シダ (ミジンコ) 生態

シダ (ミジンコ)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/13 09:08 UTC 版)

生態

本種は湖、貯水池また川の沿岸域で、植物に関連して見られる[4]五大湖スペリオル湖ヒューロン湖オンタリオ湖ミシガン湖)ではパッチ状に分布する個体数の少ない甲殻類であり、パッチは低密度から370-5000個体/m3程度の密度に及ぶ[4]。日周運動はほかのミジンコ類のように顕著ではなく、沿岸に生える植生付近に留まるため、ほぼ動かない[4]。成体では植物の間を泳いでいるのに対し、若い個体は表層付近にいる[4]

本種は固着性濾過摂食を行う[4]。しかし、ほかの植物に関連して存在する種とは異なり、主に植物プランクトンを摂食する[4]。本種は他のミジンコよりも比較的高い代謝速度を持つ[4]Downing と Peters (1980) の研究では、餌の密度が増えると濾過速度は減少し、餌が豊富だと呼吸の増加が起こる[4]。これは主に胸部付属肢の濾過器のグルーミングが増加するため代謝の増加が必要であるためと考えられる[4]。その代謝要求の増加に見合わないため、これにより飢餓が起こる。本種は普通夜間に摂食するが、日中に摂食することもある[4]

本種は環境に応じて有性生殖でも無性生殖でも繁殖できる[4]。メインは単為生殖であるが、密集、光周期、餌条件など特定の刺激の存在により有性生殖に切り替わる[4]。一般的に繁殖周期は環境信号に応じて3月から4月の間に始まる[4]Green (1966) によれば、産卵は春や秋では高く、夏の間は低い[4]。そして10月には、多くの雌は休眠卵を産むようになり、翌年の春まで発生しない[4]。この変化は11月および12月の集団構造に影響を及ぼし、秋の集団にほとんど新しい個体がいないことから雌は大きく成長する[4]


  1. ^ a b c Sida crystallina (O.F.Müller, 1776)”. GBIF. 2021年5月22日閲覧。
  2. ^ a b c d 水野 1977, p.72
  3. ^ a b c d e 一瀬・若林 2008, p.118
  4. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x y W. Cody Webster. “Sida Crystallina”. Zooplankton of the Great Lakes. Central Michigan University. 2021年5月22日閲覧。
  5. ^ Kotov et al. 2012, pp.50-90
  6. ^ Sida Straus, 1820”. GBIF. 2021年5月22日閲覧。
  7. ^ Sida ortiva”. 四日市大学 生物学研究所. 2021年5月22日閲覧。


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