メタルギアソリッド ピースウォーカー
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/01/29 11:50 UTC 版)
ゲームシステム
このゲームは主に「ミッション」と呼ばれるアクションシーンと、「マザーベース」と呼ばれる基地での戦略シーンの2つからなる。
ミッションでは敵兵のいる海岸やジャングル、敵基地などに潜入し、要人の捜索や重要アイテムの回収、次のエリアへの到達、巨大兵器(ボス)の制圧などの任務をこなしていく。
シリーズ恒例のゲーム難易度は廃止され、ミッションごとに難易度が設定されている。
また、ステルスゲームである本作は、敵兵を殺すことや敵兵に発見されることは評価としてはマイナスになる。このため、他のメタルギアシリーズ同様、敵を倒すより敵に見つからないことが重要である。また、敵兵を排除する場合でも殺さず眠らせるだけにしたり、戦闘を回避することが評価を上げることに繋がる。眠らせたり、気絶させた兵士はアイテム「フルトン回収システム」によってマザーベースに収容、味方にすることができる。
『メタルギアソリッド3』『メタルギアソリッド4』のカムフラージュシステムも健在。出撃時にユニフォームを選ぶ方式で、ミッション中の変更はできない。
ミッション中にはレーションや武器の設計図が書かれた機密書類などのアイテムを回収できることもある。本作では、他のメタルギアシリーズと違い、ほとんどのアイテムは後述するマザーベースで製作する。ミッション中に入手するのはアイテムの開発条件が記されたキーアイテムのみ。キーアイテム入手後、マザーベースの「DEVELOP(開発)」コマンドによって開発を行う。弾薬やアイテムは所持上限を超えている場合、入手と同時にマザーベースに自動的に移送される。
ミッションの目的を達成するとミッションクリアとなり、設計図やユニフォームが手に入ったり、新しいミッションが選択可能になる。ミッションクリア時にはプレイ内容が評価され、それによって「英雄度」というパラメータが上下する。英雄度が高くなると志願兵が増えたり、より優秀な兵士が志願してくるなどのメリットがある。
マザーベース
本作で実装された新要素。『ポータブル・オプス』で導入された部隊育成を更に発展させたもの。ミッションで敵兵士を捕らえたり、捕虜を奪還することで自軍の兵士を増やすことができる。仲間になった兵士は「実戦部隊」「研究開発」「糧食」「医療」「諜報」の5部門に配属させることができる。各部門は兵士の数、優秀な人材が多いほど、能力が上がり新たな兵器や装備を開発できるようになる。さらには基地そのものも発展していく。
基地が成長するに従って訓練施設、兵器プラントなどが増設され、装甲車両や航空兵器の運用、志願兵の登用なども行える他、世界中の紛争地帯に部隊を派遣する事も可能になる。なお、公式HPで公開されているトレイラー映像によれば、このマザーベースの発展が後の「アウターヘブン」創設に繋がっていった事が示唆されている。
マザーベースの収容人数を超えて人数を増やしすぎると、マザーベースから人員が転げ落ちることもある模様である[4]。
アイテム開発
ミッションでアイテムの設計図が書かれた機密書類を入手すると、新たなアイテムが開発可能になる。ただし、開発条件として、マザーベースの人員のレベルが必要とされるものもある。例えば回復アイテムのレーションは研究開発班のレベルが5以上ないと開発できない。ほとんどの武器は研究開発班のレベルが一定以上必要とされるが、食料系のアイテムは糧食班のレベルが必要とされたり、三つ星コック・メタマテリアル技術等の特殊なスキルを持つ兵士が必要とされる場合もある。開発条件クリア後はGMP(資金力)と呼ばれるポイントを消費することで開発が開始される。その後はミッションをクリアして行く事で開発が進行、開発終了後はそのアイテムを使用可能になる。また、開発完了後は消費したGMPは戻り、自動的にアイテムが一定数ずつ生産される。開発が完了したアイテムも、さらに改良を施すことで能力を高めることもできる。
通信機能
本作では無線LANのアドホック通信に対応しており他のプレイヤーとの協力プレイ(最大4人)、対戦プレイ(最大6人)、そして兵士やアイテムの交換ができる。『ポータブル・オプス』とは違い、インフラストラクチャーモードはコンテンツのダウンロードのみしか対応していない。
CO-OPS
