ケープ・フィアー
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/29 05:16 UTC 版)
ケープ・フィアー | |
---|---|
Cape Fear | |
監督 | マーティン・スコセッシ |
脚本 | ウェズリー・ストリック |
製作 | バーバラ・デ・フィーナ |
製作総指揮 |
キャスリーン・ケネディ フランク・マーシャル スティーヴン・スピルバーグ (クレジットなし) |
出演者 |
ロバート・デ・ニーロ ニック・ノルティ ジェシカ・ラング ジュリエット・ルイス ジョー・ドン・ベイカー イリーナ・ダグラス ロバート・ミッチャム グレゴリー・ペック |
音楽 |
バーナード・ハーマン エルマー・バーンスタイン |
撮影 | フレディ・フランシス |
編集 | セルマ・スクーンメイカー |
配給 |
![]() ![]() |
公開 |
![]() ![]() |
上映時間 | 127分 |
製作国 |
![]() |
言語 | 英語 |
製作費 | $35,000,000(概算) |
興行収入 |
![]() $182,291,969[1] |
憎悪と復讐心を蓄えた服役中の男と、その復讐相手である担当弁護士およびその家族を描くサイコスリラー映画。
両作品とも英語圏での公開作品名(原題)は"Cape Fear"である。邦題は『ケープ・フィアー』が1991年のものを指している。以下では、この区別に従って1991年の作品について主に記述する。
概要
ロバート・デ・ニーロが執念深い犯罪者・マックスを演じ、そのマックスの弁護を担当した弁護士の娘であり、マックスの素性を知らず、本性を現す時点までを接することとなる女の子をジュリエット・ルイスが演じ、それぞれが第64回アカデミー賞の主演男優賞と助演女優賞にノミネートされたが受賞は逃した。
オリジナル版では主人公の弁護士サム役だったグレゴリー・ペックが犯人の弁護士リー・ヘラーを演じ、犯人役だったロバート・ミッチャムが主人公の友人の警部、主人公の友人の警察署長役だったマーティン・バルサムが犯人に有利な採決を下す裁判官を演じるというひねりの効いた役でそれぞれカメオ出演している。また、ロバート・デ・ニーロの身体に彫られた派手ないれずみは『狩人の夜』でロバート・ミッチャムが演じたイカサマ牧師のいれずみに基づいている。
音楽はオリジナルのバーナード・ハーマンによるスコアをエルマー・バーンスタインが編曲・指揮したものが用いられている。また同じくバーナード・ハーマンがアルフレッド・ヒッチコック監督『引き裂かれたカーテン』のために作曲しながら未使用になっていた曲もクライマックスで使われている。撮影に英国の60年代ホラー映画で名高いフレディ・フランシス、美術にヒッチコック監督『めまい』のヘンリー・バムステッド、タイトル・シークエンスにはやはりヒッチコック作品で知られるソール・バスが起用されるなど、古典的なスリラーの伝統を踏まえながらも、それらを再構築する演出意図が随所に見られる。
製作総指揮の一人にはクレジットなしでスティーヴン・スピルバーグも含まれている。製作会社はスピルバーグのアンブリン・エンターテインメントである。当初は彼が再映画化権を取得、自分で監督しようと考えていたが、最終的にはスコセッシが撮ることになった。スピルバーグはマーティン・スコセッシに『シンドラーのリスト』を監督して欲しいと依頼していたのだが、スコセッシがこれはスピルバーグ自身が監督すべき映画だと応え、代わりに本作の演出を引き受けたからである。
また、ダニエル役のオーディションには、ドリュー・バリモア、リース・ウィザースプーンらもエントリーしていた[2]。
あらすじ
マックス・ケイディが刑務所から出所したその日、空には不吉な暗雲が垂れ込めた。そして彼の心の中にも、同じようなドス黒い思いが満ちていた。
14年前、マックスは当時16歳の少女に暴行を働いた罪で逮捕され、法廷で裁かれた。強姦ではなく暴行として判決が下った。犯した罪に比べ軽微に済んだとも言えたが、彼は弁護に手抜かりがあり、もっと減刑されていたはずだと考え、実刑が確定したことに不服を感じていた。そこでマックスは刑期を勤めながら、読み書きを習い、法律を学び、自らを弁護する手続きをとって社会復帰を試みてきた。しかしそれらが無駄に終わり、なお続く屈辱的な境遇を呪ったとき、心の中に一人の男への復讐の念が芽生えた。それは裁判のとき、自分を庇わなかった弁護士のサム・ボーデンである。
性犯罪を憎む、公選弁護人のサムは、マックスよりもむしろ無残に傷つけられた少女の方に思い入れ、依頼人の罪が重くなるように立ち回った。少女が性的に素行不良だったという証言も、少女の不利になると考え握りつぶした。マックスはそれを知り、許されざる裏切りと考えた。サムに対する復讐の念は、いつしか身体中に彫りこまれた刺青の文字そのままに、彼の心にも深く、強く刻み込まれた宿願となった。
刑期を終え、ついに自由を手に入れたマックス。彼は平和に暮らすサムとその家族の前に姿を現し、さっそく行動を開始する。当初は軽い嫌がらせ程度であったが、次第に嫌がらせはエスカレートしていき恐怖を感じたサムは家族を守ろうと奔走するが、マックスの力を押しとどめることはできず、やがてその恐ろしい本性に打ちのめされていく。
- ^ a b “Cape Fear (1991)” (英語). Box Office Mojo. 2010年4月4日閲覧。
- ^ Cormier, Roger (November 16, 2016). “15 Intense Facts About Cape Fear”. Mental Floss 2018年6月2日閲覧。.
- ^ ソフト版の日本語吹き替えではサムから「ろくに字も読めなかった」と言われており、先天的に頭がよかったわけではなく、むしろ勉強が全然できなかった。
- ^ その暴漢は全て返り討ちにした。
- ^ 妻いわく、アトランタで不倫をしていた。
- ^ 事前にサムはマックスに脅しをかけていたが、それを録音されており、証拠となった。
- ^ 自分自身も裁判で仕事をする人間として、そういう人間を見てきたこともあり、その苦痛を人一倍理解していた。
- ^ 演出の左近允洋はキャスティングが難航した作品と語っており、ロバート・デ・ニーロの吹き替えに自身が推した配役は局側に却下されたと述べている。グレゴリー・ペックとロバート・ミッチャムの配役についても、当初は別のキャストを考えていたが、「どうしようもない事情」により断念したという。
- 1 ケープ・フィアーとは
- 2 ケープ・フィアーの概要
- 3 登場人物
- 4 キャスト
- 5 外部リンク
固有名詞の分類
映画作品 |
妖女の時代 昭和残侠伝 唐獅子牡丹 ケープ・フィアー オーケストラの姉妹 男一匹ガキ大将 |
アメリカ合衆国の映画作品 |
見知らぬ乗客 ピンクパンサー ケープ・フィアー ミクロの決死圏 女性No.1 |
- ケープ・フィアーのページへのリンク