ベン・シモンズ ベン・シモンズの概要

ベン・シモンズ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/15 05:25 UTC 版)

ベン・シモンズ
Ben Simmons
ブルックリン・ネッツでのシモンズ
(2022年)
ブルックリン・ネッツ  No.10
ポジション PG / PF
所属リーグ NBA
シュート
基本情報
愛称 Fresh Prince
国籍 オーストラリア
生年月日 (1996-07-20) 1996年7月20日(27歳)
出身地 ビクトリア州メルボルン
身長 208cm (6 ft 10 in)
体重 109kg (240 lb)
ウィングスパン 214cm  (7 ft 0 in)[1]
シューズ ナイキ[2]
キャリア情報
高校 BHSSC英語版
モントバード・アカデミー英語版
大学 LSU
NBAドラフト 2016年 / 1巡目 / 全体1位[1]
プロ選手期間 2016年–現在
経歴
20162022フィラデルフィア・76ers
2022ブルックリン・ネッツ
受賞歴
Stats  Basketball-Reference.com
Stats  NBA.com 選手情報 NBA.Rakuten
代表歴
キャップ オーストラリア
獲得メダル
オーストラリア
バスケットボールオセアニア選手権
2013年オーストラリア/ニュージーランド チーム
バスケットボールU-17世界選手権
2012年 リトアニア チーム

経歴

高校・大学

2013年1月にNBA選手を目指すために渡米。フロリダ州のモントヴェルデ・アカデミー高校でディアンジェロ・ラッセルと共に活躍し、全米級の選手として注目されるようになった。

ルイジアナ州立大学時代

高校卒業後はルイジアナ州立大学に進学[3]。同大学でも1年生ながら主力として活躍し、平均19.2得点11.8リバウンド4.8アシストを記録した。

フィラデルフィア・76ers

怪我でシーズン全休(2016–17)

2016年3月に2016年のNBAドラフトアーリーエントリーを表明[4]フィラデルフィア・76ersから全体1位指名を受けた[5]。 しかし、トレーニングキャンプ中の9月30日に右第5中足骨基部骨折。2017年2月にシーズンデビューが絶望になったと報じられ、[6][7][8]結局ルーキーシーズンは全休。2017-18シーズンに改めてNBAデビューを目指すことになった。

2017-18シーズン

2017年夏のサマーリーグは不参加だった[9]。10月4日のメンフィス・グリズリーズとのプレシーズンマッチで、1年越しのNBAデビュー。10月18日のワシントン・ウィザーズとの開幕戦で18得点10リバウンド5アシストを記録し、公式戦デビューを飾った[10]。10月21日に行われたトロント・ラプターズ戦で18得点、10リバウンド、8アシストを記録。試合は128-94で敗れたが、シモンズはオスカー・ロバートソン以来となるNBAデビューから最初の3試合全てで10得点、10リバウンド、5アシスト以上を記録した選手となった[11]。同月23日のデトロイト・ピストンズ戦ではリーグ戦4戦目にして21得点13リバウンド10アシストを記録し、自身初のトリプル・ダブルを達成し、76ersにシーズン初勝利をもたらした[12][13]。これによりオスカー・ロバートソン、アート・ウィリアムス英語版以来NBA史上3人目となるNBAデビューからの4試合以内でトリプル・ダブルを達成した選手となった[14]。11月3日に行われたインディアナ・ペイサーズ戦でキャリア2度目のトリプル・ダブルとなる14得点、11リバウンド、11アシストを記録した[15]。12月18日に行われたシカゴ・ブルズ戦で試合は117-115で敗れたが、19得点、11アシスト、10リバウンドを記録しキャリア4度目のトリプル・ダブルとなった[16]。2018年1月24日に行われたシカゴ・ブルズ戦で19得点、17リバウンド、14アシストを記録、キャリア5度目のトリプル・ダブルとなった。試合は115-101でシクサーズが勝利した[17]。5度目のトリプル・ダブル達成により、1994-95シーズンにジェイソン・キッドが記録したシーズン4度のトリプル・ダブルを抜いた[18]。2月14日に行われたマイアミ・ヒート戦で18得点、12リバウンド、10アシストを記録、試合はシクサーズが104-102で勝利した[19]