従来のメタルギアシリーズではストーリーモードは1人でしかプレイできなかったが、本作では本編ストーリー(メインオプス)も一部のシングル限定ミッションを除き、ほとんどが2人同時の協力プレイに対応している。さらには戦車や攻撃ヘリコプターなどの大型兵器との戦いは最大4人の協力プレイも可能。1人では難しいミッションでも他のプレイヤーと協力することで達成しやすくなるといったメリットがある。本作では協力プレイを「CO-OPS(コーオプス)」(Cooperative Operationsの略)と呼称している。CO-OPSでは単純に複数のプレイヤーが同時にプレイできるだけではなく、CO-OPS専用のアクションも用意されている。
- CO-OPイン
- CO-OPS時はプレイヤーの周囲にリングが表示される。このリング同士が触れ合う距離まで接近すると、お互いのライフゲージ、気力ゲージが共有になり、他のプレイヤーの持ち物を使用可能になる[5]。ライフゲージが少ない瀕死の仲間に接近することで一時的にライフを増やすことができる。
- スネーク・イン
- 仲間の近くでアクションボタンを押すと一列縦隊のスネーク・イン状態になる。この状態では前のプレイヤーに移動を任せることができる。この状態では普段は乗り越えられない段差も乗り越えられる。また、この状態でしばらくじっとしているとCYNCINGゲージが表示され、これが満タンになるとスネークシンクロ状態になりライフ、スタミナゲージの回復速度、移動速度、カモフラージュ率が上昇する。
- 心臓マッサージ
- 1人プレイでLIFE(ライフ)が0になった場合はゲームオーバーになるが、CO-OPS時は全員のライフが0にならないとゲームオーバーにならない。CO-OPでライフが0になったプレイヤーの近くに他のプレイヤーが接近し、アクションボタンを連打することで、心臓マッサージを行い蘇生させ、ゲームに復帰させることができる。この時心臓マッサージを受ける側もアクションボタンを連打することで復帰までの時間を短縮させることができる。
VERSUS OPS
バーサスオプスは他のプレイヤーと対戦できるモード。『ポータブル・オプス』と同様、最大6人まで同時にプレイできるが、それと違いインフラストラクチャーでの対戦には対応していない。ルールは4種類あり、個人戦の「デスマッチ」、2チームに分かれての団体戦「チームデスマッチ」、ターゲットのケツァールを奪い合う「キャプチャーミッション」、マップ内にある拠点を奪い合う「拠点制圧」の4種類がある。また、対戦では一部の動作が無効になる(CQCでの拘束やホールドアップなど)また、フレンドリーファイアーも有効にできる。
兵士の回収
マザーベースのスタッフは当初はスネークとミラーを含め数名だが、味方を増やすことでマザーベースを拡大することができるようになる。ミッション内で無力化した敵兵や捕虜を「フルトン回収」する方法、無線LANのアクセスポイントから志願者を募る「リクルート」、関連商品に書かれたパスワードを入力する「パスワード」がある。また、ミッションをクリアして英雄度を上げると兵士が志願してくることがある。
フルトン回収
麻酔銃、スタンロッドなどの非殺傷武器で気絶(星のマーク)[6]、睡眠状態になった敵(ZZZのマーク)[6]や、ホールドアップ状態になった敵、急所を攻撃せずに瀕死状態になった敵(赤い髑髏マークの表示)や、敵兵に捕まった捕虜の近くで「フルトン回収システム」を装備し、使用することでその兵士をマザーベースに回収することができる。ただし、英雄度が低いと回収した敵の中にはすぐには仲間にならない者もいる。また、一部の捕虜や瀕死状態で回収された敵兵は、一旦診療所に移送される。
なお、1回のミッションでフルトン回収できるのは100人までとなっているが、1回のミッション中に100人以上敵兵が出現する事は無く、全員を回収することが可能。
特定の条件で手に入る設計図で研究開発を行っていくと高台の敵兵はフルトンランチャー、もしくは睡眠ガス地雷で回収出来る。屋内であっても問題なく使用できる。
リクルート
『メタルギアソリッド ポータブル オプス』にもあった無線LANのアクセスポイントから強めの兵士を募集する方法。ストーリーをある程度進めるとミラーから入隊志願者を募ることを提案される。マザーベースの「リクルート」の項目から「ソルジャーサーチ」に入ると、無線LANのアクセスポイント (AP) が近くにある場合は入隊試験のミッションが選べるようになる。そのミッションでは武器は使えず、一定時間内にCQCで志願者を気絶させることができれば、強力な仲間にすることができる。英雄度によって志願兵の強さが変化し、高いほどSランクの仲間が手に入りやすくなる。
