テイルズ オブ アライズ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/21 00:49 UTC 版)
用語
星霊力
作中世界のあらゆる生命及び物質に宿る、万物を構成するエネルギー。地水火風光闇の六属性が有り、その内ダナには闇の星霊力が無く、レナには光の星霊力が無い。これを用いて様々な効果を発動する能力を「星霊術」と呼ぶ。個人によって扱える星霊術の規模や、その属性の適性は異なる。領戦王争では、この星霊力を五名の領将が各自の担当領国で集め、その量を競う事となる。
大量の星霊力が一ヶ所に集中する事で、単なるエネルギーではなく、それ自体が意志や実体を持つようになる。ビエゾ戦で集霊器から出現した炎の化身や、〈天の楔〉や禁領で聞こえた「声」がこれに該当する。世界規模に達した星霊力意志体を「星霊」と呼び、特殊な声で他者へ呼びかけ、従わせるようになる。ダナの場合は世界全体に星霊力が薄く拡散した為に意志が生じる事は無かったが、逆にレナでは星霊力が一極集中した為、星霊が誕生する事となった。主霊石や各種集霊器には、貯蔵した星霊力の組織化を防ぐ機能が備わっている為、正常に作動している内は意志は発生しない。
- 〈虚水〉
- 物質や生命が完全に星霊力を失った後に残る、その痕跡。さながら水銀を想わせる、周囲を映す鏡の如き銀色の液体だけが残る事からそう名付けられた。人間が〈虚水〉化して死亡した場合、肉体のみならず衣服や携行品なども共に〈虚水〉化する。〈虚水〉化する程の星霊力喪失の原因として、ヘルガイの果実の大量摂取、または集霊器による星霊力の過剰吸収が挙げられ、ラズゥム採石場最深部やサスクリオ聖堂前、レナ地表には大量の〈虚水〉が湖か海の如く満ちている。
領戦王争(スルドブリガ)
300年前からおよそ十年周期で開催される、レナの最高統治者たる〈王〉を決定する、双世界を股に掛けた壮大な儀式。五名の〈領将(スルド)〉がダナの五領を分割統治して星霊力を収穫、期間内に最も多く集めた領将が最終勝者となり〈王〉の地位を獲得する。徹底した階級社会を生きるレナ人達にとって、〈王〉候補である領将に選ばれる事は極めて名誉な事で、当人やその身内の地位向上にも繋がる為、その座を得ようと禁じ手を使う者や、試験の過程で命を落とす者も中にはいる。〈王〉になる事はそれをも上回る、レナ社会に於ける究極の栄誉にして至上命題でもある為、領将とその支持者達は星霊力の収穫に総力を挙げて取り組み、それがダナ人達への過酷な支配を招く事となった。本編開始時点で現在の領戦王争は七年目を迎え、星霊力収穫はかつて無い速度で進行している。
- 領将(スルド)
- 地水火風光いずれかの属性の主霊石を貸与された、ダナを支配する高位のレナ人であり、次期〈王〉候補。レナ人の中から適性を持つ者を候補として選考、試験を経て最終的に最良と判定された五名が受任、レネギスに於ける三等権限、各属性主霊石の制御権、属性識別紋、担当属性領の執政権が与えられる。作中ではビエゾ、ガナベルト、テュオハリム、アウメドラ、ヴォルラーンが現役を務め、元領将としてハンフリクト、ウルワギルが名前のみ登場している。星霊術と心身の適性のみが選考基準となり、家格・性別・年齢・人格・前歴などその他の要素は一切問われない。選抜と受任は義務故に候補者に拒否権は無く、任期中に死亡などの理由で欠員が出た場合は後任が補充される。領戦王争終結後は〈王〉以外の領将はレネギスに帰還するが、受任時に与えられた主霊石や各権限は全て返納される。
- 受任するのは試験を勝ち抜いた、レナ社会に於ける最強格の星霊術使いばかりである為、その戦闘力はレナ装甲兵の比ではなく、非常時には主霊石に貯蔵していた星霊力の解放が許可されており、これにより大幅なパワーアップが可能。
