バローチスターン州
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/29 09:58 UTC 版)
気候
北部高地の気候の特色は厳しい冬と酷暑である。南部高地の冬の気候は、北側では厳しいがマクラーン海岸近くの南側では穏やかである。夏は暑く乾燥し、特にチャガイやハーランの砂漠地帯では暑熱が厳しい。平野部では、夏は厳しく気温は日中50℃にも達するが、冬は穏やかで気温が氷点下になることはほとんどない。砂漠地帯では人を寄せ付けない強い砂嵐が吹くことがある。
住民と社会
バローチスターンの人口は約8百万人である。州内の主要言語は、バローチ語、パシュトー語、ブラーフイー語、ペルシア語である。
カラート地区をはじめ州内には、インダス文明を担ったとされる多くのブラーフイー語話者が居住している。ペルシア語話者のデーワール族もカラート地区やイラン国境近くの西部地域に居住している。
バローチ族が南部と東部(マクラーン地区、ラス・ベラ地区)では多数派を成す。マクラーン海岸沿いには、多様なマクラーニー・バローチ族が居住している。
州都クエッタではパシュトゥーン族が多数派で、バローチ族、ハザーラ族、パンジャービー族、ブラーフーイー人などが少数派として生活している。
北部ではパシュトゥーン族も多い。また、パシュトゥーン人、タジク人、ハザーラ人など多くのアフガニスタン難民も州内に居住している。
バルーチ民族主義運動(Baloch nationalism)というものもあり、アフガニスタンに侵攻したソビエト連邦軍と戦ったムジャーヒディーンを支援していたパキスタン政府に対抗するため、ソビエト連邦はバルーチスターン解放軍(BLA)に対して援助を行っていた。過去の歴史から、パキスタンの分離独立を目指す動きもあり、反政府武装勢力としてバルーチスターン解放軍、バルチスタン解放戦線(BLF)、バルチスタン共和国軍(BRA)などが活動してきた。
脚注
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