パスワード
ゲームスタート時に「EXTRAS」を選択し、ネットワーク接続後、「パスワード入力」を選択。サントリーから発売されている「マウンテンデュー」などに貼り付けられているシールなどに記載されているパスワードを入力すると、新たな特典兵士が仲間になる。パスワードはPlayStation Networkで管理されているため、一度入力すると同じパスワードは使用できなくなる。
操作形態
本作では以下の3種類の操作方法から選択できるようになっている。操作方法はゲーム開始時に選ぶが、その後も「システム」の「キーコンフィグ」、あるいはミッション中ならポーズメニューのメニューウィンドウから再選択可能。PS Vitaでプレイを行う場合は、右スティックを右ボタン(シューター)か方向キー(アクション・ハンター)に割り当てることで、右スティックでの視点操作が可能。
- シュータータイプ - 『メタルギアソリッド4』の操作に近いタイプ。他の2タイプと異なり、右手で視点操作が行えるのが特徴。
- アクションタイプ - 『ポータブル・オプス』を踏襲した操作タイプ。
- ハンタータイプ - 一部を除いて『モンスターハンター ポータブル 2ndG』を踏襲した操作タイプで、他のタイプに比べてローリングや装備の切り替えが行いやすい(体験版はメニューウィンドウの「詳細マップ」にカーソルを合わせ、上・上・下・下・左・右・左・右・×・○を入力するコマンドで選択可能)。
- ^ 『ファミ通ゲーム白書2013 補完データ編(分冊版)』エンターブレイン、2013年。
- ^ “Metal Gear Solid: Peace Walker -- Limited Edition”. All Game (2010年6月8日). 2012年8月22日閲覧。
- ^ “Metal Gear Solid: Peace Walker”. All Game (2010年6月8日). 2012年8月22日閲覧。
- ^ マザーベースが収容人数超過の状態でフルトン回収を行った時、ミラーから警告の無線が入るが、この音声の中にランダムで人が水に落ちるような音と「おい!今誰が落ちた!?」というミラーの叫び声が入ったものが流れることがある。
- ^ シュータータイプ、ハンタータイプでは△、×ボタンで、アクションタイプでは方向キー上下で選択する。
- ^ a b 一部の敵兵殲滅ミッションでは青い髑髏マークの表示に変わる
- ^ “Metal Gear Solid: HD Collection (Video Game 2011) - Connections”. IMDb. 2023年5月10日閲覧。
- ^ “METAL GEAR SOLID PEACE WALKER HD EDITION”. KONAMI (2011年6月3日). 2011年6月3日閲覧。
- ^ ただし、CO-OPSすることで溜まる友情度はPSP版とPS3版で別になっている。
- ^ “MGS PW HD を購入 | Xbox”. www.xbox.com. 2022年6月23日閲覧。
- ^ ただし、「コジマ」 (Cosima) という名前そのものは日本語以外にも存在し、劇中のブリーフィングファイルでも例としてリヒャルト・ワーグナーの2番目の妻であるコジマ・ワーグナーの名前を挙げている。
- ^ ITmedia (2010年4月22日). “待たせたな! ヨドバシカメラ横浜にあのスネーク潜入”. 2010年4月30日閲覧。
- ^ “メタルギアソリッドx"ウォークマン"限定コラボレーション” (2010年8月28日). 2010年6月20日時点のオリジナルよりアーカイブ。2010年8月28日閲覧。
- ^ なお、『SNAKE & KAZ -出会い-』のパートはメタルギアソリッドV: グラウンドゼロズでも視聴が出来る
- ^ 店舗予選に勝ち上がれなかったチームや店舗予選に参加出来なかったプレイヤーへの配慮として、地区予選大会当日に店舗予選と同じルールの「当日予選大会」が開場から1時間の間行われ、そこで勝利した1組も地区予選大会に参加できた。
- ^ 公式サイト・「METAL GEAR SOLID PEACE WALKER 全国大会」開催概要変更のお知らせ
- ^ 2010年9月3日配信のヒデオ・コジマの『ヒデラジ。』第275回より
固有名詞の分類
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