2月22日に行われたシカゴ・ブルズ戦でキャリア・ハイとなる32得点、7リバウンド、11アシストを記録、試合はシクサーズ116-115で勝利した[20]。3月1日、2月の月間最優秀新人選手賞に選ばれた。これで2ヶ月連続で今季3度目の同賞受賞となった[21]。3月15日に行われたニューヨーク・ニックス戦でオスカー・ロバートソン、マジック・ジョンソンに次ぐ、ルーキーシーズンに1000得点、500リバウンド、500アシストを達成したNBA史上3人目の選手となった[22]。また、この試合で今季8回目のトリプル・ダブルを記録したシモンズは、オスカー・ロバートソンの26回に次いでルーキーシーズンにトリプル・ダブルを最も多く記録した選手となった[23]。3月24日に行われたミネソタ・ティンバーウルブズ戦で今季10度目のトリプル・ダブルとなる15得点、12リバウンド、13アシストを記録、試合は76ersが120-108で勝利した[24]。4月1日に行われたシャーロット・ホーネッツ戦で20得点、15アシスト、8リバウンドを記録、試合は76ersが119-102で勝利した[25]。4月6日に行われたクリーブランド・キャバリアーズ戦で27得点、15リバウンド、13アシストを記録、試合は76ersが132-130で勝利、連勝を13に伸ばした[26]

プレーオフ1回戦、対マイアミ・ヒートの初戦で17得点、14アシスト、9リバウンドを記録、試合は130-103で勝利した[27]。第4戦で自身プレーオフ初のトリプル・ダブルとなる17得点、13リバウンド、10アシストを記録、試合は106-102で勝利した。ルーキーがプレーオフでトリプル・ダブルを記録するのは、1980年のマジックジョンソン以来となった[28]。シーズン終了後、オールルーキー1stチームに選出され、新人王を受賞した。

2018-19シーズン : 初のオールスター選出

2019年7月15日、シクサーズと2020-21シーズンからの5年総額1億7000万ドルで契約延長した[29]。2018年9月、シモンズはオフシーズン中に課題だったアウトサイドシュートの改善に取り組み始めた[30][31]。同年10月16日のボストン・セルティックスとの開幕戦で、19得点、15リバウンド、8アシストを記録したが76ersは105-87で敗れた[32]。2日後のシカゴ・ブルズ戦では、13得点、13リバウンド、11アシストを記録し、キャリア13回目のトリプル・ダブルを達した[33]。2019年1月5日のダラス・マーベリックスにて、20得点、14リバウンド、11アシストを記録し、シーズン6回目のトリプルダブルを達成した[34]。1月15日のミネソタ・ティンバーウルブズ戦には、20得点、11リバウンド、9アシストを記録した[35]。この試合でシモンズはNBA史上2番目に最速の通算2,000得点、1000リバウンド、1000アシストを達成した(1番はオスカー・ロバートソン)[36]。通算125試合での達成はマジック・ジョンソンより9試合、レブロン・ジェームズより33試合早い記録となった[36]。1月31日、自身初のオールスターゲームイースタン・カンファレンスのリザーブとして選ばれ[37]、オーストラリア出身の選手では史上初の快挙となった[38]

