Yan Gomes, Josh Harrison” (英語). MLB Trade Rumors. 2021年7月30日閲覧。
- ^ “Cubs, Gomes agree to 2-year deal” (英語). MLB.com. 2021年12月1日閲覧。
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- ^ “ブラジル初のメジャーリーガー「ずっと日本のプロ野球選手になりたかった」”. 東スポWeb. 2019年10月21日閲覧。
- ^ Explaining Indians Players Weekend names MLB.com (英語) (2017年8月26日) 2017年9月15日閲覧
- ^ “元局アナ 青池奈津子「メジャー通信」ブラジル初のメジャーリーガーは日本的”. exciteニュース (2018年5月19日). 2019年10月10日閲覧。
- ^ “Patrick Corbin and Yan Gomes' success was written in the stars”. NBCスポーツ (2019年7月20日). 2021年9月18日閲覧。
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