ダイヤモンドは砕けない
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ダイヤモンドは砕けない | |
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ジャンル | サスペンス・ホラー シュール・コメディ |
漫画:ジョジョの奇妙な冒険 Part4 ダイヤモンドは砕けない | |
作者 | 荒木飛呂彦 |
出版社 | 集英社 |
掲載誌 | 週刊少年ジャンプ |
レーベル | ジャンプ・コミックス |
発表期間 | 1992年20号 - 1995年51号 |
巻数 | 全18巻(29 - 46巻) |
話数 | 全174話 |
テンプレート - ノート | |
プロジェクト | 漫画 |
ポータル | 漫画 |
『ダイヤモンドは砕けない』は後年に付けられた副題で、連載当時の副題は「第4部 東方仗助」。なお、文庫版で付けられた日本における英語表記は『Diamond is not Crash』だったが、これは英語としては誤った表現であるため、後に発売されたゲーム版や画集やアニメ、実写版(後述)では『Diamond is Unbreakable』へと変更された。
2015年10月24日には、テレビアニメ化が決定したことが報じられ[1]、2016年4月から12月まで放送された。
2017年8月4日には、本作単体での実写映画版が劇場公開された。詳細は#実写映画を参照。
制作背景
作者によると、本作のテーマの1つは「街を描く、街を創る」ということ[2]。本来はPart3で『ジョジョ』を完結させて、次回作として隣の街にいそうな殺人鬼の話を新しく描く予定だったが、蜘蛛の巣を張って待ち構えているタイプのスタンドのアイデアが残っていたため、「街を舞台にして第4部をやろう」ということになった[3]。
また作者自身が完結後に振り返ってみると、「第1部から第3部のひとつの流れから緩やかにつながって広がっていったのが第4部であり、第5部からはテーマ性が深化したため、初期の構想から考えると『ジョジョ』は第4部で終わっていたと言えるかもしれない」とも語られている[4]。
読者や編集部から「第4部になって敵が弱くなった」という意見が多く寄せられたという。これに対して作者は「第4部は人の心の弱さがテーマ」「心に弱さをもった人が、その弱さを攻撃に向けることが真の怖さである」といった趣旨の反論をしている[5]。インフレ前提の「DIOより強い敵が出てこないがどうなっているのか」という意見も寄せられたが、インフレを否定しその上で作ったラスボスが吉良吉影である[6]。
本作の時代設定は連載当時からは未来に当たり、作者によると世紀末の不安と日常が描けるということで1999年という近い未来になった。「ウソの(架空の)犯罪や事件も作れるような」世界観にしたかったと言い、「死後の世界にしようかな」とも考えたが馴染みがないため止めたと語られている[2]。
担当編集者インタビューで、4部は「読者の年齢層は高め」「日本人の主人公で舞台も日本という身近な設定でもあり読者アンケートの結果は良かった」と語られている[7]。
あらすじ
空条承太郎がエジプトでDIOを撃破してから10年以上の月日が流れた、1999年。日本のM県S市の
何者かが杜王町で意図的にスタンド使いを増やしていることを知った仗助と承太郎は、スタンド能力を覚醒させる「弓と矢」を巡って激闘を繰り広げる。仗助たちは次々と立ちはだかるスタンド使い達との戦いの末に「弓と矢」の回収に成功するが、杜王町には「弓と矢」によって覚醒したスタンド使いが多数存在しており、数々の奇妙な事件を経て彼らと邂逅する。また、仗助は杜王町を訪れたジョセフと対面し、不器用ながらも親子の絆を深めていく。
康一と漫画家・岸辺露伴は15年前に起きた事件で死亡して幽霊となった少女の杉本鈴美と出会い、彼女を殺した殺人鬼が今もなお杜王町で快楽殺人を続けていることを知る。その後、仗助達が知り合ったスタンド使いの一人・矢安宮重清がひょんな事から殺人鬼と遭遇した末に犠牲にあったことで、殺人鬼もまたスタンド使いであることが判明する。調査の末に仗助たちは殺人鬼が
