ポリプロピレン 製造とプロセス技術

ポリプロピレン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/10/15 09:23 UTC 版)

製造とプロセス技術

規模

ポリプロピレン製造プラントの規模は、年産4万トンから55万トン程度である。近年の新設プラントにおいては、年産20万トンから30万トン以上の規模が一般的である。

製造条件

ポリプロピレンの合成原料には、純度99.5重量パーセント以上のポリマーグレードのプロピレン(PGP, Polymer Grade Propylene)が用いられる。なお、水分、酸素、一酸化炭素硫黄化合物は、触媒毒となるので、一定量以上含有してはならない。

圧力15 - 60 bar、温度60 - 100 ℃で重合反応を行うことが一般的である。最適な圧力と温度は、製造プロセス、製造銘柄に依存する。ポリプロピレンの重合反応は発熱反応であるので、熱交換器、冷却ジャケット、モノマーフィードなどを用いて除熱される。

未反応のプロピレンは、分離・除去され、系内でリサイクルされる。分離されたポリプロピレン粉体は、触媒の失活工程、乾燥工程を経て、安定剤などの添加剤が添加された後に、押出機でペレットにされる。

プロセス技術

以下のポリプロピレンの製造プロセス技術が、ライセンスされている。これらは、バルク(液化プロピレンを溶媒とする)、気相またはそれらの組み合わせであり、プロピレン以外の溶媒を必要としないプロセスである。

全世界で稼働中のほとんどのプラントは、以上のいずれかのプロセスでポリプロピレンを生産している。いずれのプロセスも無脱灰(触媒残渣の除去を必要としない)プロセスである。一方で、脱灰を必要とする古いプロセスが、現役で稼働している例も見られる。


注釈

  1. ^ 耐薬品性に優れている点を活かしている。特に実験器具では、この性質が遺憾なく発揮される。
  2. ^ 強度がある上に、比重が軽いことを活かしている。スピーカーのコーン(振動板)は、なるべく軽い方が音の放射に有利である。しかし、強度が低いと壊れてしまう。
  3. ^ エチレンを重合させることで、ポリエチレンが合成される。

出典

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  2. ^ 石油化学工業会, 統計資料
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  6. ^ 住友化学の気相プロセス
  7. ^ UNIPOL PP
  8. ^ Horizone PP
  9. ^ Borstar PP
  10. ^ Hypol
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  26. ^ 経済産業省,3R政策
  27. ^ COMMON CHEMISTRY®
  28. ^ 化学物質総合情報提供システム(CHRIP)






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