- 〈王〉(統治者)
- ダナとレナ、双世界の権力機構の頂点に君臨する者の称号。領戦王争の勝者のみがその座に就く。〈王〉となった領将はレナ本国へ渡り、前任の〈王〉から位を譲られ、同地にてレナとレネギスの両方を統治する。前任の〈王〉はレネギスに戻らず、そのままレナで余生を過ごす。現在の〈王〉、すなわち前回の領戦王争の勝者は元シスロディアの領将ハンフリクト。
- 実際には、レナにもレネギスにも人々が認識していたような統治者は存在せず、〈王〉の地位も栄華も、レナ人達に効率良く星霊力を集めさせる為の疑似餌に過ぎず、レネギスの人々に〈王〉として意向を伝えていたのはヘルガイムキルだった。領戦王争に勝利して誕生したハンフリクトら歴代〈王〉の、レナへ渡ったその後は明確にされていない。しかしレナに棲息していた巨大ズーグルに複数の人体を想わせる形状が見られた事、その遭遇地点に大量のレナ人遺体が保管されていた事から、「歴代の〈王〉は全員ヘルガイムキルによって殺害、ズーグルの素体にされたのでは」とテュオハリムは推測した。
- 主霊石(マスターコア)
- 地水火風光闇の六属性ごとに用意される、星霊力を収める器。球状殻の中に星霊力安定的凝縮の為の力場結晶が存在しており、力場内にて星霊力を不活性状態で貯蔵する。領戦王争に於いて、地水火風光の五属性の主霊石が各属性に対応する領将に貸与され、任期中に主霊石に貯めた星霊力の量を競う。また、活性中の主霊石は近くの主霊石と共鳴を起こす場合があり、この仕様によりメネックが領将ガナベルトの偽装である事が明らかになった。
- 闇の主霊石のみが、領戦王争に用いられる事無く禁領にて保管され、その存在自体が完全に秘匿されていた。他にも、操られたフィアリエが赤い女(ヘルガイムキル)から渡されてズーグル召喚に使用した、よく似た外見を持つ品も存在する。
- 霊石(コア)
- 星霊力収集網の末端端子。生体に埋め込む事で全身に星霊力伝導路を張り巡らせ、肉体活動により滲出する星霊力を集め、放出する機能を持つ。肉体的負荷が大きいほど、星霊力の滲出量は増加する傾向にあり、対象が集霊器の効果範囲内にいれば、放出された星霊力は集霊器に送られる。数こそ多いが現在は製造が困難である為、対象の死後は回収が推奨されている。ダナ人の手の甲に埋め込む事で労働に従事させ、星霊力を得るのが領戦王争に於ける主な運用法だが、ズーグルに埋め込む事で星霊術による制御も可能。
- 集霊器
- ダナ五領のそれぞれの中枢に設置される大型装置。ダナ人達の手の甲に埋め込まれた霊石から放出された星霊力を吸引、貯蓄する機能を持つ。また、各領ごとに対応する属性を多く含む物質から星霊力を直接吸い上げる機能も備わっており、カラグリアでは炎を焚き、シスロディアでは投光器で光を集め、メナンシアでは石を砕き、ミハグサールでは風車で風を送り、ガナスハロスでは水を流す事で星霊力を抽出していた。集霊器に集められた星霊力は各領将が所有する主霊石に送られる。
- 〈招霊計画〉
- 星霊力が完全枯渇したレナへ、ダナから集めた星霊力をレネギス経由で送る一大計画。具体的には、レネギスから〈天の楔〉を射出してダナ洋上に打ち込み、惑星全体に星霊力伝導路を形成、星霊力を根こそぎ接収するというもので、〈王〉と〈巫女〉とレナス=アルマによって、その一連の制御〈招霊の儀〉が行われる。300年前に〈王〉アルフェンと〈巫女〉ネウィリによって第一次計画が実施されたが、儀式途中でネウィリが機能喪失してしまった為、補助を失ったアルフェンの力が暴走、レナ人とヘルガイムキルの大量死、レネギスが半壊する程の被害をもたらした上、レナス=アルマも消失、加えて再起不能になったアルフェンがネウィリによってダナへ戻された事で計画は頓挫。その為、新たな〈王〉を生み出す実験と並行して、レナス=アルマ再生成に不足していた闇属性以外の星霊力の確保手段として、ダナへの大侵攻、及び領戦王争が開始された。第二次計画は本編中、赤い女(ヘルガイムキル)によってレナス=アルマが再生成された一ヶ月後に開始。前回のネウィリの失敗を踏まえて、〈王〉の補助機構を持つ禁領最深部の装置を〈巫女〉の代用に据え、第二の〈王〉ヴォルラーンと、再生成したレナス=アルマを用いて〈招霊の儀〉が実施、レネギスが再起動した。