川尻浩作の顔と生活を奪った吉良だったが、父の変化に不審感を抱いた小学生・川尻早人は独自に調査を始めた末、父に成り済ました吉良が殺人行為をした瞬間を目撃。同時に本物の父は殺されて今の父は殺人鬼が成り済ました偽者であるという事実を知る。早人の奮闘によって正体を暴かれた吉良は仗助と対決するも追いつめられ、最後は野次馬に包囲されて逃げ場を失ったところを救助に来た救急車に轢かれて死亡する。吉良の魂は生死の境界へたどり着き、待ち構えていた鈴美の策に敗れて現世から追放される。
役目を終えた鈴美は仗助たちに見送られながら現世を去り、「弓と矢」がもたらした一連の脅威も去ったことから、承太郎とジョセフも仗助に見送られてアメリカへの帰国の途に就く。ジョセフは、仗助ら杜王町の住人たちには悪に屈さない正義の心「黄金の精神」が宿っており、その精神は連綿と引き継がれていくことを確信する。康一は、1999年の夏はほとんどの人々にとってはいつもと同じようにすぎていったと語り、第4部は閉幕する。
注釈
- ^ 初登場時185センチメートル(成長中)と記載されていたが後に180センチメートルとなった。
- ^ 当初は素質がなく致命傷だったが、仗助のクレイジー・ダイヤモンドによって傷を治されたため、結果的にスタンド使いになった。
- ^ Parte5『黄金の風』序盤においては、承太郎からジョルノの調査を直々に依頼された。
- ^ ゲームのサウンドトラックにはボイスの一部が収録されており、夏樹リオが演じている。
- ^ 「ACT2」の登場後は、初期のエコーズは「ACT1」と命名された。
- ^ テレビアニメ第4話では4部と同じパラメーターが表記されている。
- ^ 本人曰く、深く考えると頭痛がおきる。
- ^ レッド・ホット・チリ・ペッパーにそのことを指摘された以降は、「兄を越える」ということを意識するようになった。
- ^ 兄はスタンド使いを増やす過程で殺人を繰り返していたという事情から、命だけは見逃した。
- ^ 仗助や形兆など複数の人物から「恐ろしいスタンド」と評されている。
- ^ レッド・ホット・チリ・ペッパーにも「スローすぎる」とこの欠点を指摘された。
- ^ ノベライズ版では約200人。
- ^ テレビアニメ版では小林玉美と同様に最初から身長が低く、なおかつ顔もデフォルメ化した状態で描写されている。
- ^ 同化タイプのスタンドなので、本体の自由には消せない。
- ^ テレビアニメ版では「サンジェルメン」と呼称されている。
- ^ スーパーフライ戦でも、クレイジー・ダイヤモンドが見えているかのような発言をしていた。
- ^ 見舞いの品の桃が腐っていることを切る前に察知したり、自身の病室に取り巻きの女たちが来ることが匂いでわかったり、アドレナリンといった常人では匂いを嗅ぐことすらできないものの匂いさえ嗅ぎ分けることが可能。
- ^ 作中では運転手ごと閉じ込められており、出された際には紙の中での記憶はなかった。
- ^ テレビアニメ版ではカットされている。
- ^ 豊口の産休による声優交代。
- ^ テレビアニメ版では脳溢血。
- ^ エンディングテロップでのキャスト表記では「美那子」のみ。
- ^ エンディングテロップでのキャスト表記では「サトル」。
- ^ 原作では「サンジェルマン」と呼称されている。
出典
- ^ “ジョジョの奇妙な冒険:第4部「ダイヤモンドは砕けない」がテレビアニメ化”. まんたんウェブ. 2015年10月24日閲覧。
- ^ a b c 画集『JoJo6251 [荒木飛呂彦の世界]』より。
- ^ a b 『JOJO-A-GO!GO!』 DISC.3 ARAKI HIROHIKOより。
- ^ a b c SPURムック『JOJOmenon』より。
- ^ 単行本第46巻のカバー折り返しより。
- ^ 『JOJOVELLER3-HISTORY』59-60ページ。
- ^ 『JOJOVELLER3-HISTORY』54、62ページ。
- ^ “私の広瀬川インタビューVol.18 マンガ家 荒木飛呂彦さん「第3回 広瀬康一君の由来は? 」”. 広瀬川ホームページ. 2020年3月5日閲覧。
- ^ a b c d 『集英社ジャンプリミックス ダイヤモンドは砕けないvol14 ラブ・デラックス編』 P86「The origin of STANDS!」part.2
- ^ a b c d e f g 『JOJOVELLER完全限定版 STANDS』より。
