トシル基 トシル基の概要

トシル基

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/01/16 05:21 UTC 版)

トシラートエステルの一般構造式。トシル基で保護されたアルコールにあたる

導入

アルコールをトシル化する場合、通常はピリジンを溶媒として塩化パラトルエンスルホニル(TsCl)を作用させる。 
トシル基はアミンの保護に用いられることもある。導入の手法はアルコールのトシル化と同様で、トシルアミドが得られる。しかし、実際どのようにしてこのような生成物が得られるかは不明である。

反応性

アニオンTsO-はトシラートアニオンと呼ばれ、負電荷が3個の酸素の上に非局在化して安定化している。そのため、トシルオキシ基TsOは脱離能のよい置換基として振る舞う。アルコールをトシル化したトシラートエステルに求核剤を作用させると下式のようにしてトシラートアニオンが脱離する求核置換反応が起こる。この脱離性は母化合物のヒドロキシ基の脱離能に比べはるかに高い。


  1. ^ Yoshida, Y.; Sakakura, Y.; Aso, N.; Okada, S.; Tanabe, Y. (1999). “Practical and Efficient Methods for Sulfonylafion of Alcohols Using Ts(Ms)CI / Et3N and Catalytic Me3N.HCI as Combined Base: Promising Alternative to Traditional Pyridine”. Tetrahedron 55: 2183-2192. doi:10.1016/S0040-4020(99)00002-2. 
  2. ^ Yoshida, Y. Shimonishi, K.; Sakakura, Y.; Okada,S.; Aso, N.; Yoo Tanabe (1999). “Facile and Practical Methods for Sulfonylation of Alcohols Using Ts(Ms)Cl / Me2N(CH2)nNMe as Key Base”. Synthesis: 1633-1636. doi:10.1055/s-1999-3561. 
  3. ^ Ashida, Y.; Tanabe, Y. (2020). “Stereocomplementary and Parallel Syntheses of Multi-substituted (E)-, (Z)-Stereodefined α,β-Unsaturated Esters: Application to Drug Syntheses”. Chem. Rec. 20: 1410-1429. doi:10.1002/tcr.202000076. 


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