- 〈王〉(調整体)
- 〈招霊の儀〉の要となる、レネギス統御機構の生体中枢。調整体第1223号アルフェンと第10105号ヴォルラーンがこれに該当する。レネギスに於ける二等権限と識別紋を与えられている。高い星霊力干渉能力を持ち、レナとは属性組成が異なるダナの星霊力をレナ用に変換する為に生み出されたが、能力的に非常に不安定である事から重大な事故を招く事が予想される為、運用には補助機構による安定化措置が前提となる。ダナ人に特殊調整を施す事で生み出されるが、成功率は極めて低く、アルフェンとヴォルラーン以外の被験体は実験途中で死亡、または安定率の低さ故に廃棄処分された。
- 〈巫女〉
- 〈王〉と同じく〈招霊の儀〉の要となる、レネギス統御機構の生体中枢。ネウィリと、彼女の末裔であるシオンがこれに該当する。レネギスに於ける二等権限と識別紋を与えられている。素体にレナ人を用いる事で、ダナ人素体を用いて生み出される〈王〉に欠ける闇属性をレナス=アルマと共に補完、星霊力変換機能の一端を担うと同時に、〈王〉の力の補助と安定化を行うが、その度合いには〈王〉と〈巫女〉、両者の親疎が影響を及ぼす。
- レナス=アルマ(レナの太陽)
- 地水火風光の五属性の主霊石から生成され、領戦王争の勝者たる次代の〈王〉に与えられる究極の霊石と伝わる。しかし、実際には先述の五属性に闇属性を加えた、全六属性の主霊石、及び莫大な星霊力が生成には必要。また唯一無二の物質である為、代々の〈王〉に与えられるという話も虚構。主霊石や集霊器と同じく、内部の星霊力は極めて安定した状態となる。〈招霊の儀〉の要に用いられ、物語終盤のキーアイテムとなる。
- 〈天の楔〉
- レネギスから発射され、ダナ大海の中心に打ち込まれた超大型集霊器。レネギスの大導管から分離した先端部で、正式名称は「大導集霊中枢体」。機械とも植物とも異なる独特の外観・質感をしており、内部に人員は無く、代わりに防衛用のズーグルが配置されている。ダナ洋上に打ち込まれた後、星霊力伝導路をダナの惑星芯央に垂直接続しつつ、同時にダナ全域を水平に覆う。同時に射出されてダナ各地に配置された四体の生体集霊器〈イフリート・マルム〉〈ルオ・ウンディーネ〉〈ノーム・グランデ〉〈プロセラ・シルフ〉と連動する事で、ダナの星霊力の大規模収集を行い、レネギス経由でレナへ送る。作中に登場したのは第二号機で、300年前に同じ地点に第一号機が打ち込まれたが、アルフェンの暴走により爆発、消滅した。二号機の目標地点を一号機と同一にしたのは、一号機消滅によりダナの地形が変化、ダナ芯央への接続が容易になった為。
その他
- ヘルガイの果実
- 摂取した者を興奮状態に陥らせる事で、通常よりも多くの星霊力を放出させる赤紫色の果実。効果があるのはダナの生物のみで、少量の摂取では軽い体調不良を引き起こす程度だが、継続して大量に摂取してしまうと、星霊力を完全喪失して〈虚水〉化してしまう。メナンシアとミハグサールでは星霊力を大量に集める目的で、密かに食料に混ぜられており、ミキゥダやデダイムなど多くのダナ人の死を招いた。
- 星舟
