ステファンの五つ子銀河
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/26 02:32 UTC 版)
ナビゲーションに移動 検索に移動ステファンの五つ子銀河 | ||
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レモン山の32インチ望遠鏡で観測したステファンの五つ子銀河の領域
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星座 | ペガスス座 | |
位置 元期:J2000.0 | ||
赤経 (RA, α) | 22h 35m 57.5s[1] | |
赤緯 (Dec, δ) | +33° 57′ 36″[1] | |
他のカタログでの名称 | ||
HCG 92, Arp 319, VV 288[1], SQ[2] | ||
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概要
これらの銀河は、激しい衝突のために興味を持たれている。5つのうちの4つの銀河は、ヒクソン・コンパクト銀河群92として物理的に結びついている。1970年代初頭に行われた電波による観測で、この領域の銀河間空間に謎の輝線フィラメントが存在することが明らかとなった。この同じ領域で、可視光スペクトルで緑色に見える電離水素原子の弧も検出された。最近では、2つの宇宙望遠鏡が、奇妙なフィラメントの性質について新しい洞察を提供しており、現在は、NGC 7318Bが時速数百万マイルの速度で銀河群の中心に落ち込んでいく際に発する巨大な銀河間の衝撃波であると考えられている。
X線源
NGC 7318Bが銀河群のガスと衝突すると、銀河系よりも大きな巨大な衝撃波が銀河間の媒質に広がり、ガスを数百万度に加熱して、チャンドラ等で観測されるX線を放出する。
水素分子放射
恐らくより予想外だったのは、スピッツァー宇宙望遠鏡によって、衝撃波の中に非常に強い水素分子の赤外線放射が発見されたことである。この水素分子放射は、これまで観測された中で最も激しい水素分子の形成であり、最も強い放射は前掲の画像の緑色の領域の中心付近に由来する。この現象は、カリフォルニア工科大学の科学者が率いる、オーストラリア、ドイツ、中国が加わる国際チームによって発見された。衝突からの水素分子の検出は、水素分子が非常に壊れやすく、衝撃波の中で容易に壊れてしまうため、当初は予期されていなかった。しかし、衝撃波面が銀河群の中心のような濃度の高い媒質の中を移動すると、乱流層に多くの小さな衝撃波が形成され、これによって水素分子が生き残ることができる可能性がある。衝撃波の中の水素分子は、初期宇宙にも存在したと考えられるため、この衝突は、140億年前の宇宙の始まりの時に何が起こったかを見せてくれている。
赤方偏移
また興味深いことに、NGC 7320は小さな赤方偏移(790 km/s)を示すが、他の4つは大きな赤方偏移(6600 km/s)を示す。銀河の赤方偏移は距離に比例するため、他が地球から2億1000万から3億4000万光年離れているのに対し、NGC 7320は3900万光年以内の前面にあると考えられている[2]。
- ^ a b c “NASA/IPAC Extragalactic Database”. Results for HCG 92. 2006年9月18日閲覧。
- ^ a b c d Moles, M.; Marquez, I.; Sulentic, J. W. (1998). “The observational status of Stephan's Quintet”. Astronomy and Astrophysics, 334: 473-481. arXiv:astro-ph/9802328. Bibcode: 1998A&A...334..473M.
- ^ ニュートンムック Newton別冊 ハッブル望遠鏡宇宙大展望―厳選された80の最新観測。98p ISBN 978-4315519228
- ^ Stephan, M. E. (1877). “Nebula (new) discovered and observed at the observatory of Marseille, 1876 and 1877, M. Stephan”. Monthly Notices of the Royal Astronomical Society 37: 334-339. Bibcode: 1877MNRAS..37..334S.
- ^ a b c d e “NASA/IPAC Extragalactic Database”. Results for various galaxies. 2006年10月20日閲覧。
- 1 ステファンの五つ子銀河とは
- 2 ステファンの五つ子銀河の概要
- 3 メンバー
- 4 その他の画像
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