2019-20シーズン

2019年のワシントン・ウィザーズ戦にてダンクを試みるシモンズ。

シーズン終了後、スティール王に輝き、オールNBAサードチームNBAオールディフェンシブファーストチームに選ばれた。

2020-21シーズン

2021年2月16日のユタ・ジャズ戦にてキャリアハイの42得点と12リバウンドのダブルダブルを記録したが、チームは123-134で敗北した[39][40]。このシーズンは平均14.3得点、7.2リバウンド、6.9アシストの成績を記録。平均得点は自己ワーストとなったが、3年連続でオールスターに選出され (当日は新型コロナウイルス安全性プロトコルの問題で不出場) 、2年連続でオールディフェンシブ1stチームに選出された。一方、入団以来課題とされている3ポイントシュートはこのシーズンもほとんど試投せず、改善が見られなかった。チームはカンファレンス1位でプレーオフに出場し、ワシントン・ウィザーズとの1回戦では第1戦から3連勝しシリーズ突破に王手をかけたが、第4戦でウィザーズはフリースローが苦手なシモンズに意図的にファウルしてフリースローを打たせるハック・ア・シャック戦法を敢行。この試合で11本放ったフリースローを5本しか決められず、チームも敗れる。第5戦で勝利してシリーズ突破を決めたものの、続くアトランタ・ホークスとのカンファレンス準決勝でもホークスから同様の戦法を受け、深刻なシュートスランプに陥ってしまう[41]。そして自信を無くしたのかこのシリーズではオフェンス面で積極性を欠き、終盤になるにつれシュートの試投数が減っていった。その後、勝利した方がシリーズ突破となる第7戦では86-88で迎えた第4Qの残り3分31秒の場面にて、ゴール下でノーマークになったにもかかわらず、ダンクをせず横にいたマティス・サイブルへパスし、同点に追い付くチャンスを逃してしまう[42]。このプレーが流れを決定付け、チームは試合に敗れシリーズ敗退。この年のプレーオフでのフリースロー成功率は34.2%と散々な数字であった。この敗退により、前年から囁かれていたトレードの噂が加速。そしてオフの2021年8月31日にGMのエルトン・ブランド、ヘッドコーチのドック・リバースらと面談し、チームに残りたくないことと、トレーニングキャンプにも参加しない意向を伝え、事実上のトレード要求を行った[43][44]

2021-22シーズン

トレード要求したものの交渉は難航し、トレードが成立しない場合はシーズン全休も辞さない姿勢だと表明した。これには大学の先輩であるシャキール・オニールも苦言を呈した[45]。その後シクサーズはシモンズの年俸25%分の支払いを拒否し、試合に出場しない場合はシーズンが進むにつれて罰金を課すことを発表[46]。先行きが不透明になっていたが、シーズン開幕前に代理人とシクサーズ側との会談が行われ、チームに再合流した[47]。しかし、開幕直前の10月19日の練習中に守備ドリルへの参加を拒否。激怒したヘッドコーチのリバースにより帰宅させられ、1試合の出場停止処分を受けるなど、改めてシクサーズとシモンズとの確執が浮き彫りになる形となり、これにはジョエル・エンビードも呆れ返るしかなかった[48][49][50]。シモンズとシクサーズの関係は日々悪化の一途を辿っており、同シーズンは開幕から事実上無期限出場停止状態となっている[51] [52]。更に同月12月にはサンアントニオ・スパーズへのトレード加入に前向きな姿勢を見せているとも報じられた[53]。結果的にこのシーズンは76ersでは1試合もプレーしなかった。

ブルックリン・ネッツ

2022年2月10日にジェームズ・ハーデンポール・ミルサップとのトレードで、セス・カリーアンドレ・ドラモンド、2022年1巡目指名権、2027年1巡目指名権と共にブルックリン・ネッツに移籍した[54]。しかし、加入後もコンディション不足で不出場の状態が続き[55]、4月4日にレギュラーシーズンを全休することが発表された[56]

2022-23シーズン

2023年3月28日に今シーズンを全休することが発表された。[57]

2023-24シーズン

15試合で平均23.9分間出場。平均6.1得点、7.9リバウンド、5.7アシストを記録するも、2月27日を最後に、その後欠場が続いた。3月14日、再び腰の手術を受けたことが発表された。

オーストラリア代表

2013年にユース世代の代表に選出され、2014年FIBAバスケットボール・ワールドカップに、当時18歳ながらフル代表に招集された[58]。なお、2016年のリオデジャネイロオリンピックは、「NBAのルーキーシーズンに備えたい」という理由で、辞退を表明している[59]


