ツイン・ピークス
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リミテッド・イベント・シリーズ
あらすじ
デイル・クーパーが夢に見た、何処とも知れぬ“赤い部屋”は、実在の空間であった。その“赤い部屋”へと、クーパーはついに足を踏み入れる。そこに待ち受けていたのは、殺害されたはずのローラ・パーマーであった。ローラは、“25年後に、また会いましょう”と、クーパーに告げる。
25年後、サウス・ダコタ州バックホーンにて、殺人事件が発生する。被害者はこの3日間、消息を絶っていた図書館司書のルース・ダヴェンポートで、アローヘッド通1349の自宅アパートにて、頭部のみの腐乱死体が発見された。
ダヴェンポートの頭部は、寝室のベッドに安置されていた。しかし、ベッドにあったのはそればかりではなく、ダヴェンポートの胴体に代わって、中年男性の死体が横たえられていた。こちらは、頭部を切断された胴体のみの全裸体であった。事件現場の1室は、発見当時、密室状態にあった。
時を同じくして、クーパーは依然留まり続ける“赤い部屋”にて、ローラとの再会を25年ぶりに果たす。すでに故人でありながら、ローラはクーパーと同様に、25年分の年齢を重ねていた。本人によれば、“私は死んだ。でも、生きている”という。そしてローラはクーパーに、“あなたは、もう出て行ける”と告げる。
主な登場人物
※オリジナル・シリーズおよび『ツイン・ピークス/ローラ・パーマー最期の7日間』において、既出の登場人物については、省略する。
ネヴァダ州ラス・ヴェガス
- ダグラス・“ダギー”・ジョーンズ
- 演:カイル・マクラクラン 吹替:原康義
- デイル・クーパーと生き写しの男性。
- ラッキー7保険にて調査員を務める。住所は、ランスロット・コートの一軒家である。赤色の玄関扉が、自宅の目印となっている。
- クーパーに比べ、長髪にして肥満気味である。私生活においては、飲酒および賭博という悪癖があり、賭博による借金は5万ドルに及ぶ。
- ラッキー7保険入社直前にあたる12年前、自動車事故を経験している。その後遺症が未だに尾を引いており、度々意識朦朧となる。
- 1997年以前の公式記録が一切存在しない。
- ジェーン・“ジェイニーE”・ジョーンズ
- 演:ナオミ・ワッツ 吹替:藤本喜久子
- ダギー・ジョーンズの妻。
- 旧姓はエヴァンス。ダギーとの間に、一人息子のサニー・ジムがいる。ダギーの身持ゆえに、必ずしも夫婦関係が円満とは言えない。その上、家計を圧迫する5万ドルもの借金が頭痛の種となっている。
- その気性は、勝気にして強面の借金取立人をも圧倒するほどである。
- ブッシュネル・マリンズ
- 演:ドン・マレー 吹替:塾一久
- ラッキー7保険の社長。
- 往年は、「バトリング・バド」のリング・ネームを有するボクサーであった。
- 社員のうちでも、アンソニー・“トニー”・シンクレアを敏腕調査員として重用する。その眼鏡に適う有為の人材に対しては、公私共に助力を惜しまない。
- ブラッドリー・ミッチャム
- 演:ジェームズ・ベルーシ 吹替:玉野井直樹
- ロドニー・ミッチャム
- 演:ロバート・ネッパー 吹替:さかき孝輔
- 実の兄弟にしてマフィア。
- 表向きは、シルバー・マスタング・カジノの共同経営者である。他にもホテルを所有するものの、つい先日火災に遭っている。ラスベガスを拠点とする、ビジネスマンのダンカン・トッドは商売敵にあたる。
- 兄弟共に、報復のためならば殺人をも厭わない激情家である。一方で、恩義を受ければ必ずそれに報いる人情家でもある。
- 元々は、児童養護施設の出身である。その傍らには常に、3人の金髪女性を侍らせている。
FBIフィラデルフィア支局
- タマラ・“タミー”・プレストン
- 演:クリスタ・ベル 吹替:甲斐田裕子
- 特別捜査官。
