サーチ理論 価格分布の内生モデル

サーチ理論

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/04/22 22:23 UTC 版)

価格分布の内生モデル

特定の価格分布に基づく最適な探索の研究は、ある財の取引が均衡に達しているにも関わらず、なぜ複数の価格で売られているのかという問題を経済学者が考えるきっかけになった。つまり、これは一物一価の法則に反した現象といえるのである。しかしながら、買い手にどこで最低価格の商品が売られているかについての完全情報がないとき(つまり、探索が必要であるとき)、すべての売り手が同じ価格で財を提供するとは限らない。売り手の販売量と収益性間にあるトレードオフがその原因である。すなわち、高い値段をつけた場合には留保価格を高く設定している少数の消費者が財を購入し、低い値段をつけた場合には留保価格を低く設定している人も含めた多くの消費者が購入するため、売り手は複数の価格を提示しうる[8][9]

マッチング関数

近年、マッチング関数という枠組みを用いて、就職活動をはじめとした様々な探索がマクロ経済学のモデルに組み入れられつつある。 ピーター・ダイアモンドデール・モーテンセンクリストファー・ピサリデスの3人はマッチング理論の功績を称えられ2010年のノーベル経済学賞を受賞した。

労働経済学でのマッチングのモデルでは、2つのタイプの探索が相互作用する。すなわち、新しい仕事の形成は、労働者の探索における意思決定と、会社の求人を出す意思決定との2つに依存するとしている。マッチングモデルには賃金格差についても扱うものもあるが[10]、それを無視して簡素化されたモデルでは、仕事を始める前にランダムな長さの失業期間が生まれてしまうことのみを表現している[11]


  1. ^ Stigler, George J. (1961), 'The economics of information'. Journal of Political Economy, 69 (3), pp. 213-25.
  2. ^ Stigler, George J. (1962), 'Information in the labor market'. Journal of Political Economy, 70 (5), Part 2, pp. 94-105.
  3. ^ D. Mortensen (1986), 'Job search and labor market analysis'. Chapter 15 of The Handbook of Labor Economics, vol. 2, edited by O. Ashenfelter and D. Card.
  4. ^ R. Lucas and N. Stokey (1989). Recursive Methods in Economic Dynamics, pp. 304-315.
  5. ^ J. Adda and R. Cooper (2003), Dynamic Economics: Quantitative Methods and Applications, p. 257.
  6. ^ McCall, John J. (1970), 'Economics of information and job search'. Quarterly Journal of Economics, 84, pp. 113-126.
  7. ^ Danforth, John P. (1979), 'On the role of consumption and decreasing absolute risk aversion in the theory of job search'. In S.A. Lippman and J.J. McCall, eds., Studies in the Economics of Search. New York: North-Holland, ISBN 0444852220.
  8. ^ Butters, G.R. (1977), 'Equilibrium distributions of sales and advertising prices'. Review of Economic Studies, 44, pp. 465–91.
  9. ^ Burdett, Kenneth, and Kenneth Judd (1983), 'Equilibrium price dispersion'. Econometrica, 51 (4), pp. 955–69.
  10. ^ Mortensen, Dale, and Christopher Pissarides (1994), 'Job creation and job destruction in the theory of unemployment'. Review of Economic Studies, 61 (3), pp. 397-415.
  11. ^ Pissarides, Christopher (2000), Equilibrium Unemployment Theory, 2nd ed. MIT Press, ISBN 0262161877.


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