- ^ a b c 『集英社ジャンプリミックス ダイヤモンドは砕けないvol14 ラブ・デラックス編』 P83「The origin of STANDS!」part.1
- ^ 映画「ジョジョ」新予告編で、クレイジー・ダイヤモンドの新規映像解禁 - マイナビニュース
- ^ a b c d e f 『集英社ジャンプリミックス ダイヤモンドは砕けないvol16 ヘブンズ・ドアー編』 P90「The origin of STANDS!」part.3
- ^ 画集『JOJO A GOGO』、およびTCG『ジョジョの奇妙な冒険 Adventure Battle Card』における呼称
- ^ 『西尾維新クロニクル』宝島社、2006年、86頁。ISBN 4-7966-5092-X。
- ^ a b c d e f 『集英社ジャンプリミックス ダイヤモンドは砕けないvol17ハーヴェスト編』 P106-107「The origin of STANDS!」part.4
- ^ a b 『集英社ジャンプリミックス ダイヤモンドは砕けないvol17ハーヴェスト編』 P188「The origin of STANDS!」part.5
- ^ 「映画 ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章 公式パンフレット」東宝、6頁
- ^ a b c 私の広瀬川インタビューVol.18 マンガ家 荒木飛呂彦さん「第1回 「杜王町」と仙台市との関係は?」
- ^ 荒木飛呂彦原画展 ジョジョ展 in S市杜王町
- ^ ジョジョの奇妙な冒険キャンペーン
- ^ “「ジョジョ七夕まつり in S市杜王町」に参加すべく仙台に行ってきました - GIGAZINE”. GIGAZINE (2016年8月6日). 2016年10月1日閲覧。
- ^ 『岸辺露伴は動かない』OVAコレクターズエディション 同梱ブックレット 5ページ 「エピソード#16 懺悔室」
- ^ https://ultra.shueisha.co.jp/manga/manga-4386/ ウルトラジャンプ作品紹介
- ^ 『キネマ旬報』2018年3月下旬 映画業界決算特別号 p.33
- ^ “山崎賢人主演「ジョジョの奇妙な冒険」公開日が8月4日に決定”. 映画ナタリー. (2016年12月15日) 2016年12月15日閲覧。
- ^ “人気漫画『ジョジョの奇妙な冒険』が初の実写映画化 山崎賢人が主演”. ORICON NEWS. (2016年9月28日) 2017年5月4日閲覧。
- ^ “実写『ジョジョの奇妙な冒険』続編も視野「第4部すべてやりたい」”. ORICON NEWS. (2016年9月28日) 2017年5月4日閲覧。
- ^ a b c d “『ジョジョ』、4部を実写化に選んだ理由”. シネマトゥデイ. (2017年5月4日) 2017年5月4日閲覧。
- ^ “『怪盗グルー』30億円突破でV3!『トランスフォーマー』『ジョジョ』も初登場!【映画週末興行成績】”. シネマトゥデイ. (2017年8月8日) 2017年8月8日閲覧。
- ^ “山崎賢人が歓喜!「ジョジョの奇妙な冒険」スイスの映画祭で観客賞受賞”. 映画ナタリー. (2017年7月9日) 2017年11月20日閲覧。
- ^ “映画『ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章』が第3回「CGWORLD AWARDS」実写VFX部門 最優秀賞 受賞!”. TCエンタテインメント (2018年1月10日). 2018年1月22日閲覧。
- ^ a b “Blu-ray&DVD Release”. 映画『ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章』公式サイト. 2021年4月18日閲覧。
- ^ “映画「ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章」”. TBSテレビ. 2021年4月18日閲覧。
- ^ “Base Ball Bear - BREEEEZE GIRL”. BaseBallBearVEVO (2012年7月8日). 2016年4月3日閲覧。
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