- レナ人が製造した、レネギスとダナの往来に使われる宇宙船。普段はレネギスに常駐しており、領戦王争の開始と終了時にのみ使用される。領戦王争以外での使用には〈王〉の許可が必要。転移機能が搭載されており、ヘルガイムキルであれば機能制限の解除が可能。かつて〈招霊の儀〉に失敗して瀕死状態になったアルフェンを、ネウィリが搭載されていたコールドスリープ機能で長期治療措置を施してダナへ送り出し、その後300年もの間稼働し続けていた。その星舟はカラグリアのベルク火山奥地で再発見、リンウェルによってダナの古い言葉でフクロウ、または空への誘いを意味する「ファルナイツ号」と名付けられた。
- 鎮静の仮面
- アルフェンが装着していた、フルフェイスの黒い仮面。材質は不明だが質感は金属に近く、現領将最強の膂力を持つビエゾの一撃を受けても半壊で留まるほど強固。着用者の精神の働きを抑制する効果があり、本来は囚人の鎮静化を目的とした物だが、医療面での応用も可能。脳に直接作用する為、精神や感覚系への障害を誘発する危険がある事から長期使用は推奨されていない。かつて〈王〉の力を暴走させ、精神的外傷を負ったアルフェンにネウィリが装着させた。アルフェン暴走によるレネギス半壊時に製造設備が失われた為、現在では使用されておらず、その由来や正体をレナ人達も知らなかった。
- ^ 『2022 ゲーム産業白書』メディアクリエイト、2022年。ISBN 978-4909977199。
- ^ テイルズ オブ アライズ 【Official】/status/1519662830009856005 テイルズ オブ アライズ 【Official】のツイート(1519662830009856005)
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- ^ "『テイルズ オブ アライズ』9月9日発売決定&PS5、XSX/S版も発売。新キャラ、新PV、バトルシステムなどを公開!". ファミ通.com. 21 April 2021. 2021年4月22日閲覧。
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- ^ 絆を深めることで、隠し奥義を解放することができる。隠し奥義は各キャラに一つずつ存在しており、アルフェンのみストーリー中で解放される。
- ^ a b 過去に使用されていたシリーズの分類名。テイルズ オブ シリーズ#ゲームタイトル一覧を参照。
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- ^ Allen, Jen (2021年9月16日). “'Tales of Arise' becomes fastest-selling game in the Tales franchise” (英語). NME. 2024年2月21日閲覧。
- ^ Yokoyama, Keiichi (2024年2月21日). “『テイルズ オブ アライズ』販売本数300万本突破。発売から約2年半でシリーズ最大級の売上に”. AUTOMATON. 2024年2月21日閲覧。
- ^ ""The Game Awards 2021"発表&受賞まとめ。『エルデンリング』新映像や『Among Us VR』などが発表。GOTYは『It Takes Two』に!". ファミ通.com. 9 December 2021. 2021年12月11日閲覧。
- ^ a b "『テイルズ オブ アライズ』主人公・アルフェンは佐藤拓也さん、ヒロイン・シオンは下地紫野さんが担当". 電撃オンライン. 15 June 2019. 2019年6月15日閲覧。
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