- ゴードン・コールの部下にして、アルバート・ローゼンフィールドの同僚にあたる。
- ジョージ・ワシントン高校およびマサチューセッツ工科大学にて、成績優秀者に認定された才女である。FBIアカデミーにおいても首席であった。
- 優等生であるものの、決して堅物ではない。超常現象に対して理解を示すなど、柔軟性も持ち合わせている。
- ダイアン・エヴァンス
- 演:ローラ・ダーン 吹替:塩田朋子
- 元・特別捜査官。
- 在職時は、デイル・クーパーの秘書を担当した。カセット・レコーダーを介してクーパーが呼びかけていたその人である。
- アルバート・ローゼンフィールドをもってしても太刀打ちできぬほど口汚い。酒および煙草を愛飲しており、マックス・フォン・バーが馴染みの店である。
- ジェイニーE・ジョーンズは、片親こそ異なるものの実妹にあたる。しかし性格の不一致ゆえに、長らく疎遠となっている。
ツイン・ピークス
- フランクリン・“フランク”・トルーマン
- 演:ロバート・フォスター 吹替:有本欽隆
- ツイン・ピークス保安官事務所の保安官。
- ハリー・トルーマンの実兄にあたる。病気療養中のハリーに代わって、保安官に就任した。
- 妻はドリスである。ドリスとの間にもうけた男子は、軍務を苦に自殺している。
- 忍耐の人である。息子の自殺後、情緒不安定に陥ったドリスに対しても、一切口ごたえをしない。
- 『シークレット・ヒストリー』および『ファイナル・ドキュメント』によれば、ハリーの1歳年長にあたる。その名前は、フランクリン・ルーズベルト大統領に由来する。高校時代は、ランバージャックスのキャプテンを務めた。その後、父・フレデリックの引退に伴って、ツイン・ピークス保安官事務所の保安官職を引き継いだ。
- 1981年、当時、保安官補のハリーに職を譲った上で、ツイン・ピークスを離れた。ドリスの出身地にあたるウェスタン・ワシントンへと、一家揃って移住したのである。その後は、地元警察にて無事定年退職を迎える事となる。
- ツイン・ピークス保安官事務所への復帰にあたっては、2年の期限つきでこれを引き受けている。
- レベッカ・“ベッキー”・バーネット
- 演:アマンダ・サイフリッド 吹替:ブリドカットセーラ恵美
- ボビー・ブリッグスとシェリー・ブリッグス(旧姓・ジョンソン)の1子。
- RRダイナー隣接のベーカリーにて勤務する。住所は、郊外のファット・トラウト・トレーラー・パークである。
- 夫のスティーヴンが無職であるがゆえに、シェリーへの借金を重ねざるを得ない。肝心のスティーヴンはベッキーの目を盗んでガースティン・ヘイワードとの不倫関係に耽溺している。
- スティーヴンと同様、コカインの常習者であり、一旦逆上すると前後の見境を失ってしまう。
- リチャード・ホーン
- 演:エイモン・ファーレン 吹替:川田紳司
- オードリー・ホーンの1子。
- レッドなる怪人物の元で、犯罪組織の一員として働いている。この犯罪組織は、若年層を中心としてツイン・ピークスに蔓延する中国製コカインの供給源にあたる。リチャードもまた、保安官補のチャド・ブロックスフォードを買収した上で違法行為に加担する。しかし肝心のレッドからは、半人前としかみなされていない。
- 父親を知らぬまま成長したせいか、その言動は傍若無人そのものである。祖父のベン・ホーンとも、長らく絶縁状態にある。
- フレディー・サイクス
- 演:ジェイク・ウォードル 吹替:矢野正明
- グレート・ノーザン・ホテルの警備員。
- 間もなく23歳になる英国人である。半年前までは、ロンドンのイースト・エンドに在住していた。
- 緑色の園芸用手袋を、常時右手にのみ着用する。本人によれば、どういうわけか皮膚と一体化しているらしい。その結果、右腕のみであるものの、杭打機並の腕力を獲得するに至った。
- ツイン・ピークスへの転居以前は、毎晩酒場に入り浸り、怠惰な日々を送っていたらしい。ツイン・ピークスにおいて、ようやく自分自身の運命を見い出す事となる。
