チェーンストア
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/12/25 01:49 UTC 版)
歴史
この節の加筆が望まれています。 |
19世紀後半には都市の中心地に百貨店が成立していった。チェーンストアは中心地以外において新しい小売形態として勃興しつつあった。これは同一所有のもとに複数の店舗を所有し、中央での一括集中仕入れにより、薄利多売を目指すチェーンストアのことである。
登場した要因としては食料雑貨が差別化できない一般的なステープル商品(staple merchandise、必需品)であり、身近な店で買うのが消費者の購買慣習であったことから、都市人口の増大により、多数の店舗展開が可能になったためと考えられるようだ。本格的に発展するのは自動車の普及と中小都市が本格的に発展する1920年代だが、19世紀後半には登場し始めていた。
方法論としては、百貨店が一店舗の規模を拡大したのに対して、チェーンストアは店舗を追加して成長した。また、多数の店舗で販売する商品を本部で一括購入するため、大量仕入れによる規模の経済を享受でき、薄利多売を最も強力に推進することができる。そして、廉価販売のために従来行われていた商品配送や掛売りなどのサービスを廃止したことや、同じ設計の店舗を増やすことで買い物客はどこの店でも同じ商品が購入できるように、商品と店舗の標準化が行われ、販売の合理化が進められた[3]。
具体的にはチェーンストアは一般的には1859年に紅茶やコーヒーを販売するA&P[英語版](The Great Atlantic & Pacific Tea Company)から始まったと言われている。ただ、この時点では紅茶やコーヒーのみの販売であり食料品のチェーンストア(Grocery chainという概念で括られる)ではない。
1878年からA&Pの支配人となったジョージ・H・ハートフォード[英語版]によって食料品のチェーンストアが始められたようである。ハートフォードが支配人となった1880年代初めには、まだA&Pは紅茶とコーヒーと砂糖のみを販売していた。しかし、息子ラドラム(Ludlum1864-1957)[英語版]が入社し、ベーキングパウダーなどを製造ラインに追加するように説得し、他にも提供するアイテム数を増やすための会社を立ち上げた。これによって、会社名を製品ラベルにつけることによりチェーンストアが自社ブランドで製品を販売するという形態を作った(これがGrocery chainという概念になるようだ)。
また、日本では世界恐慌の影響により個人経営店が少なくなり、チェーン店が広がっていくこととなった。ただし、現在のチェーン店の形態とはまた異なるものである。
日本では、資生堂が1927年より支店に配布するための雑誌『チェインストア』を発行している[4]。
- ^ (左上:まいどおおきに食堂、上中央:カルチュア・コンビニエンス・クラブ「TSUTAYA」(書店)とサーティワンアイスクリーム、右中央:イエローハット(カー用品店)、左下:日本マクドナルド(ハンバーガー店)、右下:セリア(100円ショップ))
- ^ 連鎖店『欧米に於ける大規模商店に対する小規模商店の対抗競争実策』(国同調査資料:19) / 国民同志会調査部 編(国民同志会、1930)
- ^ ロバート・ソーベル(訳)青木榮一『セブンイレブンの経営史』有斐閣、1994年4月10日。
- ^ Chain Store: 1927 –1941 Shiseido(マサチューセッツ工科大学)
チェーンストアと同じ種類の言葉
- チェーンストアのページへのリンク