  1. ^ Ben Simmons - NBADraft.net” (英語). nbadraft.net (2016年). 2021年11月22日閲覧。
  2. ^ Ben Simmons to sign sneaker contract with Nike” (英語). スポーツ・イラストレイテッド (2016年6月7日). 2022年3月6日閲覧。
  3. ^ Aussie basketball phenom Ben Siremons adjusting to ‘crazy’ college life at LSU
  4. ^ Ben Simmons to enter NBA draft
  5. ^ #PHILAfirst: Sixers Select Simmons
  6. ^ 76ers Rookie Ben Simmons Fractures Bone in Foot
  7. ^ 76ers新人ベン・シモンズが右足骨折 NBA JAPAN
  8. ^ 76ers rookie Ben Simmons will miss remainder of season
  9. ^ Ben Simmons and Joel Embiid are not playing in summer league
  10. ^ John Wall scores 28 points, Wizards hold on to beat 76ers
  11. ^ Ben Simmons records near triple-double in Sixers loss to Raptors” (英語). sportingnews.com (2017年10月21日). 2018年2月4日閲覧。
  12. ^ 76ers rookie Ben Simmons records 1st NBA triple double: 21 points, 12 rebounds, 10 assists
  13. ^ 76ersのベン・シモンズがデビュー4戦目でトリプルダブル NBA.com JAPAN
  14. ^ Colin Ward-Henninger (2017年10月24日). “Sixers rookie Ben Simmons joins Oscar Robertson in elite triple-double club” (英語). cbssports.com. CBS Sports. 2018年2月4日閲覧。
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  16. ^ Bulls beat 76ers 117-115 for 6th straight win” (英語). ESPN.com. ESPN (2017年12月19日). 2018年2月4日閲覧。
  17. ^ Simmons' triple-double helps 76ers top Bulls 115-101” (英語). ESPN.com. ESPN (2018年1月25日). 2018年2月4日閲覧。
  18. ^ Philadelphia's Ben Simmons wants to be 'greatest to play the game'” (英語). ESPN.com. ESPN (2018年1月25日). 2018年2月4日閲覧。
  19. ^ Simmons leads short-handed 76ers to comeback win over Heat” (英語). ESPN.com. ESPN (2018年2月14日). 2018年2月20日閲覧。
  20. ^ Brian seltzer (2018年2月22日). “Game Review Simmons, Embiid Lead Way to 6th Straight Win” (英語). NBA.com. 2018年2月23日閲覧。
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  48. ^ 76ersのベン・シモンズがチーム練習参加を拒否 1試合の出場停止処分で開幕戦欠場へ | NBA Rakuten”. nba.rakuten.co.jp. 2021年10月20日閲覧。
  49. ^ ベン・シモンズはチームに合流するも指揮官から練習を追い出される始末、エンビードも「僕たちはベビーシッターじゃない」”. バスケットカウント (2021年10月20日). 2021年10月21日閲覧。
  50. ^ シクサーズがシモンズを出場停止に…エンビードは「俺たちの仕事は誰かの子守りじゃない」”. バスケットボールキング (2021年10月20日). 2021年10月21日閲覧。
  51. ^ セブンティシクサーズは連勝を伸ばすも『ベン・シモンズ問題』は解決せず、欠場が続くシモンズに球団は新たな罰金を科す”. バスケットカウント (2021年11月6日). 2021年11月6日閲覧。
  52. ^ シクサーズのシモンズへの対応が復帰に悪影響?「彼はまだそのレベルにいない」”. バスケットボールキング (2021年11月1日). 2021年11月15日閲覧。
  53. ^ ベン・シモンズはスパーズ行きが有力か? 現地記者が語るトレードの進行具合”. バスケットボールキング (2021年12月13日). 2021年12月13日閲覧。
  54. ^ Brooklyn Nets Acquire Ben Simmons, Seth Curry, and Andre Drummond”. www.nba.com. 2022年2月11日閲覧。
  55. ^ シモンズのデビューは遠い? ナッシュHCが現状を告白「1対1の準備さえできていない」”. バスケットボールキング (2022年3月15日). 2022年3月15日閲覧。
  56. ^ Ben Simmons ruled out for rest of regular season, Play-In” (英語). www.nba.com. 2022年4月11日閲覧。
  57. ^ Ben Simmons injury update: Nets star out for the remainder of the season due to back issue” (英語). CBSSports.com. 2023年4月14日閲覧。
  58. ^ STARS HEADLINE BOOMERS SQUAD FOR WORLD CUP CAMP
  59. ^ Ben Simmons to 'postpone' playing for Australia, will forgo 2016 Rio
  60. ^ Ben Simmons stats | Basketball-Reference.com
  61. ^ Ben Simmons Seen Drilling Threes in Workout With Ja Morant, Tyrese Maxey | Sports Illustrated Philadelphia 76ers News, Analysis and More”. www.si.com. 2022年2月6日閲覧。


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