ブルークリスマス 評価

ブルークリスマス

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/30 01:00 UTC 版)

評価

  • 興行的には不振に終わり、キネマ旬報ベスト・テンでも26位と評価も低かった。倉本自身も『映画宝庫』[要文献特定詳細情報]石上三登志との対談で出来栄えに強い不満をもらしている[注釈 5]。不評の多くは、為政者たちが青い血の人々を恐れ虐殺に走る理由が説明不足というものだが、今日ではむしろそのあたりの省略の不気味さが再評価されている。
  • 批評家たちの評価が芳しくない中、三人の大物作家、都筑道夫星新一田中小実昌が当時から支持を公言している。星はエッセイ中で「名作」という言葉を冠し、田中は同年の日本映画1位に推した。都筑も弱点を指摘しつつ全体として高く評価し、小さな点では劇中の「ユーエフオー」という発音[注釈 6]を褒めている。ちなみに、この3人はほぼ同世代[注釈 7]で、翻訳家としても知られている[注釈 8]点が共通している。鏡明は『キネマ旬報』[要文献特定詳細情報]に長文の批評を寄せ、細部の甘さを多く批判したが意欲作であることは認めた。
  • 予告編にはホワイトハウスの場面があり、また倉本・石上の対談でも大統領役について両者とも不満を述べている。

その他

  • アニメ『新世紀エヴァンゲリオン』で、使徒の波長パターンとして表示される「BLOOD TYPE: BLUE」が、本作の英語題名からの引用である。
  • 竹下景子と田中邦衛は、この作品で初めて倉本聰の脚本作品に出演した。一方、倉本ドラマにレギュラー出演している俳優では、中条静夫が『6羽のかもめ』と同じくテレビ局員の役で、『うちのホンカン』の大滝秀治はイメージを変えて謎めいた解説委員の役で出演している。なお『北の国から』において原田美枝子がUFOに吸い込まれる幻想シーンは、本作において竹下景子がUFOと遭遇するシーンと同じく光線だけで表現している。
  • 本作のロケに国鉄夕張線東追分駅(現:石勝線東追分信号場)が使用された[6]。当時の駅は現在の敷地とは若干離れた位置であった。

脚注


注釈

  1. ^ 書籍『ゴジラ画報』では、「1時間55分」と記述している[1]
  2. ^ 書籍『ゴジラ大全集』では、「SFの衣を被った文芸作品」と評している[5]
  3. ^ 翌年クリスマス前公開の場合は実景撮影は不可能なため。
  4. ^ 劇中では「原子力空母ミッドウェイ」と呼称されているが、現実の同艦は通常動力艦である。
  5. ^ 石上は買いの立場から必死でフォローしている。
  6. ^ 前年にピンク・レディーの楽曲「UFO」が大ヒットしたことに象徴的だが、当時は「ユーフォー」という読み方が完全に定着して久しかった。
  7. ^ 1920年代後半生まれ、岡本と倉本の中間に位置する。
  8. ^ 田中は百冊近く、最も少ない星でも5冊の訳書がある。

出典

  1. ^ a b c ゴジラ画報 1999, p. 197, 「ブルークリスマス」
  2. ^ 東宝写真集 2005, p. 112, 「ブルークリスマス」
  3. ^ ブルークリスマスコトバンク
  4. ^ ブルークリスマス - ウェイバックマシン(2018年2月5日アーカイブ分) 日本映画専門チャンネル公式ホームページ
  5. ^ a b ゴジラ大全集 1994, pp. 72–73, 「東宝特撮映画史 ゴジラ誕生 特撮復権にむけて」
  6. ^ 映画」『北海道年鑑 昭和54年版』1979年1月、346頁、doi:10.11501/9490776 






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