その他
- ウィリアム・ヘイスティングス
- 演:マシュー・リラード 吹替:宗矢樹頼
- ルース・ダヴェンポート殺害事件の被疑者。
- サウス・ダコタ州バックホーンの高校にて校長を務める。その一方で、趣味の一環として異次元空間の調査・研究に取り組んできた。
- 私生活においては、フィリスという妻がいる。バックホーン警察のデイヴ・マックレイ刑事とは、高校時代からの友人関係にある。
- 43歳にして、ひどく女々しい一面がある。
- ダヴェンポートとは、不倫関係にあった。同時に、異次元空間の研究仲間でもあった。その研究成果は、“ゾーンを探して”なるブログにて一般公開されている。
- 内道(ナイド)
- 演:裕木奈江
- 謎の空間において、幽閉状態にある女性。
- 呼称の由来は、“外道”の反対語にあたる造語である。
- 何者かによって、両目を塞がれている。また、会話による意思疎通も不可能らしい。その口から発せられるのは、歌声のような奇声のみである。
- “赤い部屋”を放擲された、デイル・クーパーのために、その身を呈する。
- ウッズマン
- 演:ロバート・ブロスキー
- 正体不明の男性。
- 伸び放題のひげと粗末な衣服は、一見すると浮浪者のそれに過ぎない。しかし、人間の頭部を容易く破壊するほどの握力を有している。また、その声は一種の催眠効果を持ち合わせるらしい。
- 神出鬼没の存在である。さかのぼる事1956年8月5日にも、どこからともなくニュー・メキシコ砂漠へと姿を現している。
- エクスペリメント
- 演:エリカ・エイノン
- 正体不明の存在。
- 体型こそヒト型であるものの、その肌は一面灰色である。顔面には口腔以外の器官が存在せず、胴体には乳房が確認できる。
- 1945年7月16日に実施されたトリニティ実験の際、その間隙を縫って無数の卵を吐き出した。それらの内には、球形の“ボブ”も含まれていた。
- その後、“赤い部屋”から投げ出されたデイル・クーパーを追跡するかのように、現代のニューヨークへと姿を現す。
- キャリー・ペイジ
- 演:シェリル・リー 吹替:高島雅羅
- ローラ・パーマーと生き写しの女性。
- テキサス州のオデッサにて、夫と共に生活している。住所は1516番地で、住まいは平屋である。
- “ジュディのコーヒー・ショップ”のウエイトレスとして生計を立てるものの、ここしばらくは無断欠勤が続いている。
スタッフ
- 製作総指揮 - マーク・フロスト、デイヴィッド・リンチ、サブリナ・S・サザーランド
- 音楽 - アンジェロ・バダラメンティ
- 撮影監督 - ピーター・デミング
- 編集 - デュウェイン・ダンハム
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- ^ クリス・ロドリー編『映画作家が自身を語る デイヴィッド・リンチ』広木明子+菊池淳子訳、フィルムアート社、1999年、246-249頁。
- ^ クリス・ロドリー編『映画作家が自身を語る デイヴィッド・リンチ』広木明子+菊池淳子訳、フィルムアート社、1999年、259-260頁。
- ^ クリス・ロドリー編『映画作家が自身を語る デイヴィッド・リンチ』広木明子+菊池淳子訳、フィルムアート社、1999年、109-110頁。
- ^ クリス・ロドリー編『映画作家が自身を語る デイヴィッド・リンチ』広木明子+菊池淳子訳、フィルムアート社、1999年、316-317頁。
- 1 ツイン・ピークスとは
- 2 ツイン・ピークスの概要
- 3 リミテッド・イベント・シリーズ
- 4 エピソード
- 5 用語
- 6 製作
- 7 その他
- 8 受賞
- 9 参考文献
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